一穂ミチさんのレビュー一覧

感情教育 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

エピソードの効果とミチさんの文体の美しさ!!

他校(女子高)の生徒に電車で耳をぺロッと舐められるという
痴漢行為に遭ってしまう志緒のお話なのですが
これがもう、本編より志緒も桂も志緒の両親も
大っっっ好きになってしまう同人誌です!!

男子高生ならば、女子に触られるだけでラッキーと思うケースが多い中、
志緒にしてみれば不快極まりなくて一人で女子高にのりこみ
学校へ連絡が入り、桂が自ら希望して駆けつける事に。
“何でお前って、い…

1

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

何と素敵な物語でしょうか

タイトルから文学的な作品かと思い、
堅苦しそうで、情緒的に感じてしまい
なかなか読む気になれませんでした。
しかし、しかし、早く読めば良かったっ!
涙してしまいましたよ。

教師、生徒ものは数多くあると思うのですが、
その設定だけで終始してしまうことも多いと思います。
この作品では、1人1人の姿が浮き出てくるようでした。

特に、生徒(受)の志緒が好きです。
いつもは、攻が好…

12

ONE LIFE 小説

一穂ミチ 

再読率No.1 お気に入り攻No.1(笑)

BLはストーリーよりキャラクター、作品の空気重視です。
再読するのはそのキャラクターに逢いたくて、もしくは作品の空気に触れたくて、という理由です。

で、現在再読率ナンバー1がこの同人誌。

本編「街の灯ひとつ」もよかったんですが、神というほどではなかったんです。
キャラクターは大好きだけれど、ストーリーや設定がわざとらしくて。
実際お気に入り作品として手放さずにおいてあるけれど、一…

5

2012 Winter 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

幸せな今だからこそ拭えない不安

いやー…本当にお久しぶりの入江と遥。
嬉しいです!

入江の元カノ・真希に偶然出会ったというエピソードは
そんなに突飛では無いのですが
ミチさんの手腕で
遥の不安に同調してしまうのでした。

遥がそうなるように仕向けたわけじゃないけれど、
入江が真希と別れる事を望んでいた過去が
罪悪感を掘り起こします。

自分じゃなくて、入江が真希とこんな風に偶然出会っていたら、
真希は…

1

Don't touch me 小説

一穂ミチ  高久尚子 

一穂さんのすごいところ

「今日は疲れているし、さらっと読めるのがいいな」
「今日のテンションから、シリアス目なの読みたいな」
と、本を前にして、何を読むかを考えると思います。
で、さらっと陽気な物語を読みたいときに、
ガツンと重々しいシリアスを読み始めてしまったことに気づくと、
その物語にあまりいい印象を持てなかったり、
途中で断念して、またシリアスを読みたいときまで、読むのをとっておく
ことがあります。

5

2012 Winter 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

何もかも手は届かないけど、怖いばかりじゃないと、知る時

久しぶりでしたという感じの、『藍より甘く』の短い番外編。
タイトルは「ゆうぐれなき」、夕暮れ泣き。

偶然街中で、かつて暁行の彼女だた真希と出会った遥。
この偶然がもし、自分とではなく暁行との間に起こっていたら…

  …世界が、決して自分の手の届かないところで回っていると知った
  とりとめのない焦燥や不安で、夕暮れに泣きたい気持ち、怖さ…

そんな思いが溢れて、やってきた暁行…

1

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

人の幸は、人の不幸でもある

「何と綺麗なタイトルなのだろう」と、随分前に思った記憶がある。
こちらの小説を読むと、北原白秋の作品の一部分だと知った私は、自身の無知加減に呆れると共に知れた喜びも感じた訳で。

切なく儚く、キラキラとしていながらどの登場人物もどこか影を感じる。
人生で二度受験に失敗した高校1年の志緒と、担任でどこかへらっとしているように見える桂のお話。
正直、両方ノンケ同士の話にはいつも無理矢理感が否…

12

Ninna Nanna 小説

一穂ミチ 

それぞれが口ずさむ子守唄

『off you go』番外編。

クリスマスイブの夜、おひとり様を楽しんでいた良時のところへ
酔っぱらってやってくる佐伯さん。
彼が抱えて来たのは、大きなしろくまの縫いぐるみ。
プレゼントだっていうならいざしらず、連れてきたそのいきさつに怒った良時、
いつもいつも好き勝手はさせないぞ!と厳しい態度に出るが…
そこから始まる、彼ら流の(笑)あまーい夜。
え?どうしてそうなる?と思っ…

5

さみしさのレシピ 小説

一穂ミチ  北上れん 

言葉とふたつの欲

私にとって、初・一穂ミチさん。
数か月前、北上れんさんを好きになった時にたまたま手に取ったこちらの作品。
そもそも一穂ミチさんを存じ上げずに購入していた自分は、すぐ読む訳でもなく、ずっと本棚に寝かせてありました。

月並みな言葉しか発せない自分のボキャブラリーの無さに落胆しますが、それでも言いたい。

……何で今までほったらかしにして読んで居なかったの!早く読んでおけばよかった!

6

Saturday night paralysis 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

志緒くんが大人になるとき

本日は成人の日。東京地方は、この作中同様の雪模様…
ということで、レビューしてみたいと思います。
『林檎』番外編、志緒くんの成人式の日のエピソードです。

            :

腕枕をして共に眠った翌朝、桂は右手が痺れて動かなくなってしまう。
そんな状態の桂だが、志緒に世話をやかれるのを嫌がっている。

彼らは、教師と生徒として出会った。
50年経ったら大した差じゃなく…

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