讓
死ぬほどこの作品が大好きです。
これまで読んできた中で一番好きです。
春樹さんは壊されれば壊されるほど美しくなります。妖艶で危うくなっていくんです。
巻を追うごとに魅力が増す春樹さんを是非見てほしいです。
表題作は、鮮烈な愛憎の瞬間を切り取った小品。
兄が自分で気付いていたのかはわからない。
男の劣情をそそってしまう兄の色香に、弟は自身の劣情をどうして良いのか分からなくて。
それでも求めてしまう。沸点はそこまで来ていて。ある日、暴発してしまう。
よくある展開だが、物語は読み手側を置いてきぼりにして突然終わる。
表題作よりも、その後の中編、「彼らにまつわる2、3の事柄」の方が余程、「起こらな…