佐田三季さんのレビュー一覧

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

すっきり終わらない話

 過去の出来事から、あまり友人も作らず、一人でいることを好む須田は、バイトと大学に追われる毎日を過ごしていた。
 ところが、そんなある日、「俺のこと、覚えてない?」と見ず知らずの学生から教室で声をかけられる。
 まったく記憶にないその男・寺岡に須田はすげなく「人違いだ」と答えたけれど、実は須田は子供の頃の記憶が一部かけてしまっている。
 おまけに、その後遺症のように毎晩、悪夢を見続けている。…

3

つみびとの花 小説

佐田三季  上田規代 

BLに何を求めるか…

大変評価が高い作品なので、秋の夜長感動を求めて読みました。

家族の中で疎外感を感じながら育ち、大人になってようやく築いた自分の家庭だったのに
妻に病で先立たれ、シングルファザーとして保育園に通う娘を一生懸命に育てる男。
それなのに、無惨にも突然の事故でその宝物であった娘も奪われてしまう。

果てしない孤独。
これでもかと失い続ける男は、混沌とした暴力的な衝動に突き動かされて
娘の…

5

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

苦しい・・・

前回のお話が物凄く好きで、わー!どうしよう!なかなかレビューが書けない!(笑)と思っていたのですが、今回の作品は、違った意味で悩む結果になりました(^^;)
須田の過去はネタバレを読んで覚悟を決めていたのに、寺岡の行動についても知っていたのに、読んだ後(途中?)しばらく放心した気分になり、グルグルと整理出来ないまま、レビューを書くとしたら・・・と考えると感情的になりすぎて、しばらく距離を置こうと…

5

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

ホラー映画

怖い 怖い 怖い。
ストーカー・ヤンデレ 頭オカシイからこの人。(攻め)
いくら相手(受け)の事を好きでも 脅して犯して好きになってもらおうとするなんて
最強のいっちゃっている人だ。
ゲイで有る事で お互いが逃げ場を失ってしまったのだろうか?
もっと話し合えばよかったのだろうか?
でも 話のわかる男なら絶対こんな恐ろしい事はしないはず。
攻めは受けの弱さをピンポイントで付いてくるから…

1

つみびとの花 小説

佐田三季  上田規代 

喪失感

自分の娘を失う。
どれほど辛い事だろう。
私にも娘が2人いるので人事ではない。
親より先に子どもが死ぬということは親は身を切られる想いだ。
毎日の日常は色の無い世界だろう。
自分も死へ行こうかと考える事は 大事な人を失った誰もが思う。
この世には娘も妻もいない。
「ひとり」の現実。
辛く寂しい喪失感。
何もかもが空想ではないかと子どもを捜す。
この主人公のやりきれない想いが心を…

2

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

記憶喪失とトラウマ

最初のページだけでこれは当たりかも!という期待が高まりました。
実際、もう期待以上に良かったです。面白かった~!
とにかく受けの須田がもの凄くツボでした。世話を焼こうとする寺岡に対してそっけないところも良いのですが、たまに垣間見せる弱さがたまらないんですよ。これは構いたくなっちゃう!

闇夜が恐くいつも悪夢にうなされ目覚める理由。抜け落ちた幼い頃の記憶。そしてその頃の同級生だと言い、何かと…

6

0.03 あの日、校舎の階段で番外編 特典

相変わらずな遠藤氏

本編終了後のイヴの話。
イヴにこだわる遠藤とそんな事どうでも良い笠井が対照的です。
イヴなのにゴムを切らしてしまいあっさりやめようとする笠井、生でやりたがる遠藤。当然笠井はそんな事許しません。
遠藤はゴムをコンビニに買いに外に出ます。眼鏡が壊れ使い捨てコンタクトも切れているから裸眼で。
何だかんだ言って笠井は遠藤の事を心配でこっそり付いていきます。
遠藤のゴムへのこだわりがちょっと怖いで…

6

「クライ、くらい夜の終わりに」番外編ペーパー「きみの手と手と」 特典

重苦しさを経た後の甘さ…!

本編での辛くて暗くて重い道のりを経て、両想いになった真市と寺岡。
このペーパーでは、寺岡がサークルの合宿でいなくて1人寝の夜、暗いのが相変わらず苦手な真市が夜中に寺岡にメールを送って・・・という本編のアフターストーリーになっています。

両想いになっても、いまいち素直になりきれない真市がもどかしくて、寺岡の甘やかしっぷりも本編に引き続きで萌えます!!
「帰る」という寺岡に、「帰ってくるなよ…

1

クライ、くらい夜の終わりに 小説

佐田三季  麻生海 

重苦しさの奥に・・・。

終盤思わず泣いてしまいました。
重くて痛くて悲しくて切ないそしてその奥に甘さが潜んでいるというか。

もともと記憶をなくす前に因縁があった記憶喪失もの。
BLでは割とよくあるテーマですが、それをこの作者さんが書くとこうなるのか!と。
佐田さん作品を読むのは今作が初だったのですが、一気にはまりました!!
何気なく購入してあまりにツボだったので、ペーパー読みたさにちるちるでもう1冊買ってし…

4

あの日、校舎の階段で 小説

佐田三季  麻生ミツ晃 

もはやホラー

ひとことでいうと攻めはヤンデレなんですけど、並みのヤンデレではございません!
攻の思い詰めっぷり、受への執着そしてその行動が異常すぎて、本当身の毛がよだつ怖さだった・・・。
これ、もはや犯罪の域ですよね・・・。
遠藤はどう考えてもヤバいのにそれでも最終的に遠藤と生きることを選んでしまった笠井は、やっぱりもともと遠藤にどこか惹かれていたのかも。
尋常じゃない遠藤の執着心や笠井が育ってきた特殊…

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