夕映月子さんのレビュー一覧

てのひらにひとつ 小説

夕映月子  三池ろむこ 

純粋な恋のお話

初読みの作家さんですが、ピュアな世界がうまく表現されていて、良かったです。

32歳の医学部受験と、なかなか大変な選択をした日下部(攻様)と、そんな日下部の塾の担当になってしまった和音(受様)のお話です。

和音は、今まで両親の離婚やピアノ、それに、恋人を作ることだとか…いろいろな事を諦めて生きてきました。
そんな和音ですが、日下部の塾の講師になり、始めは厄介だと感じていますが、彼と接する内に、少…

5

てのひらにひとつ 小説

夕映月子  三池ろむこ 

ガンバレ!と応援したくなる二人

夕映月子さん、デビュー作から実に1年10ヶ月ぶりの2作目!
デビュー作も丁寧な作りが印象的で、好きなモノだけに丁寧に綴られているなーと思えたのですが、今作品も実に丁寧な描写と展開でとても好感の持てる仕上がりになっていました。
派手さがあるわけではない。
大きなヤマがあるわけではない。
もどかしいほどの純粋な気持ちがじんわりと伝わってくる。
堅実さが良さと言いましょうか、登場人物たちも誠実…

5

てのひらにひとつ 小説

夕映月子  三池ろむこ 

いつの間にか真摯に育っていた思い

大学生と大学職員との緩やかで、生真面目な恋のお話でした。
大学生の受け様はゲイで、大学の同級生に1年半も淡い片思いをしている。
告白する予定も気持ちも持っていないが、たとえゲイでも人を好きになれると言う事
だけで、幸せを感じようとする受け様は、身の丈に合った将来設計をするような
堅実で真面目なタイプだが、そのせいで何かを強く求める事を諦めてる感じもする。

そして大学職員の攻め様は、3…

5

てのひらにひとつ 小説

夕映月子  三池ろむこ 

真面目で地味な二人の、真面目で丁寧な恋

デビュー作の「天国に手が届く」(木下けい子画)が、新人とは思えなかった作者。
前作は、著者の得意分野の山と恋愛が両輪となって素晴らしい作品だったので、
じゃあ他の分野のBLはどうか?と楽しみに待っていたのですが、
結論から言うと、期待の割にちょっと残念という感じでした。

「両親が仲直りしてくれないことも、自分に弟ほどのピアノの才能がないことも、
家に経済的な余裕がないことも、自分が同…

6

てのひらにひとつ 小説

夕映月子  三池ろむこ 

真摯に向き合う2人

初読みの作者さんです。
デビューから2作目ということで、
私は1作目を読んでいなかったのですが
丁寧な作品を描かれる方だな~という印象です。

作者さんもあとがきでおっしゃているのですが、
「真剣に恋愛と向き合う」お話でした。

塾講師のバイトをしている大学生の和音は、
生徒として医学部受験を目指す社会人の日下部をみることになる。
医学部に30を超えてということで、他の塾講師た…

4

天国に手が届く 小説

夕映月子  木下けい子 

爽やかな読後感です

たぶん好きだろうなと思ってずっとお取置きしていた作品です。
やっぱりお気に入りになりました。
主人公の二人が出合ってから次第に心を通わせていき、
唯一無二の人生のザイルパートナーになるまでを丁寧に描いてくれています。
こちらが思わず引いちゃうような作り過ぎな設定もないし、
わずらわしいほどのあてうまや外野もいない。
淡々とエピソードを重ねていってくれて、
二人の気持ちがゆれながらも少…

6

天国に手が届く 小説

夕映月子  木下けい子 

2人であってもあたたかい孤独

むき出しの自然に相対する時、人は紛れもなくその身一つ。
畏怖と感嘆を覚えると同時に、自身が一個の生命であり
突き放され包み込まれるように孤独を感じるのでしょう。
それを誰かと共有できる僥倖を
四季折々の山々の情景と登山の描写に重ね、
まるで読者も共に登坂しているかのような心持ちにさせる程、
さり気なく感覚に訴えかける繊細な物語でした。

単独で臨む者、グループを組む者とスタイルは人…

8

天国に手が届く 小説

夕映月子  木下けい子 

山の魅力にとりつかれた男二人

「一度、山の魅力にとりつかれた者は、
一生、山から離れることはできない。」
「山登りは他のスポーツと違って生死がかかっているので、
共に山に登った仲間同士には特別な絆が生まれる。」

先日までwowowで放送されていた
「マークスの山」というドラマに上のようなセリフがありまして、
「なんか、山ってエロいよなぁ~。」
と、思っていた矢先にこの本の存在を知りました。

そして、読了…

9

天国に手が届く 小説

夕映月子  木下けい子 

山に登ってみたくなった!

いや、現実的に考えたら今の私の環境では無理なんですが…ww
でも本当に登山がしてみたいと思えるくらい面白かったです!
実は最近某ソロアルピニストの影響でちょっと登山に興味があった所だったんで、今回の内容は私的にとてもタイムリーなお話でした^^

一瞬の油断が命取りにもなりかねない登山において、互いに信頼し合い自分の命を丸ごと預けられるパートナーと出会えるのは本当に稀で貴重な事なのだと思います。
最…

8

天国に手が届く 小説

夕映月子  木下けい子 

あぁ……作家買いになるな

 雑誌「小説Dear+」で、一度掲載された作家さんですね。新人賞で、賞を取れなくてもその時トップだった作品が掲載されるのです。
 で、その作品がちょっぴり切なくて、Dear+っぽくて(いい意味で言ってます)、それなのに上位の賞を取れないんだ……デビューできないんだ、と残念に思った記憶があります。

 でも、今回単行本が出て、読んでみて、よかったーーーーと思いました。
 デビューしたんだ。こ…

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