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優しい年の差ロマンス!
夕映月子先生の現代もの!
このところ立て続けにファンタジーものを読んでいたので、現代もの、沁みました。
一人称(「僕」)で地の文が進むお話って久しぶり…というか、実は初めてだったかも。
凡庸に見えるけれど芯のしっかりした大人の男性、日下部 × 友人に片想い中の大学生、和音というカプ。
32歳×19歳。年上攻めに年齢差、いい…(ღ*ˇᴗˇ*)。o
ある日、和音のバイト先の塾に、社会人の日下部(実は和音の歌謡大学の教務課勤務)が「医学部受験希望生」として入塾し、和音が英語の指導をすることになりー
と続くお話です。
ゲイである自分に引け目を感じ、大好きな音楽も職にするほどの才能はなく諦め(あえて諦めて弟に家のお金が使われるようにするんですよね…健気( ; ; ))、投げやりとは言えないけれど、諦念の体で生きている受け君。
そんな和音ですが、とても好感が持てたのは、自分の夢を諦めざるを得なかったからといって、決して誰かを恨んだり根に持ったりはしていない、ということ。
音楽の才能のある弟のことを心から応援していて、弟が防音室で練習している時にこっそり陰からニコニコ聴いていたり。
弟君も、そんなお兄ちゃんの行動を分かっていて和音の好きな曲を弾いてくれたり。
変にひねくれたり、拗れたりしてない兄弟愛に心が浄化されるーー
「です・ます」調の攻め様もね、どこかふわっとしてるように見えて、「医者になりたい」と社会人から医学部に編入を考えるという覚悟を決めた、しっかり核のある人です。
日下部は和音と違ってノンケで彼女もいた人なので、和音に恋愛的な意味で惹かれてくのはどうなのかな??って思っていたんですが、そこはもう、さすがの夕映先生。
後半、攻めの日下部視点の話の中で、どんなきっかけで意識するようになったのか、どんなふうに心情が変化していったのか、がごくごく自然に語られていました。
試験に落ちて落ち込む和音を、スカイプ越しについ撫でようとしてしまう日下部の仕草には、夜中に萌えが爆発しました…
そして他の方もレビューに書かれていますが、日頃丁寧な口調の日下部の一人称が、実は「俺」なのがすとっっってもいい!!!!!ギャップ萌え!
派手さはないかもしれないけれど、丁寧に綴られたお話。大好きです。
純情と大好きとできゅんきゅんでございましたよ(*´∀`)
受け様は、ゲイで大学生の和音。
家計を支えるシングルマザーの母のためにも経済的負担を極力かけないようにし、好きだったピアノも、自分より才能があり、ピアニストを目指す弟のためにもやめて。
折り合いをつけていろんなものを諦め、身の丈以上の願いは持たない、という生き方をしてきた。
謙虚というか慎ましい頑張りやさん。
攻め様は、大学の職員として安定した生活を送っていたのに、それを捨てて医者を目指す日下部。
医学部受験に向けての勉強するための塾で、講師のバイトをしている和音と出会う。
2人の距離の縮まり方が、とてもよかったです。
過分な願いは抱かない、と思ってきた和音が、自ら日下部の胸に飛び込んでいって、それを日下部が受け止めてくれた時は、よかったねぇ、と胸を撫で下ろしました(*´∀`)
ただ、2人が恋人になるまでの和音視点までなら、じれじれからのきゅんを楽しむだけだったのですが、恋人となった後の日下部視点が、めっちゃ好きでした(≧▽≦)
穏やかで大人だと思っていた日下部の中にある熱情。
そういや医者になるって行動する情熱のある人だったんだよな。
和音に対する"好き"の想いが深くて誠実でいいわ〜
普段一人称が『私』なのに、モノローグは『俺』なのもいいし、思わず出る『俺』はなおいい(≧▽≦)
そして『和音くん』呼びなのに、ラストのえちシーンでの『和音』呼びに滾りました。
人畜無害からの男!ぶりのギャップ萌えってやつですね。
また、日下部から見える和音のいじらしさ、初々しさ、かわいさよ。
恋してるっていいなぁ、と思える素敵なお話です(´∇`)
ドラマチック過剰を嫌う私をして、それにしてもドラマがなさすぎるんじゃ?と感じるほどの地味な物語。
勿論、それが悪いわけじゃない。
静かな恋愛の中での誠実な言葉や行動は、じんわりとした暖かさをもたらしてくれる。
本作は二部構成的な作品で、まず主人公の大学生・和音(かずと)視点での恋のはじまりを描く表題作、続いて恋人となった年上の日下部視点からのその後を描く中編が収録されています。
「てのひらにひとつ」
和音は真面目でいい子。
でも心の中は色々なことで縮こまってる子。経済的な事、弟の方に音楽の才能がある事、シングルマザーの母が弟にかかりきりになる事、同性愛者という事…
塾講師のバイトをしているが、そこに医学部受験を目指して入塾してきたのが32才社会人の日下部。
親友への失恋、はじめての泥酔。それがきっかけで日下部が気になるように。
…という和音側の視点としてはいいんだけど、元々ノンケであろう大人の日下部が和音を恋愛的に好きになって、というのがちょっとわからなかった…かなぁ。
で、事後。
和音にとっては初体験。
なのに日下部が1人でカップ麺食べるんですよね。本文内で和音本人はその気楽さはありがたいと言ってたけど…(私だったらコレやだわ。)
「一本道を二人」
こちらは日下部視点で、時間軸は表題作の一年後。2人は遠距離恋愛になっている。
2人は毎日スカイプで対話して、日下部が住んでいる学生寮の友人達も羨むようなラブラブぶり。
だけど、にじむ空気感はなんとも不穏なイメージを伝えてくる。
会えない距離、会えない時間。
そんな現実がじわじわと危機を炙り出していく…
読んでいてなんとも不穏を感じて、そこが微かなサスペンス風味も感じさせて面白かった。
とは言っても現実の危機ではありません。和音の不安と日下部の鈍感は和解し、2人はより強く結びつくラストになります。
私としては逆に面白みがなくなったけど、漂う微かな不安や不穏を描く手法はとても良いと感じた。
夕映先生はお決まりのハッピーエンドじゃない路線が合うのかも、と感じました。
やっぱり好きです。
お気に入りの作家様がまたひとり増えました。
嬉しいー
優しい文章と優しいキャラクター。
なんてことないラブストーリーかもしれませんが、お互いを愛しく思う気持ちが溢れていて、心がほこほこします。
家庭の事情で色んなことを諦めながら生きてきた和音。
そこに現れた大人で努力家の拓道。
お互いが影響し合い、成長していく姿に感動しました。
真面目で地味な拓道さんの「俺」呼びにキュンとします♡
そして、Hがとってもエロい!
じっくりゆっくりねっとり。
けっこうキザだし(笑)
胸が熱くなるラストも良かった。
日常に溶け込むふたりが素敵で、ちょっと涙が出そうになりました。
もっと他の作品も読んでみます!
塾バイトをする大学生の和音。その塾に医学部受験の為にやってきた日下部。
一回りも年の離れている日下部は、物腰が柔らかく優しい。
和音は、大学で実らせるつもりもない片思いをし、幼少期からやっていたピアノや、将来のことなど、あきらめる事で平凡に生きてきた。
そんな2人が、惹かれ合うお話です。
表題作は、和音目線で語られています。
大学生の和音ですが、純情で可愛い。片思いだと思っていた相手だったが、恋ではなく憧れだったと気づいた時や、日下部を意識し初めて、彼を見ると触れたいと感じてしまう和音がたまらない。
日下部がどうゆう気持ちの変化で和音を好きになったのが気になっていたら、『一本道を二人』で日下部目線でわかりました。
遠距離恋愛になってしまったけれど、2人は好きで好きで仕方がない感じが、すごく伝わります。
甘々過ぎ!ってくらい。
これと言って大きな事件も嫌な人も出てきません。
相手の事を考えて、2人が幸せを感じる、ほっこりしたお話。
私は好きです。