尾上与一さんのレビュー一覧

さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

遠い昔に閉じ込めた夢の欠片

待ち遠しかった尾上さんの新作。
表紙の美しさにまず打ち抜かれ、口絵の扇情的な様にうひょーっと舞い上がる。
本の厚みに期待いっぱいに読み始めるともうダメでした。
何度も何度もこみ上げてくるものを飲み下しながら一気読み。

時代は大正、貿易商を営む宗方家に執事見習いとして奉公に上がった弓削は、そこの跡取り息子である鉄真と強く惹かれ合います。
少年特有の淡い恋心をお互い胸に秘め、ゆっくりとそ…

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「さよならトロイメライ」初回特典書き下ろしペーパー 特典

宗方家のトロイメライ

少年時代の鉄真視点の話。

弓削に淡い恋心を抱く鉄真が大変可愛らしく、この先二人に待ち受ける運命を思うと何とも切ない気持ちに。
弓削は登場しませんが、当時の鉄真の弓削に対する想いはひしひしと伝わってくる内容です。

本編読後に読むことをお薦めします。


内容:
宗方家で昔から飼っている、ベニコンゴウインコという大型の鸚鵡。
鉄真はこの鸚鵡に、最近やって来た執事見習いの少年・弓…

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さよならトロイメライ 小説

尾上与一  笠井あゆみ 

夢のあと

大正時代、貿易商と執事の十数年の歳月を描いた作品。
大正のビジネス界における一商家の一進一退も描かれており、大河小説のような壮大な物語が展開されます。

あらすじ:
文官の父を亡くし、執事見習いとして貿易商の宗方家で働き始めた弓削(受け・14歳〜)。
嫡男の鉄真(攻め・15歳〜)、弟の一誠と打ち解け、将来の夢を語り合う仲に。
しかしある夜、宗方家当主の部屋に呼び出されたことから、弓削の…

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HOLLY MIX 小説

安芸まくら  尾上与一  木原音瀬  さとみちる  

番外編盛りだくさん

本編を読んでいたのは「リバーズエンド」と「明日も愛してる」のみでした。

リバーズエンドの番外編は、十亀が監督として評価され、
万もホテル経営のビジネスとして頑張っている話でした。
本編で登場した撮影チームの面々も登場して懐かしかったです。
すでに十亀組が出来ているんですね(笑)

十亀の自叙伝的シナリオを読んだ万が、
十亀の過去の辛さや寂しさを包み込むかのように頭を抱く姿がぐっと…

2

郵便飛行機より愛を込めて 小説

尾上与一   

いきつもどりつ

手順一つ間違えれば謗りを免れ得ない番外編再録集を
敢えて出したのは、このシリーズに対する産みの親と
育ての親の誠意なのでしょう。
ただ枠外の話を詰め込みましたよと言うぞんざいさが
見え隠れしていたなら評者は褒め言葉を見つける努力を
せず、ファンアイテムですねと斬って棄てていたと
愚考します。
あくまでも作中時系列を尊重して、と言う展開ですので
静かに引き込まれるのですね。

あ…

3

郵便飛行機より愛を込めて 小説

尾上与一   

番外編でも泣けてしまう。

そうそうパスワード入れてこのタイトルの話を読んだ時も凄く号泣したんだった。 それがまたこうして本になって読めるとは。 もちろんそれ以外、同人誌など自分が入手してないショートとかがまとまって手放せない1冊となりました。 やはりその後のカプがどうしてるのかがわかって一安心。 この本に書かれているよりも、もっともっと苦しい日々もあったろうし、これからも続くこともあるのだろうけど、それぞれの気持ちが読めて…

4

郵便飛行機より愛を込めて 小説

尾上与一   

素晴らしすぎて敵わない

待ってました!1945シリーズの番外編。
第一弾の今回は六郎×恒メインで、資紀×希が少し登場します。
恒が予科練へ行くときのエピソードや、ラバウルでの出来事。それから恒たちが投降し、助けられたあとのアメリカでの暮らしなどが描かれています。
天真爛漫で激しい性格の恒が、たまにロマンティックなことを口走るシーンは必見です。

戦争も終わり、弟の希とも再会できたので、これからは心おきなく六郎と…

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碧のかたみ 小説

尾上与一   

戦争と青春

1945シリーズの存在を知ったとき、単純に「よくこのテーマでBL小説が出たなぁ」と思いました。ここまで太平洋戦争に真正面から向き合った作品はない…という点でも是非いちどは読んでほしいと思う作品です。

「戦争×BL」というイメージだけで不謹慎だとか、日常を忘れるためにBLを読むのにテーマが戦争なんて言語道断…という意見も分かるのです。私も学生の頃だったらそう思って手に取らなかったと思います。

6

郵便飛行機より愛を込めて 小説

尾上与一   

この総集編に、感謝と敬意!

1945seriesの二冊目、『碧のかたみ』の番外編。
Web限定ストーリーや、書店ペーパー、同人誌に収録されたもの、に
書き下ろし3編と4編のマンガを加え、長短計26の作品が収められている。
本編の隙間を埋める小さな話に加え、その後の彼らが描かれ、
本編の世界を更に広げるファン必読の一冊。

このシリーズ一冊目があまり好みではなく
(その天球儀カップルも登場します。)
二冊目の六…

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プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

文法差異

…正直、どう評せば良いのか悩んでいます。
シリーズ作の中でこう言う味わいがあっても
良いかと日和ってしまう一方、中途半端に
織り込まれたBL文法さえなければなぁ…と
言うかなり不届きな考えも浮かぶのです。

展開としての必然性は多分理解しています。
どの登場人物にも嫌悪感を抱いておりません。
なのに、何かが合わない。しっくり来ない。
物語として読むには、一味足りない。

でも…

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