牧さんのレビュー一覧

碧のかたみ 小説

尾上与一   

今までの3本指に入るレベルのおもしろさ

レビューを見たのがきっかけで読んだ本でした。
切ない系で戦争が絡んでくるという内容だったので、ちょっと自分には合わないかなー…と思いながら読みました。全然そんなことはなかった…‼︎
何度も死に直面しながらも、必死に生きる2人の姿に心を打たれました。悲劇的な場面が多いのかと思っていましたが、生きようとしている人達の力強さが伝わる場面の方が多かったです。BL小説としても、ただ小説という面で見てもと…

6

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

豪華同人誌

商業誌の番外編同人誌に、本編と同じ先生が表紙絵を描かれているだけでも、大変嬉しいのです。
さらにこの本は、表紙の続きの場面を描いた絵が中ほどに収められていて、読んでいる途中でそれを見つけた時には、思わぬ贈り物をもらったような気がしました。

きれいな表紙をめくると、尾上先生が作られたらしき戦闘機模型の両面ポスターが折りたたんであり、物語を読む前の気分を盛り上げてくれます。

本文も、「碧…

6

プルメリアのころ。 小説

尾上与一   

期待通りの作品

碧のかたみが大好きで大好きで、イラストを描いている牧さんも大好きで、これを買わずにはいられない!と販売前からソワソワしながら楽しみに待っていました。

冒頭は一にも千歳にもあまり萌えられず、時々出てくる碧のかたみの恒と六郎を楽しみに読んでいたのが正直な感想。

ところが、読み進めていくうちに千歳の異常な怖がりが慕っていたペアの上官の死によるものだということが明らかになると、自分が千歳の感情…

8
非BL作品

日本海軍菊花聯合艦隊 弐 コミック

 

すごい力作

軍艦にとくに興味があるわけではなく、知識もない私が、非BLのこの漫画を果たしてどこまで楽しめるのか、このたび評判の良さに賭けてみるつもりで購読したのが、大正解でした。

たった二冊の漫画が、それを読むまでこの分野に何の関心もなかった私に、おおまかでもイメージと一定の理解を与えてくれました。

何より、面白い。

取り上げられているのはおそらく、膨大な情報を含んだ、とても複雑な出来事なの…

5

天球儀の海 小説

尾上与一   

納得の結末(ネタバレ)




読んだのがかなり前で、その時は「この結末は惜しいんじゃないか」と思っていました。

尾上先生も、本当は悲恋の物語にしたかったのではないかと失礼極まりないことまで考えていました。

私が未熟でした。

これぞBLです。

BLの名作です。



1

碧のかたみ 小説

尾上与一   

前作までネタバレのレビューです。




とても面白いけど、悲劇的な最後にしなかったのは勿体なかったんじゃないかな、と思い、前作と合わせ、ずっと評価を迷っていましたが、先日ハッピーエンドではない本を読んで、これは「神」で良いんだと納得しました。

有名なBL小説家の先生が、BLの基本はハッピーエンドです、とインタビューに答えていらっしゃったのは、実は大層奥深い意味のあることだったのだと思います。

二人を死に別れさせな…

16

碧のかたみ 小説

尾上与一   

鮮やかな碧の世界の中で

前作「天球儀の海」で登場した希の兄の恒と、彼とともに「夜間戦闘機・月光」でペアを組む六郎の物語です。

初めのうちこそ六郎の想いにとまどいを見せていた恒ですが、彼の気持ちを受けとめると決めてからの男前な様子が微笑ましくて。恒の少年のような無邪気な部分と、一度ペアと決めた相手をまっすぐに想う強い意志が渾然一体となって不思議な魅力を放ち、六郎が惹かれるのも当然かと。

ラスト手前まで資紀の心が…

15

碧のかたみ 小説

尾上与一   

ペアという絆

複座戦闘機でのペアという日常とはかけ離れた状況。
その中でお互い相手を信頼していき、それがいつのまにか愛情に変わっていく。
命をかけた戦闘の中で育まれる愛だからこその強くて固い絆。
この二人が離れることなんて考えられないと思った。

恒を強く愛している六郎のけなげさに胸がしめつけられました。
何度も死にかける恒を助ける六郎が不憫で不憫で・・・。
好きな人が目の前で弱っていったり、苦し…

10

碧のかたみ 小説

尾上与一   

美しいお話でした。

BLという言葉で片付けたくはない。
作中で何度も出てくる言葉
『ペア』というものがとても大切で愛おしいものに聞こえます。

ただ好き好き言い合って、体を重ねて…
というモノではない。
唯一無二の存在、深い深い絆、とても気持ちのいい読後感でした。

前作では作者様の腕は認めるものの、話の筋的に微妙でしたが、
今回は読んでよかったと思わされました。

8

天球儀の海 小説

尾上与一   

BLとしてなら、良い。

簡単に言ってしまうと
BLとして、戦争関係なくまっさらなファンタジーとして読むならありだと思います。

静かだけれど激しいお互いの想い――
出征に向けての駆け足の展開には咽び泣きました。

けれど、BLとして読んだとしてもラストには気持ちよく頷けませんでした。
安易に、良かったねー、とは言えない。
べつに悲恋ものが好きなわけでも死ネタ、死に別れが好きなわけでもないです。
むしろそ…

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