遠野春日さんのレビュー一覧

恋と愛の境界線 小説

遠野春日  高久尚子 

思いの外、地味な刑事物でした

旧版(リーフ版)の文庫化。加筆修正&書き下ろし付き。

タイトルと甘い表紙イラストからは思いつかないような、地道な刑事さん物でした。
ええ、「事件物」じゃなくて、「刑事さん物」
お話の中に登場する、事件そのものは、まあ、割とたいしたことなくて、
主人公が刑事だから、当然といえば当然なのですが、
「刑事が事件を捜査する」事がメインストーリー。
で、そこにBLとしての恋愛が絡んでくるので…

1

松前先生と美貌の作家(ぼく) 小説

遠野春日  木下けい子 

上から目線で悩んでみると・・・

覆面作家の小櫃由布の正体は旧華族の若様・春之で・・・

このおぼっちゃんがとにかく鼻持ちならないわけです。
美貌にも才能にも、これ以上ないくらいの自信を持っているし、下手に出ることを知らないし、プライドが非常に高いので、直情型だし何かにつけ天邪鬼な発言をしてしまうし・・・
そんな春之は常々、松前千種に自分の作品の挿画を描いて欲しいと、焦がれるほどに思っているのですが・・・

どう考えて…

3

松前先生と美貌の作家(ぼく) 小説

遠野春日  木下けい子 

若様は小悪魔

時代は…戦後でしょうか。まだ携帯もテレビも流通していなくて、人々の関心の多くが小説に注がれていた頃。
春之は友人と居た紳士倶楽部で、彼等の話す大衆文学について厳しい意見を発します。それは春之自身が、彼等の話の中に出た倉橋という作家をライバル視し、また憧れの挿絵家である松前千種が絵を担当した倉橋の本が、世間で大人気だったらです。
要は嫉妬、羨望。
ほんとうは春之も倉橋の力量を認めています。松前…

5

松前先生と美貌の作家(ぼく) 小説

遠野春日  木下けい子 

豪華ゲスト出演で楽しさが増しました

本の絵は木下けい子さん、帯には六車君と由利先生と平蔵、そして「六車くんも応援中~」なる文字が・・・
『由利先生シリーズ』大好きとしては見逃せません!
遠野さんが由利先生シリーズのファンなことから、その時代と出版業界を背景にして出来上がったこの作品、もちろん特別ゲストで六車くんも出演。

自分が美貌であることを承知していて、家柄もよく、何の苦労もなく人気作家になった櫻井若様が天の邪鬼なことか…

7

MISTY BLUE 小説

遠野春日  門地かおり 

MISTY BLUE は 店の名前

なぞめいた会員制バー、ミスティブルーを舞台にした中編が3本。

「なぞめいたブルー」
紫藤達也は、このバーで出会って、行きずりの関係を結んだ、謎の青年「京」を忘れられなくなり、、、
分量的には、この本全体の三分の一だけど、一応このお話がメイン。
京がどんな思いで達也を見ていたのか、
達也がどんな決意で京を受け入れるのか、、、、
このお話は、京の謎がポイントだから、ネタバレしたくないな…

0

夜には甘く口説かれて(新装版) 小説

遠野春日  蓮川愛 

なかなか進展しない関係にヤキモキしてしまいました

「金のひまわり」に続いての新装版で、同じく弁護士&検事のカップリングであります。
このお話は、弁護士が根からゲイという設定だったので物語に入りやすかったかもしれません。

弟が姉に殺されるという事件が起き、弁護を依頼された白石弘毅(金のひまわりに登場)から、その仕事が加藤の元へ回されるところから始まります。
放心状態で固く口を閉ざして、何も話さない被疑者。
担当検事は、現役で司法試験を合…

4

降るような花 小説

遠野春日  甲田イリヤ 

さらっと読める

密かに恋していた、バイト先のコンビニの常連客さんと
ひょんな事から、カラダの関係を持ってしまったが、、、

セックスファンタジーとしてのBLの、甘くておいしい所をうまくすくった、さらっと読みやすいお話。
理想的な、年上のツンデレ彼氏と、年下の健気ワンコが登場します。
ありがちと言えば、ありがちな設定で展開ですが、こんなテッパンのストーリーを気楽に楽しむのもいいものです。

同時収録の…

0

追われる夜の獣 小説

遠野春日  やまねあやの 

最後は夢中になっちゃう?

刑事の聖史が、潜入捜査で捕われて、
2000万で落札したのは、黒い実業家の脇坂。

脇坂の俺様ぶりに聖史は、振り回されるが、口で嫌がりながら、体は脇坂のいいなり、
快楽の罠にとらえられる。

0

美貌の誘惑Ⅱ エピキュリアン 小説

遠野春日  ライトグラフII 

快楽主義だけに365日24時間いつでもどこでもです・・・ってコンビニエンスですか?

まったくもって、アラブだけに油田を掘り当てただけで当人仕事もしないで毎日遊んで暮らせて、秘密の道楽が盗みだったりとか、毎日恋人と処かまわずいちゃついて、ロマンの極みいってます。
でも嫌味がないのは、自分に少しでも乙女なところが残っているから?それともただのエロ好きだから?・・・悩むところではありますが・・・
現実味がない分、割り切れて清々するからだとも思います。

一作目でファイサルの兄・…

2

金のひまわり 小説

遠野春日  蓮川愛 

10年もさやあて合戦は続いていたのでした

2000年に一度出されたものの再版です。
題名の「金のひまわり」って弁護士バッヂのことですよね。
一人の男を巡って二人の男性がずっと争っていたなんて、気の長い話しですが、三角関係だけに勝負のついたラストで一人、ちょっと可哀そうとも思うのですが、そこはちゃんと救ってくれてありまして、安心しましたよ。

弁護士の泉樹は判事補の仁と9年近く恋人同士なんですが、その関係は月に1,2度泉樹のマンショ…

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