金ひかるさんのレビュー一覧

人でなしの恋 小説

かわい有美子  金ひかる 

40年と40年代

昭和初期の時代背景を活かした、ちょっとレトロな言葉遣いが、耽美小説を髣髴とさせるこの本。
ストーリーは、猟奇な推理小説のスパイスをちょっと加えた、
ひどくまじめな青春小説でした。

お話は、仁科視点と花房視点で語られる部分が入り交じっています。
それぞれの思いは、フラットで、並列的に描かれている感じ。
そのため、読んでいても、作品世界に深く入り込むというよりは、複雑なのに平面的な、こっ…

2

人でなしの恋 小説

かわい有美子  金ひかる 

色んなものが混ざっているけど、まぁいいでしょう

昭和初期(作者談)、一高~帝大時代の同級生、人外のモノが見える小説家の仁科と医者の花房、そして検事の黒木の、それぞれがそれぞれに抱く庇護欲やプラトニックな恋愛感情と情欲が、今と学生時代を行き来しながら語られます。

現在恋人関係にある仁科と花房の目線で語られるので、彼らの微妙に食い違いながらもお互いを必要としている様はよくわかるのですが、何かにつけ引っかかってくる黒木の存在が気になる状況で1話…

5

セラピストは眠れない 小説

砂原糖子  金ひかる 

恋を知っていく男

砂原さんの描く、一筋縄では口説き落とせない受けがすきです。

弟分の怪我に代わり、出張ホストの代役を引き受けてしまった外村。てっきり女性の相手かと思えば、訪ねた部屋にいたのは容姿端麗な男性・碓井。
美人なのに無愛想、年上なのに手のかかる碓井。男娼と客という関係ではなく世話を焼き始めた外村が、少しずつ碓井に惹かれていき、碓井も徐々に気になり始めていく……というお話。

碓井は温度も抑揚もな…

3

人でなしの恋 小説

かわい有美子  金ひかる 

親友への罪悪感が闇を呼び込んだのでしょうか?

不思議な感覚の本でした。
「人でなしの恋」あとがきで作者が”ロクデナシ感満載の題名”と言っておりますが、ロクデナシではないですね。
”人でなし”とは”人に非ず”の人でなしなのかしら?とも思い、、
そう、恋愛も入っていますが、主人公に霊感があり、そんなものも含めた話になっているのですよ。
作品のカラーは淡々としたセピアなくすんだ色彩。
さわやかでもなく、イライラでもなく、ぼんやりと綿をつか…

1

ruin -緑の日々- 小説

六青みつみ  金ひかる 

六青さんの暖かいお話・・・

今回の作品は痛くもなく終始切なくて、なのにほのぼのと暖かいお話でした。
前半はガルドランの心情が切なくて、後半はカレスの心情が切なく・・両方の心情の描写がとっても良かったと思います・・・でも・・何故か?泣けなかった・・・なんでだろう?・・すっごくいいお話なのに・・やっぱり六青さんの本は痛くないと泣けないのか?・・というよりも、切ないけれどそこに二人がお互いを思いやっている愛がとてもよく解るから…

2

Easyな微熱 小説

火崎勇  金ひかる 

出会いは冷たい海

何していいのかわからない大学生が、冬の海に入っていく。
ただ、なんとなく生きている。自殺したいわけではなく・・・伊佐。
海に入っていく男を引き上げた朝比奈陸。
二人が次に会ったら、約束してわかれる。

二人が同じ大学に通っていて、朝比奈は伊佐にいれいろ感じてほしくいろいろ教えていく。

0

仕切り直しの初恋 小説

椎崎夕  金ひかる 

いつもの作家さんの良さの切なさが感じられなかった・・・

前作の「三十二番目~」のスピンオフです。前作のカップル他、あの信田がパワーアップして、出て来てます。ホント前回よりかなり・・悪人でかなり壊れてますね・・・

私の感想的にはどうしても前回と比べていまうんですが・・
内容は展開も結構速くて、引き込まれますが・・・そんなに?切なくないです・・否ぜんぜん・・切なくない・・
椎崎さんらしい内容なんですが・・きっと受けの性格もあると思うんですが…

1

ナルシストの憂鬱 小説

西江彩夏  金ひかる 

なんじゃあこの攻め、可愛いやんけーー!

萌萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
鼻持ちならない横暴ナルシストの隣人・山田×山田に振り回される人の良いゲイ・藤中の、生真面目すぎる恋。
基本的には普段ストーリー重視なんですが、たまーに出会うキャラ萌え本。今回の萌えちゃったDE賞はこちらの攻めさま。
美形なのに残念な性格と実は超純情というギャップにときめきトュナイトでした。(古…)

一見、俺様でとっても横暴な嫌みなナルシスト山田。

4

ruin -緑の日々- 小説

六青みつみ  金ひかる 

かわいい

ruin-傷-の続編です。
前作で精神の均衡を崩し、公爵ガルドランに引き取られたカレスのその後のお話です。
ネタバレ↓↓




公爵の領地にて療養生活を送るカレスは1日の大半を寝て過ごしていましたが、時が経つにつれ人格を取り戻していきます。

ガルドランの忍耐とか包容力とかいろいろ試されます。
微笑ましい場面もいっぱいありますがやっぱりそこは六青さんです、痛い所もやっぱりあって…カレスが元のよう…

4

三十二番目の初恋 小説

椎崎夕  金ひかる 

ろくでなしホイホイ

やっぱり椎崎さん好きだ!!
丁寧な感情描写で描かれる人たちは生き生きしていて、決してパーフェクトじゃない。
だからこそ読んでいて共感できるし切なくなる。
ロクデナシホイホイで不幸体質の主人公、想が不器用だけど優しい梶山に惹かれていく気持ちがすごくよくわかるのです。
対比として描かれる元彼のサイテーっぷりがまたすさまじいのですが。
勝手に家から追い出しといて愛人にしてやるとか、骨折してるっ…

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