高階佑さんのレビュー一覧

Blue Rose 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  高階佑 

自己破壊願望の姿として

01年からの、男娼:青を主人公にした作品を1冊にまとめたもの。
過去作品は2冊ですが、この「Blue Rose」と「Sleeping Rose」では1年後という設定もあり、主人公のあり方が多少違ってきます。
Blueでは、青の男娼としての仕事の姿と客とのスタンス、そして全編を通して道しるべとなる存在、昔の親友:トオルの登場。
Sleepでは、高級男娼としての青の姿ではなくて、彼自身の問題の話…

12

Blue Rose 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  高階佑 

榎田さんの書く重い話です。榎田さんワールド詰まってます。

まず本の見た目と作りが素晴らしい。

主人公が高級男娼というに相応しい、表紙の高級感と重量感、2段組み350ページ越え
そしてそれらに見合うこの価格。税込¥1,292

肝心な中身はというと、榎田さんの色々情熱が感じられた作品な気がしました。
初期作品だからでしょうか、すごく気合いというか本気度がやばかったです。
今の作風より話が全体的に重いです。

主要になる登場人物が多めなの…

7

Blue Rose 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  高階佑 

痛々しいけれど、名作

私は、現実世界では悲しくなることの方が多いんだからお話くらい幸せじゃないと!、という読書嗜好の持ち主です。
しかしこの本は、何度も閉じて、落ち着かなくなる胸を整えながらではないと続きを読めませんでした。
本屋で「あ、榎田先生の新刊だー。やったー。」なんて軽ーい気持で購入し、読み始めた自分に「覚悟しときなさい!」と教えてあげたい。

主人公の青の痛々しくて、歪で、哀れな愛を求める姿にはひどく…

11

夜明けには優しいキスを 小説

凪良ゆう  高階佑 

普通

筋書き的には、色々あって傷ついてた受けが攻めに出会って、立ち直りっていうお話ですよね。序盤の話の作りはうまくて取りこまれたのですが、途中から「うーん」って感じに。

まず、女子高生の件は、あそこまでひどい事になるのか?っていう疑問が。知り合い程度の人はともかくとして、親しい友人とか要を擁護してくれる人がいてもいいはずです。普段の行動や評判をかんがみれば、そんな事する人かどうかわかるような。まぁ…

6

夜明けには優しいキスを 小説

凪良ゆう  高階佑 

凪良さん容赦ないなぁ

まずは、さすが凪良さん。かなぁ。
正直「痛そうだなー」って敬遠してたんですよ、この本。
でも凪良さんだし。凪良さんはコンプしたいし。よし、凪良さんだから読んでみよう!
と思って読んでみました♪

いやー、痛かったですwww
コレ「凪良さんだから」という、一種信用貸し?みたいなものがなかったら途中で投げてましたネ。
コメディも好きなんですケド、私は落花流水のズルズル落ちてく感じが好きだ…

5

闇夜のサンクチュアリ 小説

高岡ミズミ  高階佑 

BLじゃなくてML!

 新人刑事の真壁は、幼い頃に誘拐された過去を持つ。
 その際、出口のない暗闇に、丸二日間監禁されていたため、暗闇は今も苦手であった。
 そんな真壁は、暴力団対策の四課に配属されていた。
 そしてそこで傷害事件が起こる。
 襲われたのは、ヤクザの顧問会計士を務める男で、真壁はその捜査のために、新興ヤクザ・新堂組に赴く。
 そこで現れたのが、若頭補佐で若くして組に君臨する北島だった。
 先…

3

義を継ぐ者 小説

水原とほる  高階佑 

最後で持って行かれた!

高階さんのイラストに惹かれて購入。
読んでみたい作家さんでもあったので。
でも、これはあまり痛くないお話ですね。

香港の貧しい農村で育った慶仁は桂組組長に乞われて援助を受けながら日本で暮らすことになる。
そんな組長に寄り添うべく慶仁が就いたのは実質No.2のポジションで誰もが一目置いていた。
その組長とのあまりにも濃い信頼関係にいろいろ疑われたりもするのだが、分家の総本部長である矢島…

0

逃した魚 小説

中原一也  高階佑 

癒し系オヤジ

オヤジ受好きには、逃せない作品と思い購入しました。

41歳司法書士の市ヶ谷と30歳の弁護士資格を有しつつも、
市ヶ谷の補助として働くことになった織田の物語。

市ヶ谷の枯れ具合というか、もうおじいちゃん!?と
思わせてくれるような具合がたまりません。
周りがおじいちゃんがいっぱいいる環境なので、
そうなるのも理解できるのですが、
その様子に、なんとも癒されました。

ただ、…

1

法医学者と刑事の相性 小説

愁堂れな  高階佑 

大人な話。

 法医学者の冬城の元に、「今こそお前の罪を償うときだ」という脅迫状が届く。
 冬城は、十人いれば十人ともが「美しい」と形容する美貌の持ち主だが、中身は所属する研究室で一番の男前。
 そんな冬城を心配する助手が、警察に連絡をし、一人の警官が捜査に訪れた。
 よれたスーツに無精ひげの刑事・江夏がやってきても、自分の腕に絶対の自信を持つ冬城は、「俺がミスをするはずがない」と怜悧な表情で、その脅迫状…

0

うたかたの愛は、海の彼方へ 小説

華藤えれな  高階佑 

ロマンチックなヴェネツィア

中世の水の都ヴェネツィア、それを舞台に繰り広げられる金の獅子のような青年将校とエキゾチックなオスマン・トルコの特使(元従者)との愛憎交じった恋。
最初の方は文章が浮かび上がらせる光景がロマンチックで綺麗でうわぁぁぁあ〜ステキーー!! 、とテンション上がったのですが、最後の方のまとめが急ではじめの期待感がしぼんでしまいました。

もう少し憎しみが氷解してく過程やらレオーネがなんでそんなにアンド…

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