砂原糖子さんのレビュー一覧

言ノ葉ノ花 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

ただのBLじゃない、ただのファンタジーじゃない、人間の「心」に迫る傑作。

元々イラストの三池ろむこさんが好きで手に取ったら、大当たりでした!
砂原さんの作品は、明るい作品と暗めの作品のほぼ2パターンに分けることができると思うのですが、こちらは後者。ずっと雪が降っているようなイメージでした。
とにかく切なかったです。一作目の後半から、ずっと泣き通しでした…。

主人公が「他人の心の『声』が聞こえる」という設定ですが、ファンタジーというジャンルに括るのか迷います。

6

セブンティーン・ドロップス 小説

砂原糖子  佐倉ハイジ 

やばい…キタ

めっちゃ良かった…。
今まで読んだ砂原糖子作品のなかで一番好き。
キュンキュンキュンキュン、胸の病になったのかと思うほどトキメキました。
砂原さんって意外と学園モノが少ないんだけど、高校生が主役の小説が向いてるのでは?と思わされた一冊です。
この焦れったい恋、オトナ同士の恋愛だとまどろっこしく感じたかもしれない。けど、高校生同士というだけでトキメキ度がアップ、切なさに悶絶しまくりました。
主人公の…

9

センチメンタル・セクスアリス 小説

砂原糖子  ヤマダサクラコ 

パープリン受け

ツンデレというか、パープリンで生活能力の低いモデルくんが主人公(受け)です。タイプでいうと、榎田尤利の『君がいなけりゃ息もできない』のルコちゃんみたいなタイプ。
攻めは幼馴染み。大学院生で、同居して、受けのご飯の世話からアッシーくんまでして面倒を見ている。

主人公が本当にバカです。シャレにならないぐらいバカ。言ってはいけないことばかり言うし、働かないし、寸止めでセックスさせてあげないし、コイツの…

2

斜向かいのヘブン 小説

砂原糖子  依田沙江美 

砂原さんの吸血鬼モノ

吸血鬼モノです。
主役はリーマンとリーマン。コミカルで、品のいいかわゆいユーモアがいっぱいの作品でした。

主人公はノンケの男(攻め)。
ちょっと気にかかる変人の上司(受け)に関わるうちに、恋してしまう。
砂原糖子さんにこの手の変人を描かせたら上手いんだよねー。一見クールビューティ、その心はただの変人。恋愛下手。他作品でもチラホラ見かけます。

セックスシーンが異常におもろいです。
噛みつきまくっ…

5

セブンティーン・ドロップス 小説

砂原糖子  佐倉ハイジ 

確かに、きゅんきゅんしっぱなし

永い永い初恋成就のお話。私的にはある意味高校生らしい、好感の持てるお話でした。
オバサンでも過去に感じた事のある、甘酸っぱさがそこかしこにちりばめられていて、どこがといいきれないくらい、始終キュンキュンしておりました。

真面目高校生、苦労人、お人好し、などなど、冠がいっぱいつきそうな広久の「恋愛」とか「好き」の感覚と、フェミニストな侑の「お付き合い」とか「セックス」に対する価値観と、基本が…

3

恋のはなし 小説

砂原糖子  高久尚子 

悪い攻め最高

読みながら違和感が…いや小説世界にはひたりきって泣きながら読んでたんですが、読み終えてその違和感の正体に気づきました。
攻めの性格が悪い!
そう、攻めの性格が悪いんです。享楽的な生き方、下半身はゆるい。付き合うきっかけはホモを観察して脚本のネタにするため。平気な顔で嘘をつけるタイプ。こういうタイプの攻め、砂原糖子さんの小説では、はじめて読んだような気がする。木原音瀬さんの小説にはよく出てくるタイプ…

1

虹色スコール 小説

砂原糖子  佐倉ハイジ 

普通に、良かった

可愛くていいお話でした。
大展開のある作品も大変だろうけど、こういう日常の小さな事件をゆったりじっくりと描いて、ちゃんと「読ませる」のも、意外と難しいんじゃないかなァと思う。砂原糖子さんは、そういうのが上手な作家さんだと思います。

主役は、高校時代からの親友です。
大学に入って少しずつ距離が開いてしまう。池上は律也を好きだけど、律也には他に好きな女の子がいて、その女の子は池上が好きで。
律也を押…

0

シンプル・イメージ 小説

砂原糖子  円陣闇丸 

これがデビュー作とは

砂原糖子さんのデビュー作らしいです。デビュー作とは思えないぐらい完成度が高かった。
丁寧で透明感のある文体、緻密な心理描写、優しくてもろいのに、芯は強い登場人物etc、砂原糖子の源泉を堪能しました。

主人公(受け)は30歳らしくない30歳でした。仕事はできるし、セックスの経験値もそこそこあるのに、恋愛に関してはダメダメだ。ウジウジと年齢を気にし、焼き餅をやき、しかもその感情をうまく相手に伝えられ…

2

ヤクザとネバーランド 小説

砂原糖子  高城たくみ 

砂原糖子さんのヤクザもの

砂原糖子さんがヤクザもの…?
砂原さんのイメージ的に、若干不安に思いつつ読んだんですが、めっちゃ面白かったです。
たぶんこの作品は、従来の砂原糖子さんファンには賛否両論あるんじゃないかなーと思いました。でも、私好みだった。要所要所でツボにきて、ケタケタ笑いながら読んじゃいました。

主人公は普通のリーマン。離れて暮らして交流もなかった組長の父親が死に、二代目組長になってくれと迫られます。
だんだん…

2

ヤクザとネバーランド 小説

砂原糖子  高城たくみ 

前半でくじけないで!

作者の砂原氏があとがきで言っていますが、『ほのぼのバイオレンス』なお話です。

死んだ先代の息子だからと白羽の矢が立っちゃった奈木蝶也が、うるさい組員に辟易しながらもほだされていっちゃうのが前半の『ほのぼの』部分で、私も何を言いたいのかいまひとつ乗り切らず、モヤモヤとした気分をまといながら「読み始めたんだから終わりまで」といった気分で読んでいました。
奈木が美人なだけでメリハリが無く、枦山尭…

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