雀影さんのレビュー一覧

非BL作品

彼は花園で夢を見る コミック

よしながふみ 

非BLです

よしながさんの、古い短編集です。
収録作品は、どことも知れない、中世の西洋の国らしきところを舞台に、親子であったり、主従であったり、夫婦であったりの、普遍的な、人と人との間にある「愛」についてを物語る、非BL作品ばかりです。
匂い系として、BL的な萌所も探せないわけではありませんが、そんなことは、ごくごく些細なことだと思わせるお話作りのうまさ、おもしろさ。
同じく新書館から出ていた、非BLコ…

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星よりひそかに コミック

高井戸あけみ 

アラブです

でも、高井戸さんの静かな絵で描かれているので、あまりアラブ臭くありません。

高井戸さんのキャラ、とくにこの作品のような、日本人の受けキャラは、
体温も、体臭も、体毛も、野望も
そんな物一切無くて、清らかな諦観の中で生きているようです。
そして、それを攫いに来るアラブの王族も、アラブ系なのに、やっぱり
体重も、体臭も、体毛もありそうもなくて、あるのは多少の強引さとお金ぐらい。
夢のよ…

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やんごとなき若君様の恋愛 コミック

角田緑 

浮世離れした、やんごとない若君

時は昭和の初め、公爵家の嫡男・操は、高貴なお血筋の、やんごとない若君なのに、ちょっとがさつな位の天然さん。
収まりのない、ふわくしゃ癖っ毛で、特権階級故の傲慢さと、人を疑うことを知らない鷹揚さ。
恋も色事も知らない、真っ直ぐな純真さで、ひたすら思うのは、4年前、急に英国へと留学してしまった、幼馴染みの常磐のことばかり。

華族が本当に特権階級で、世の中が比較的平和だった、ごく短い間を舞台…

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白猫 コミック

トジツキハジメ 

これってホントにトジツキさん?

なんだか絵が違いすぎてビックリだ。

なんて言うか、普通に少女マンガ?
っつか、ありきたりにかわいい?
これって、ホントにあの、がに股気味でリアルにごつい脹ら脛にスネ毛ガッツリの、あのトジツキさん?
高校生でも、平気であごひげの、あのトジツキさん?
?????

たぶん、私が読んだトジツキさんのコミックって、2008年の「徒然」以降。
この本、そのイメージとは、ずいぶん違う。

1

愛し恋し君だけに コミック

神田猫 

爽やかな緑の木漏れ日と

裏腹な感じのSッぽーい表情。
作者さん、カラー絵描くの、お上手。
表題作は、大学生同士の初恋&執着愛もの。
「抱ける」と「抱きたい」
その違いにこだわる大和。
ゲイのお友達(当て馬?)の南君がなかなかいいポジション。
エロも適度にたっぷりでした。

他にコミックス「愛と快楽の条件」内[Sweet Night Lover]の続編と、単独の短編。
こちらも適度にエロくて、そつなく纏ま…

1

愛と快楽の条件 コミック

神田猫 

表紙のハードルがなかなか高いです

「思い出すだけで、イッちゃそう…。」
って、でかでかと書いてある帯。
で、そのすぐ上にあるのが、いわゆる「赤く熟れた胸の飾り」ってやつですよ。
それも脱衣状態で。
表紙をめくったカラーイラストなんか、ハッキリ、汁かかってるし…。

全体に、いい塩梅にエロくてかわいいお話の詰まった短編集。
絵もこなれているし、ストーリーの展開もわかりやすい。
続けて読んでいると、微妙にキャラの見分け…

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ネコいりませんか? コミック

倫敦巴里子 

長生きにゃン

人外のものと人とが交わるには、必ずどこかに制限があって、大抵は切ないお話になるのですが、、、

この表題作では、人間に恋したネコが、自分も人間になってともに生きたいと願うとき、まず、人間の姿を得て、その姿で恋した人間に接触するが、その相手にだけはネコの姿、周りの他の人間には人間の姿で見えて、話もできるようになり、恋した人間に思いが通じて、相手にも愛されるようになると、その相手にも人間の姿に見え…

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徒然 コミック

トジツキハジメ 

ようやく発掘

この本、CD化されるにあたって、どんな内容だったか思い出そうとして、絶対読んでいたはず、まだ家にあったはずなのに、全く記憶になかったのを、ようやく発掘。
ああ、おもしろいじゃん。
何気ないけど、心地良い。
手放したくない感じ。
だからドナドナ箱じゃなくて、保存箱入りして底に沈んじゃっていたのね。

マンガ家とアシスタントとして、二人の男が密室で、ずっとグダグダしゃべり続けるお話。
特…

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万有引力 コミック

小日向藍 

月の引力

表題作は、軽くファンタジー入ってます。
ある特殊な力を持つ一族の直系である式部。
式部とルームシェアしている羽月は、ある晩酔った勢いで式部とセックスしてしまい、、、
まったくもって、BLご都合主義的なファンタジーですが、とりあえず羽月はかわいいし、式部も怪しげで色っぽいので、気軽に読める作品としていいと思います。

他に収録されている作品も、短いなりに、かわいくまとまっていて好きです。

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願い叶えたまえ(2) コミック

西田ヒガシ 

物語の強さ

拉致・レイプ、薬物の禁断症状と、ハードなシーンが続く第2巻。
深見が苦しむのは、薬物の禁断症状のせいだけでなく、祐介のピアノの音によって、人間らしい感受性に目覚めつつあるからでは?

とにかく、物語そのものに力があるので、絵だとか画面構成だとか、そんな技術的なことは、すべてを凌駕して、作品世界にぐんぐん引き込まれます。
この二人の関係がどうなるのかを、作者さん自身が物語りたいことをしっかり…

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