茶鬼さんのレビュー一覧

マッチ売り コミック

草間さかえ 

ご飯は30回噛むと甘味が出てくる

という表現が、草間作品にはよく合う。
何度でも読み返すほどに味わい深く、新しい発見をしたりもするのです。
この本もまた一見シンプルなのに、「恋文」を通して何人もの人間が交錯した関係を見せて、実に奥が深いなぁと思わせるのです。

ノスタルジックな雰囲気を持つ草間絵には、終戦後という時代設定は実によく合う。
題名の『マッチ売り』隠語で、身体を売る人のことだ。
トンネルでヤミでマッチ売りをし…

9

空のアンテナ コミック

杉本亜未 

懐かしい香り

80年代、90年代にJUNEに掲載された作品の再編作品集。
ああー、何か懐かしい、この感じ。
主人公達が、男子と恋愛をするのではなくて、自分の人生、進む道に悩む過程で、自分とは違う生き方をする男と出会うことで生まれる葛藤と苦悩。
その苛立ちから相手に対する反発から暴力行為の代償行為として生まれるセックスのありかた。
基本スタンスが、そういった「自分の進む道」をベースに置いている形が、現在の…

5

LAST CAT コミック

あおいれびん 

拾った男限定で懐く猫

実質デビューコミックになった『男の子だもん』より、こちらのほうが作者さんに合っているような・・・
ストーリーというより勢いの作家さんだな~という印象が強いので。
変にきちんとした筋立てがあってあれやこれやあるより、「俺はお前が好きなんだ、文句あるかー!?」なほうが納得・満足度が高い。

家出してきた少年の裏にある訳を何気に察して、思いきらせる技に出たこのカップルは一体誰?
ということで表…

1

白木蓮が咲いたなら 第一集 コミック

ミエノサオリ  リヲ 

今から続きが楽しみデス!

原作付きのマンガというのは、展開が寸詰まりな無理なすし詰め感があり、今一つ~っていうのが多い気がするんですが、これは原作付きというのをすっかり忘れるほどに自然な流れでスルスルっと自分に入ってきました。
面白いです!!
ドキワク感がずっと付いてきて、思わず主人公と同化する自分に出会えました。
いったい、主人公がさがしている「なぎ」というのはどっちなんだろう?
途中でわかるんですが、最初の謎感…

2

からまり事情 コミック

菊屋きく子 

臆病でツンデレで天の邪鬼でヘタレてる先輩がかわいいのです☆

人当たりが良くてイケメンでみんなに好かれている王子様な後輩・姫子が苦手でしようがない渋井。
でも、大学時代は仲がよかったのです。
あの時までは・・・
という、天の邪鬼ツンデレ先輩を6年間も追い続ける後輩はワンコではなくて、何気に距離を置きながら、ジワジワ攻めいていく知略型ブラック。
菊屋さんのちょっと腹黒っぽい攻めというのが好物な自分には、今回は少し変化球気味の腹黒攻めで、これまた楽しかっ…

3

BORDER 境界線 3 CD付き特別限定版 コミック

こだか和麻 

長く続きそう?

本体雑誌がなくなってしまったので、一本雑誌掲載時の番外があるのみで全て描き下ろしの作品。
今回は、一番年下の桔平の生い立ちが明らかになります。

大和の元に資産家の代理人弁護士が、昔の愛人が産んで行方不明になっている息子を探して欲しいという依頼に訪れます。
元情報に何となく覚えがあり、調べてみると・・・

明るくてジャンクフード好きの頭の良い桔平にそんな過去が?
桔平が初めて心を開い…

1

ディヴィジョン コミック

西田ヒガシ 

逃げたいのではなく逃げない

今回は好きな人にはただ見つめるだけ、キスとセックスは好きでもない人と、という臆病なゲイの弁護士が、普通の枠からはみ出て生きている人たらしの男と出会い、逃避行をするうちにいつでも離れられるのに、離れられなくなってしまうという、その弁護士が一皮むけて正直になるお話だったのかな?と思います。

弁護士の浅野と逃避行するヤクザもの田中、カラー扉では渋いオヤジなんですが、本編では若者!?というくらいの若…

12

ほめてのびる恋だから コミック

上川きち 

王様だ~れだ!?

この作家さんの描く身体ってこんなに筋肉割れてましたっけ!?
顔が女性っぽいのに受けちゃんでもがっつり8つに割れてる腹筋におおーっっっ!!ってなっちゃいましたww
特に『ここは楽園のとなり』の奥さんに逃げられた公務員v
ギャップがたまりません♪♪♪
あ、、、身体の事しか書いてない~
上記の公務員モノを除き、攻め様はどれも俺様だったり暴君だったりご主人さまだったり、
受けちゃんは、ドMだっ…

1

背中あわせのダンディー コミック

綾乃あや 

眼鏡はとるなよww

な、お約束設定。
眼鏡を取るとフェロモンだだもれちゃう受けちゃんv
普段はクールで優秀で、カチっとしているからこそそのギャップに萌える。
という展開はベタ。
潜入捜査に出て、薬を一服盛られちゃうのもベタ。
この表題と、中一編のシリアス展開モノはちょっと好きじゃない。
どちらかというと、この作家さんには「だもん!」シリーズのおバカップルコメディのほうが好きかもしれない。
本の半分以上は…

0

沈黙の夜に・・・ コミック

鷹丘モトナリ 

「親友」だから言えない

この本の中のカプ、キーワードは「親友」でしたね。
親友だから言えない、だから思いっきり遠回りして、グルグルして、傷ついたり、疑ったり、
片やヤクザと医者、片や美容師と編集者、裏の世界と表の世界の違いはあれど、思い込みによるすれ違いは一緒。
パターンを変えてというテクニックを見せられたような二本でした。

組のイザコザで出たけが人を運んだモグリの医院にいたのが中学高校と宮本と一緒だった小泉…

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