茶鬼さんのレビュー一覧

月に降る花 小説

草川かおり  北畠あけ乃 

耽美調の遊郭モノです

男遊郭モノで作者さんのデビュー作品だそうです。
遊郭という特徴を最大限に生かした、赦されない想いに苦しむ花魁達。
全く、ノーマルものでもありうる設定をまんま男で置き換えて展開しているので、無難といえば無難なのですが、難を言えば、面白みがない。
世界が遊郭だけに、耽美調で進む展開ですが、どんなに文章を凝らしても、その描写や風景があまりすんなりとは入ってきませんでした。
主人公の名前が”浮雲”…

2

夢も見ないで眠る 小説

榊花月  周防佑未 

とことんネガティブに理不尽に

ちょっと相性が悪いかな~と思っている作家さんですが、それでもチャレンジし続けるとたまに「おっ!」というものに出逢えるものですねv
読まず嫌いしなくてよかったデスw。
タイトルにあげたように、とことんネガティブな受けに、とことん理不尽で傲慢きわまりない攻め様。
それぞれの持っているもの、キャラ設定、抱えるトラウマ、事件、ピースはすごく個性的で、面白い(愉快という意味ではない)のですが、作品とし…

3

薔薇の血族 小説

夜光花  奈良千春 

まだまだ気になるこの続きv

吸血ゾンビ?なる魔の者が登場して薔薇騎士団と闘う。
そのアクションシーン満載の作品は2巻に入り、何やら主人公・相馬啓の血筋の謎もほのめかされ、また不死者(アンデッド)のトップのアダムもいよいよ登場して、更にヒートアップしてまいりました。
そして何より、1巻目ではラブがまだ見えなかったのですが、この巻で動きがv
啓の薔薇騎士としての能力は、本当の相手としかしなければ、性交をすると弱まるとか消え…

2

叶わない、恋をしている 小説

凪良ゆう  水名瀬雅良 

兄弟愛、家族愛

両親が事故で亡くなり、大学生の長男は3人の育ちざかりの弟たちを養わねばならず。
そんな頑張っている兄弟達の姿に思わずウルっときてしまった作品でした。
厳密には、お兄ちゃんが俺達のために頑張って稼いでくれているんだから、俺達は俺達でやれることをガンバろうと、分担している弟達に・・・ですが(汗、)
それに絡む、何不自由ない生活をしてきて愛というものに鈍感で、優しさに欠けていた男性が、苦労している…

7

花片雪 小説

英田サキ  山田ユギ 

もうひとつの柊也の運命

『愛想尽かし』のその後のお話を柊視点で展開されるお話。
いや~、やっぱり椹木兄ぃが魅力的すぎて、彼の語る言葉の一つ一つ、そして彼のとる態度、惚れないわけがない!っていうくらい見事に慈愛にみちていました。
そして、柊也の3歩下がって2歩戻る~じゃないですが、椹木を想って取る態度が、過去の荒んで諦めていた時代の柊也でない考え方によって起きる態度がかわいらしくて、椹木の子供みたいw
互いに抱く些細…

6

ダブル・バインド(2) 小説

英田サキ  葛西リカコ 

「俺はホモじゃねぇ」は逆の呪文

餓死でしかもイチモツを切り取られ口に突っ込まれた死体が発見されるという殺人事件が連続殺人になり、という実に猟奇的犯行の謎解きの行方が、個性的キャラで展開されていくと、期待させた1巻の続きです。
今回、主役カプの刑事・上條と心理士・瀬名に進展がv
組の構成員が殺されたことで、独自に動き始めた進藤とその愛人・忍と、刑事である上條も同じ線を導き出し、
また、祥の別人格であるカイの不穏な動き。
ま…

2

真実と生贄 小説

バーバラ片桐  奈良千春 

交渉人、ストックホルム症候群に堕ちる?

交渉人といえば、有名なあのシリーズだったり、あのシリーズのあの人だったりしますが、この主人公・兼坂は日本の警察のまだ歴史浅い交渉人。
法務大臣など政府役人を人質にとり、官庁に立てこもった犯人・死刑囚の悠木と、懲役二年の詐欺犯・佐川の二人組を説得するために駆り出されるのです。
この一冊では終わりでなく、続く・・・になってました。
何だか怪しげな人々がちらほら。
冤罪事件を絡め、裁判員制度も組…

1

フェイク 小説

いおかいつき  國沢智 

およ!3Pもどき出現!

いつまでも一馬がジタバタと攻めにこだわってあがいているだけじゃぁつまんないな~、もうそろそろ何か欲しいな~と思っていましたら、今回は二人の結びつきの固さを示すお話になりましたか!?
前作より少し間もあいていたので、ほとぼりも冷めてなかなか楽しませてもらいました♪
もうっ!神宮の一馬へのメロメロぶりがその冷たい表情の裏に丸わかりの丸見えで、なんちゅーか、ラブいのぅ、、、って感じw
一馬も多少 …

5

義父の指 小説

高岡ミズミ  和鐵屋匠 

お義父さん、、怖いよーー!!

表紙イラスト、すごく暗くて不気味なんですが、中身も怖かったです。
義父の歪んだ執着。
多分、きっと、義息子はごくごく普通にまっとうなはずなんだけど、この物語に出てくる人々にとっては、彼が悪い、彼が誘っている、と義息子が悪いような言い方をして、すごく理不尽なんだけど、
その義息子も、巻き込まれているうちに自分が悪いんだって思うようになって・・・
まるで、とても綺麗な蜘蛛に見惚れていた平凡で小…

2

青に沈む庭 小説

朝丘戻  山田シロ 

ゆっくりと静かな熱を解き放つ時

胸の奥にじわじわと染み込む様に優しさや切なさや温かさや、そんな想いが響いてくるお話でした。
前半は一(いち)視点、中盤からは元義兄の逸人の視点、ラストが一、とまんべんなくそれぞれの視点を見せてくれたことで、ワンクールのドラマを見ていたように鮮明に場面が頭に浮かびました。
いい話だった・・・

この二人の共通キーワードは「家族愛」ですね。
一の家族は、絆が深いです。
曹祖母のエピソードや…

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