茶鬼さんのレビュー一覧

つる草の封淫 小説

沙野風結子  朝南かつみ 

ガッツリ読み応えあり、時代忍者ものですが一見価値ありです!

江戸時代を舞台にしていますが、忍者を主人公に据え、なかなかにイリュージョンのような展開に息を継がせず、司馬遼太郎の「梟の城」を連想させるような、とてもエンターテイメント性の高い作品に仕上がっています。
神をつけようか悩むほどの出来栄えかと思います。

主人公・葛は月室藩嫡男の藤爾のいざという時の代わりになるように作られた”珠”という、人のようで人でない産女から作りだされる存在。
そんな彼が…

5

麗しの棘に砂漠の制裁を 小説

あすま理彩  東野裕 

俺様同士はセックスも競うのです

やっちゃいました、やっちゃったよ~!!
普段アラブ物は特に事情がない限り絶対手を出さない領域なんですが、つい、東野祐さんのエロに間違いない絵につい魔が差したと言うか、魔の刻だったのでしょう(涙)

題名の如くまんまです。
”麗しの棘”がプレイボーイで自信満々の受け様
”砂漠”が男前で有能な攻め様、で ”制裁”はお仕置きですか・・・・
凌辱監禁というよりは、ガチンコセックス勝負みたいなお…

6

キス&クライから愛をこめて SIDE:CRY 小説

小塚佳哉  須賀邦彦 

冬季オリンピック前に萌えを仕込みませんか?という作品

SIDE:KISSの続き、いよいよフリーでメダル争いになるところから始まります。
試合前の緊張と不安を、天城の過去を聞かせる話や出る間際のさりげないキスで、すっかり解いた隼。
ジャンプのミスがあったものの天城の存在がそれまでのヘタレにカツを与えて見事に滑り終え、表彰台へ!
その後、突然姿を消す天城を追いかけ、熱い想いの告白と共にオーロラデートです。
エキシビションの日、リンクサイドに天城を…

4

キス&クライから愛をこめて SIDE:KISS 小説

小塚佳哉  須賀邦彦 

フィギアスケーターとヤクザの異色カプです

作者構想4年、書き上げるまで4年、合計8年かけて描いただけあって、その情熱はただものではありませんよ!
フィギアに対する作者の愛と萌えがたくさんつまってます。
”ジャンプ王子”(月並みですが)と呼ばれる選手が、熱いファンのヤクザと出会って、力をもらってオリンピックでメダルを取るというお話です。

ジャンプが大好きで得意でそんな隼が、オリンピック出場権を賭けた試合でミスをした為に、代表を逃し…

4

愛の報復 小説

仔犬養ジン  鬼塚征士 

オム・ファタルを見つける物語

初めて読んだ作家さんでしたが、なんとも男臭い!!(とてもイイ意味で)
ハードで全く甘くないのに、色気がムンムンして、こりゃたまらんです!!
ヨーロッパのアクションムービーを、リュック・ベッソン監督作品あたりを想像して画を思い描くと、頭に入りやすいかもしれません。
鬼塚さんのイラストがものすごくよくマッチして色気倍増させてます。

海外が舞台なのはわかっていましたが、その設定が異色です。

9

初恋タイムカプセル 小説

烏科ひゆ  吉崎ヤスミ 

君たち、本当に大人ですか?(苦笑)

本の帯「夢中にさせてから、捨ててやる」この言葉を吐いたのは、小学校時代のいじめを覚えていて、そのせいで人間関係を作るのが苦手になり、性格が悪くなってしまった受け様・笹倉。
そう思わせたのは、小学校時代笹倉を女装させ、無視するので散々嫌がらせをして苛めた同じ会社で同期の樋口。
一種のトラウマものですが、何だかミイラ捕りがミイラになるお話で、笹倉の思惑も幼稚で稚拙なんですが、そのおバカなところが何…

2

傷痕にキス 小説

神楽日夏  吾妻巳緋 

低温やけどをしそうな関係?

バーが舞台で、時間帯は夜ということが多いからかもしれませんが、作品のイメージカラーはチャコールグレーから黒といった雰囲気。
主人公達も、感情をむきだしにしてぶつけ合ったりということがほとんどない為、しかし淡々としているというわけでもなく、不思議な作りの一冊でした。

主人公の昴哉は会社帰りに見かけた、高校の時の同級生の威があるバーに入っていくのを見て、いきなり会社を辞めて、そのバーの従業員と…

2

恋の仕方 小説

谷崎泉  楢崎ねねこ 

メールが主流の今、手紙ってとても新鮮で一番心がこもっていますね

谷崎作品は、ラブがあっても結構シリアスだったりするものが多いので、今回この作品を読んで、こんなかわいい引き出しもあるんだと再発見した感じで、とても新鮮でした。
楢崎ねねこさんのかわいいイラストも効果をUPさせています。

青山の有名美容室の美容師として勤める朝陽は毎日休みも満足にとれないほど忙しい毎日を送っています。
そんな彼が行きつけのバーで、以前から朝陽をずっと見ていたと言う商社マンの…

2

異端の刻印 小説

華藤えれな  つぐら束 

ヴァンパイヤとツンデレ神父の永遠の愛を貫く感動ストーリーでした

華藤さん、二カ月連続の神父ものですが、今回はヴァンパイヤ(正確にはダンピール)×神父という、世紀末ウィーンとローマを舞台にしたロマン溢れる内容になっています。
退廃的雰囲気にヴァンパイヤ設定はぴったりだと思いますが、何せ特殊な設定なため今一つ時代感や海外ものという部分の雰囲気が自分には伝わってこなかったのですが、お話の上手さはとても評価できると思います。

主人公マクシミリアンは13歳の時に…

4

逃亡者 小説

水原とほる  いさき李果 

トラウマというのは、なるのではなくて、自分でトラウマにしてしまうのですね

”痛い”が代名詞になっているような水原作品の最近作はここ2作品続けてとても健康的です。
前回は中国拳法ものでびっくりしましたが、今回はスポーツトレーナーが主人公です。
とはいっても、トラウマを抱えているという部分でグルグルするという展開は当然の如く前提でありますが。

題名の『逃亡者』というのも、自分から逃げている主人公のことなんですね。
アメリカでプロスポーツ選手相手のパーソナルトレー…

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