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表題作キス&クライから愛をこめて SIDE:KISS

ヤクザ? 天城隆司・32歳
フィギュアスケーター 多岐川隼・19歳

あらすじ

「この減らず口にキスしたの、どこのどいつだ」かつて天才少年と呼ばれたフィギュアスケーターの隼。オリンピック最終選考会に敗れ失意の中、ひとりの男と出会う。「泣くんじゃない、次がある。あきらめるな」―ふいにかけられた慰めの言葉と、優しいキス。ダブルのスーツが似合う見惚れるほど精悍な顔だちの男は、隼のファンだと言い愛情のこもった眼差しで隼を見つめていた。極道にしか見えない彼・天城のことが心から離れず、隼は天城の後を追うが!?―運命は、隼をオリンピックへと導く…。

作品情報

作品名
キス&クライから愛をこめて SIDE:KISS
著者
小塚佳哉 
イラスト
須賀邦彦 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784877245221
3.2

(5)

(0)

萌々

(1)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
16
評価数
5
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

フィギアスケーターとヤクザの異色カプです

作者構想4年、書き上げるまで4年、合計8年かけて描いただけあって、その情熱はただものではありませんよ!
フィギアに対する作者の愛と萌えがたくさんつまってます。
”ジャンプ王子”(月並みですが)と呼ばれる選手が、熱いファンのヤクザと出会って、力をもらってオリンピックでメダルを取るというお話です。

ジャンプが大好きで得意でそんな隼が、オリンピック出場権を賭けた試合でミスをした為に、代表を逃し、それを突然のキスでなぐさめたのがヤクザの天城。
正月の練習にも現れ、たまたま天城が鉄砲玉に襲われるところに居合わせてしまったために、親密になる二人。
この時いきなりエチまでいってしまって、二人にはなんのためらいもないところがびっくりです。
ま、バレエと同じで芸術性も兼ね持つフィギアには実際ゲイの方は存在いたしますからねww
かといって隼も天城もゲイではないんですが、、
で、代表の選手がケガをしたことから補欠の隼が繰り上がりで代表に急きょ決まって、天城に励まされながら頑張るという。

話の中心は、作者の余りの情熱にテクニカル的な内容がとても豊富に入っており、コーチとのやりとりもとても多いですし、選手として隼の気持ち、精神面の不安とかそんなアスリートとしての記述もとても多いです。
その中に精神的支えとして天城がちょこちょこ登場するわけです。
天城がヤクザでお家騒動に巻き込まれており、ということで、そんな内容も盛り込まれておりますが、あまり深刻には書かれてはおりません。(きっと大変なんだとは思いますが)
また天城についている舎弟連中もヨイ人ばかりで、アットホームな雰囲気が満載です。
バンクーバーへ天城も隼を応援に来るのですが、お家騒動をカナダにまで持ち込んでバクダンテロがホテルにしかけられたりもするという事件が発生するのですが、それさえも、隼が天城と一緒に過ごせる為の口実(?)に使われてます(苦笑)

ショートプログラムを終えて自己ベスト更新の4位発進の隼。
しかし終盤に足をひねってねんざするという負傷を負ってしまう。
天城の献身的な看護もありますが、さて、フリーではどうなるのか?
というところで後編へ続きます。

恋愛面は萌えというより、人にエネルギーを与えるといったスタンスの小説になっているかも?
まもなくオリンピックですから、萌えを先取りするのはどうでしょうか?

4

シーズン終了前に読めてよかった

テレビ放映されるウインタースポーツの中でも、とりわけフィギュアスケートが好きである。
書店で見かけて気になってはいたものの、未読の作家ゆえ手を出せずにいたのだが、バンクーバーオリンピック観戦中に猛烈に読みたくなり、余韻さめやらぬうちしかもできれば世界選手権前にということで、3月の読書と相成った。

発行時期、2冊同時発行という形態とボリューム、そしてあとがきにもあるように「構想4年、執筆4年」という時間経過と、スケーティングが目に浮かぶような筆致には、小塚氏と周囲の本気が感じられ非常に好感が持てた。

やはり本作のポイントは「2009年時点で現実的にありうる最高難度に近いプログラム構成」というリアリティと、日本選手の出場者数や他国選手の勢力バランス等が現実とはまったく異なるという強いフィクション性である。
スポーツ部分がよく書けており楽しめるので、攻め側の事情は私にとってはほとんどどうでもよく感じられた。

前編に当たるSIDE:KISSでは、フィギュアスケーター・隼と彼のファンで謎のヤクザ風の男・天城の、出会いからバンクーバーオリンピックのショートプログラムまでが描かれる。
隼と天城が初めて結ばれる場面に関しては、いきなりもうそこまで行っちゃうのかと思わないでもなかったが、隼の性格設定は多少人騒がせな部分はあるにしろ「トップスケーターなら仕方がない」と思わせる風な愛嬌があり、彼の周囲もおしなべて好人物なので、読み心地はさわやかであった。

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