茶鬼さんのレビュー一覧

軍服の劣情に堕ちて 小説

バーバラ片桐  朝南かつみ 

軍服の麗人は身も心もうるわし。

軍服ものといえば、拷問かな~ということで、冒頭の快楽攻め拷問は長かった・・・実に25ページ。
更にエロシーンだけでこの本の半分以上を費やしているという。
しかし、それだけで終わらずに、内容もしっかりしていたのがすごいです。

華族の出の花房大尉は、濡れ衣のスパイ容疑で投獄されるのですが、そこへ尋問官としてやってきたのが、かつての副官で、信頼をおいていて、その才能を買っていた牧野。
快楽攻…

8

恋愛派閥 小説

華藤えれな  佐々木久美子 

オシイ外見、ベタな趣味の保守派若手国会議員

民主党が与党になった現在ですが、これは明らかに自民VS民主をイメージさせる設定。
国会が舞台ですが、そんなに固く構えなくても大丈夫、
主人公のおやじ臭さに笑ってください。

瑞木は二代目議員として、将来の首相を目指す若手議員。
若手のとりまとめとしても活躍して、その職務に真面目に取り組んでいます。
しかし、本当はよく見れば綺麗な顔立ちと華奢な体つきなんですが・・・
ペットは錦鯉だの、…

4

GIFT~記憶の淵でまどろむ君へ~ 小説

小塚佳哉  沖麻実也 

過去と現在が入り混じって展開するストーリーに目が離せません。

ある特定の分野に特別な才能を見せるサヴァン症候群、ギフテッドの少年と、ゲイのキュレーターの繋がりを、最後までハラハラ・ドキドキさせながら目が離せない展開に、引き込まれました。

最初は緒方瑛と名乗る青年が、私設美術館のキュレーターをしている史生の元を訪れる場面から始まります。
面会を迷惑がる素振りをする史生に、”α”とは何者かと詰め寄る瑛。
そこからが、史生の回想を織り交ぜた複雑な瑛との過…

1

蝶~パピヨン~ 小説

弓月あや  環レン 

自分好みに育てるのっていつまでたっても男のロマンなんですね

古今東西、飼育物はなぜか萌えゴコロを刺激しますよね。
財力と時間とその気があれば、自分もしてみたいとか~危ない!?
また、この本の口説き文句が「わたしの蝶になりますね」って、何とも意味深で、どういう風にでも解釈できる言葉で純真無垢な青年を籠絡しちゃうのです。

主人公の櫂は、高校1年の時に両親を失くし、天涯孤独の身で奨学金で大学に通っている目立たない男子です。
20歳の誕生日に初めてでき…

3

秘密のゴミ箱でキスをして 小説

髙月まつり  みずかねりょう 

新たな汚部屋出現にハウスキーパー萌える。

「秘密のゴミ箱で恋をして」の続編です。
ハウスキーパーが職業の主人公ですが、男っぽい性格でエロくて、周りもみんなホモまみれで、愉快で楽しいコメディです。

超キレイ好きのハウスキーパー悠人は、恋人になった修一郎の住込み専属ハウスキーパーになって、甘い生活をしています。
住込みになったから、毎日完璧にキレイになった部屋では、そうそう毎日キレイにする場所もないわけで、ちょっとそこが物足りない。…

1

銀薔楼の徒花 小説

愁堂れな  紺野けい子 

どうせなら、いっそもっと潔く追及してほしかったと思うのは贅沢か?

思わず女子を思わせる美人を真ん中に色気のある綺麗な表紙に衝動買い。
愁堂さん、当たり外れが大きいので怖かったんですが、軽いノリでサラサラっと読めました。

題名の"徒花”の通り、徒花を通してライバルが恋愛を認識して成就するという、それぞれ2組のカップルのお話になっております。
絶対ありえねーだろ、みたいなセレブで美形な青年が二人。
こんなところがあったら行ってみたいと思う娼館の…

0

幻の恋人 小説

大鳥香弥  三池ろむこ 

女装・片思い・一夜の想い出・・・そうあの名作のデジャブが!

小中高と一緒だった友人にずっと片思いし続けた主人公が、女の子を一人調達してほしいと頼まれ紹介するが、実はその彼女は主人公!
あれあれあれ~痛い作品で有名な作家さんの、絶大的人気作品にシチュが似ている、、
この感覚、最後までひきずってしまい、比較することとなってしまいました。

主人公・俊は幼馴染の信一が大好き、でも信一は女性が大好きで、恋愛から何から何でも話せる相談相手の親友としか見てもら…

1

わるい男 小説

榊花月  小山田あみ 

肉食VS草食は、草食が勝った

帯に「苦手なのに気になる、憎みきれないロクデナシ」って沢田○二の歌みないなコピーがついてまして(古!)、どんだけ悪い男なんかい!?ってちょっと期待・・・ジャイアンでした。
ジャイアンなんだけど、ヘタレだったので、更にジャイアンをパワーアップしてみたが、のび太くんに優しくされて改心して結局いい人?

荻野は、プロジェクトで自分の提案をことごとく潰す冬堂が苦手。
また冬堂も、それを楽しんでいる…

2

二重螺旋 3 攣哀感情 小説

吉原理恵子  円陣闇丸 

事件が事件を生んで、またさらに絡み合う

この「二重螺旋」という原題通りに、巻を重ねるごとに事件も、人々の感情さえも複雑に絡んで、この終着点は一体どこにあるの?
と、叫びたい気持ちになりますが、中だるみさせない作りはさすが吉原さんです。
事が複雑になるごとに篠宮兄弟の絆が一層強く深くなり、女達はより悪者になり、この「攣哀感情」も目が離せない展開に。

高校生襲撃事件で尚人と同じく被害者となった1年の野上の母親が、どうして篠宮は学校…

2

奴隷船 小説

矢萩貴子 

JUNEというより、内面に潜む欲望をむき出しにしたエロスのポルノなのですが・・・

これを読んだら、もう"ウノウコウイチロウ”や"団鬼六"なんてかわいいものです。
全編にわたって、内に潜む欲望がSMの形に変化して姿を現し、見事におどろおどろしい、BLとは呼びがたい淫靡で醜悪なエロスに堕ちてゆきます。
「エロスの異世界空間へようこそ」
そんな作品郡です。

表題作、恋人の士官とのつかの間の逢瀬に物足りなさを感じる主人公が、その目をひく容貌の黒…

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