茶鬼さんのレビュー一覧

太陽をなくした街 小説

水原とほる  奈良千春 

太陽のあたる場所

水原さんの初ルチル?そして奈良千春さんとのコンビはピアスノベルズの『窓』以来ですよね?
今回また新しい水原作品の顔を見せてもらった様な気がします。
今回は、無実の罪を着せられた父親を亡くし母親を亡くしたその息子が、両親は殺されたのだと言う確証を得、長年に渡りその復讐の相手を探し出し、
目的を遂げるためにオリンピック選手候補になったほどの射撃の腕前を持つ冤罪で自衛官を辞めた男を探し出し、、、と…

11

奥まで暴いて 小説

バーバラ片桐  虎丸 

ほーら、ゾウさんだよー♪

バーバラ作品を漁っていた時に、ピアスノベルズだ!と見た所、とんでもなくとんでもない話に興味を惹かれて手に入れた一冊。
ピアスノベルズの挿絵って、漫画みたいに吹き出しがついていたりコマ割りになっているものがあるのでそんな箇所が好きだったりしたのですが、これもそうです。
マジでとんでも設定なんですが、開き直りがすばらしくもう愉快で愉快でたまりません。
露出狂の主人公が高校生っていうのがビックリで…

4

優・等・生 小説

五百香ノエル  六芦かえで 

思春期の闇

96年の作品の改定文庫版なのですね。
五百香ノエルさんの描く独特な痛みを持つ主人公達は決して嫌いじゃありません。
一見突飛そうなんですが、実は自分にはすごく近しいものを覚えてその傷を抉るような共感を覚えるような姿に、どことなくむしろリアルを感じてしまうのです。
今回のこの作品に登場する主人公も、同室だった結城も、主人公が好きになる先輩も、現実を突きつけるような、綺麗事だけですまされない感情や…

6

可愛くて、どうしよう? 小説

栗城偲  小嶋ララ子 

イチャラブベタ甘カワイイの10乗

ある意味「やられたー!」感のした作品。
”かわいい”で隅から隅まで埋め尽くされて、もう無問題っていうか無敵?
明らかに二人とも相思相愛でしょ?のちょっとしたすれ違いも、「そこかよ!」爆笑
なやっぱりひたすらカワイイ。
読者の自分からしたら呆れるほどのバカップルぶりで最初から最後まで行ったのはある意味お見事?
さすがにそれにキュンキュン萌え萌えするほどのモノを持ってない擦り切れた心の自分を…

6

不誠実でわがままで 小説

明日香登美  乃一ミクロ 

こぶたちゃん♪

作者さん初単行本?
身長が160に満たない上、デブとかブタというほどの肥満ではないもののすっきり体型ではなく(多分ぼっちゃり)一重まぶたで目は重そうで鼻はぺちゃりに口はへの字に曲がっていて容姿についてはもう諦めている、指導医に「こぶたちゃん」と呼ばれる病理の研修医・目賀田が主人公。
彼の指導医は、研究者には変人が多いと言われるがまさにそれ。見た目は超イケてるのに口が悪くゲイで有ることを公言して…

10

坂道のソラ 小説

朝丘戻  yoco 

心を伝えることの大切さ

毎日通学のために乗るバスは、同じ時刻に同じ顔ぶれ。
見知った顔だけど会話もしない、ただそれだけの他人。
それが主人公が痴漢に遭ったことで見知らぬ他人の関係が動きだす。
ソラとは主人公が招待されたSNSの「アニマルパーク」で自分が作ったボロボロうさぎのアバターに付けた名前。
バスは坂道を走り、その坂の上に主人公の家はある。
クラスメイトは自分の事を「河野」と呼ぶ。
友達って下の名前で呼び…

11

偏愛シンメトリー 小説

浅見茉莉  Ciel 

きみはぼく、ぼくはきみ

ガチ双子の禁忌モノで、意外にも直球勝負作品でした。
双子ゆえに元々二人は一つの存在、だから愛し合って当然なんだ、そこに理由はない。
ですので、後半リバーシブルで受け攻め逆転します。
同時に出たクロスノベルスの健気でハッピーな作品と反対側にある、ちょっとダークな作品で、今月は二種類を楽しむことが出来ました。

友人達を呼んであまりにドンチャン騒ぎをするので苦情が出て住んでるアパートを出なく…

5

シャッター 小説

浅見茉莉  みずかねりょう 

相手を幸せにしてあげたい気持ち

一途に相手を想うワンコの入った歳に似合わず男前で健気な年下攻めと、彼を愛することの不安を抱えながら一緒に生きたいと彼の為に陰で尽くした素直になれない年上受けの歳の差モノ。
作中に、急性骨髄性白血病とか難病が登場して、ううっ、、、ちょっとズルイと思いながらよく病気の事もわからないので、こういうものなのだろうと思ってみました。
多分、好きな人を救うためにまだ恋人になったわけじゃないのに、必死で尽力…

7

きみは藍色の夜に生まれた 小説

さとむら緑  サマミヤアカザ 

突然上から落ちてきた言動が奇妙な隣人

住んでいるアパートの二階の床が抜けて降ってきた沢山の荷物とその住人。
居住不能の為、空き部屋だった隣室で同居生活を始めることになった主人公と2階の住人。
日本人離れした王子の様な容貌なのに、どこか宇宙人みたいなところがあるその住人は、共同生活なのにいきなり女性を連れ込むは、女性が駄目だと言われると男性、
あげくじゃあボクとセックスしてくれる?
そんな相手に憤慨しながらも一緒に生活するうちに…

5

好きって言いたい 小説

安西リカ  おおや和美 

彼だから好き

作者さんのデビュー単行本になるのですね。
非常に簡潔にわかりやすく、甘い甘い二人を描いている。
ともするとライトで軽いのですが、ザ・BLという感じのとてもハッピーなストーリー。
非常に安心して読める作品で、ちょっぴり背中がくすぐったいw

亡くなった父親の後を継いでレストランオーナーになった和泉はゲイで、今までつきあった男性には尽くすタイプなのだが何故かいつも浮気されたりして長続きしない…

5
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