茶鬼さんのレビュー一覧

プライスレス・ライフ~幸せは貧乏神とやってくる~ 小説

雨月夜道  テクノサマタ 

お金より大事なモノ

10年発売の初単行本『恋愛小説は書けない』が滅茶面白くてお気に入りだったのですが、一体いつ新刊が出るんだろう?と待ちに待った1冊です!
と思いきや、このお話は新人賞をとった作品に加筆修正と書下ろしを加えた1冊なんだそうです。
それにしても、このお話も見事ツボりましたよ♪
ボクシングバカのボクサーとトラウマ持ちの貧乏神の組み合わせ。
最近だと永井三郎さんの貧福が萌えた『珍神』、秀良子さんの短…

7

物の怪天国 小説

chi-co  エンリ 

コミカルなのに4Pが!?

母親を亡くし父子家庭の子供である主人公。
父親の為、しっかり者に育ち経済観念もばっちり。
そんな彼の前に現れた夜叉・鬼・天狗が、お前は人間界と妖怪の世界をつなぐ扉の管理人で、自分たちはその守護者だという。
父親の記憶を操作して、ちゃっかり下宿人という設定で巴の家にやってきた彼等との共同生活。
「鍵」となった彼の前に現れる人間界へ入りたいと請う物の怪から、ついでに守護者からも通行料と下宿料を…

3

青楼艶話 小説

浅見茉莉  サクラサクヤ 

地雷部門ですが、セ~フ!!

普段、遊郭モノは好んで読みません。
興が乗った時気まぐれに読んでもいいかな?くらいの稀な頻度です。
何故かというと、一番嫌いなタイプの女のような格好をする、健気ではかなげな男娼というイメージが超苦手だからです。
今回サクラサクヤさんのイラストに、勝率として自分的に決して高くない作家さんではありますが(ごく稀にヒットが出る)手に取ることにしてみました。

寄宿学校に入っている白根子爵家の嫡…

3

薔薇とチェリー 小説

高岡ミズミ  タカツキノボル 

直球すぎて・・・

題名の”薔薇”というのが綺麗なゲイで、”チェリー”は童貞ですね。
題名もストレートですが、内容もストレート。
主人公の性格がまっすぐすぎて、その線で言っているため変化球がなく、残念なことにキャラ萌えも弱く、すごく素直な話すぎて面白みに欠けちゃいました。
面白いのがいい、ってわけじゃないんですがドキドキしたりワクワクしたりハラハラしたりキュンしたり、驚いたり感動したり共感したり、そういう読み手…

2

禁じられた戯び 小説

山藍紫姫子  蘭丸 

山藍作品の鉄板:近親

97年発行の『密猟者』を改題、新しい書下ろしに【マーセル1917・1921】を加えて新装版発行されました。
旧版は名香智子さんだったイラストが蘭丸さんというレーターさんに代わり、なかなかに耽美の雰囲気を盛り上げる効果に役立っておりました。
いつもの山藍作品がそうであるように、そうそう難しいストーリーではないので、ここでは現実から逃避したかのような退廃的な背徳の雰囲気と淫靡な雰囲気とエロスを楽し…

5

晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽 小説

水壬楓子  実相寺紫子 

とことんのこだわり

「晴れ男」「雨男」この設定にこだわり抜いて、トンチキか!?と思うほどに雨を降らせたり晴れさせたり、二人揃えばお天気雨とか(笑)を貫いた作品。
あまつさえ、これはお天気擬人化小説なのか?とも。

昔からイベントに自分が参加すれば雨になると周囲の人々から呆れられるほどの雨男・志水が悔しさから努力して頑張って歩んだエリートの道。
現在商社で30の若さにしてデキる課長として活躍中。
その会社に、…

6

美しいこと(文庫版) 小説

木原音瀬 

BLを一般文庫化する難しさを考える

「箱の中」に続いて一般文庫版の第二弾。
ノベルズ版を若干改稿して、『愛しいこと』の収録のない純粋に『美しいこと』だけの収録。
比較をしましたが、改稿といっても内容を削ったり省略したりという部分はなく、時間だったり微量の言葉の修正のみで、ほとんど変わりはありませんでした。
(ひょっとして携帯のやりとりがスマホに?とか思ったけどwそんなにすごく古い作品でもないですもんね)

前作の時、初の一…

15

ハル色の恋 小説

小川いら  花小蒔朔衣 

キャラ萌えはないけど、こういうのもいい。

純粋な感じの若者らしい、そしてかわいらしいお話でした。
ストーリーやキャラなどは善く出来ているとは思うのですが、個人的な萌えツボを刺激されたかというとそうではなく、いいお話だったね。止まり。
でも、幸せ色を感じるイイ話という部分を評価したいと思います。

主人公の善光は中高とバスケをやっていて背も高く、イケてないわけじゃないのに彼女がおらず、暇さえあれば友人とつるんで「彼女欲しい~!」が話…

2

光の雨 ―原罪― 小説

かわい有美子  麻々原絵里依 

いよいよ完結を見据えて新装です!

未完のまま10年経ち、改題して発行された旧題『いのせんとわーるど』は、今回新装に当たって2巻構成で夏ごろ完結できるとか(作者あとがきより)
作者さんの『スキャンダル』が大変に好みで、その路線をいっているがっつり仕事の硬派なこの作品、未完だったということで待ったかいがありました!!
ただイラストが石原理さんから麻々原さんに変わっていて、少しそれが残念ですが新装ということで新たなイメージも悪くはな…

8

黄昏のスナイパー 慰めの代償 小説

愁堂れな  奈良千春 

林の魔の手がいよいよ迫ってきた

2年ぶりのシリーズ第4巻です。
本当、このシリーズは「新宿退屈男」と混同しちゃんですよ(汗)
2年ぶりだとなおさらにあれ?どっちだっけ。。。みたいにエピソードが。。。
2作目で魔性のゲイの兄が帰ってきて、3作目で華門に執着するマフィアのまるで女性のような林が登場して、この4作目で本格的に林の魔の手が大牙の身内(仲間)を脅かし始めて、、と、やっとどういう路線でこれから展開していくのか見えてきた…

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