茶鬼さんのレビュー一覧

鏡の国のファントム 小説

草川かおり  タカツキノボル 

センシティブというよりはヘタレ・・・な攻めw

草川かおりさん、新人作家さんながら色々なレーベルで次々と作品を発表されて、精力的に活動されていますねv
そんなプラチナでの初めての作品は、とてもおとぎ話な互いが互いとの出会いによって成長するというお話でした。
顔にアザがあることでそれがトラウマとなり心を閉ざしている金持ちと、田舎を飛び出して都会に出てきたものの、ただ流されて漠然と生きている青年の人違いによる偶然の出会いから、この金持ちの男性が…

1

二人の弟 小説

水原とほる  麻生ミツ晃 

閉鎖的な内へこもる愛

読んで字のごとく、二人の弟に執着されるお兄さん。
兄弟の執着モノでドロドロめいた作者さん作品にはたしか「春の泥」があったと思いますが、どうにも作者さんの傾向としてその執着の表現がありじごく的に絡め取るというか、内へ内へと囲いこんで縛ろうとするような、
まるで蕾から花の開花を定点撮影したフィルムを、逆回転で見せられたような閉塞感と窒息感を感じて、イライラと居心地の悪さを感じる。
そして、彼等に…

3

龍の衝撃、Dr.の分裂 小説

樹生かなめ  奈良千春 

このシリーズの面白さが今更ながらわかってきたようなw

温泉を皮切りに前作は箱根、今回は小田原と、何だか漫遊記(爆)風味が最近の樹生さんの好みなのかと思ってしまうほどに、不夜城・東京から外へ出ることの多くなった龍&Drシリーズです♪
一見回り道をしているようでいて、やはりシリーズものらしくちゃんと前作の布石が繋がって今回の出来事もまた布石になるという雪だるまな感じで核心となる問題へ迫って行くのですね。

今回の題名「~Dr.の分裂」に何だ!?氷川…

2

雌犬 小説

水戸泉  桜井りょう 

雌犬というよりは発情した雄わんこ?

題名が題名だし、水戸泉さんだし、15歳年下攻めだし・・・だけどビープリだし・・・
そんな戸惑いを持ちながらも手にしたこの本、ある意味賭けであります。
きっとドロドロを若干ソフトにエロくという予想は当たっておりましたが、そうなった為かパンチは弱くなってしまったような。
雌犬というのは、攻めが受けに嫉妬して投げつける言葉であります。
確かにちょっと快楽に貪欲に前向きに受け入れてはいますが、雌犬…

4

ふたご 緋牡丹と白百合 小説

丸木文華 

ひい~兄さん、勘忍して~に萌える

禁忌といえば丸木文華さんなんですが、確かに禁忌ではありますが読み終わってみると、実に甘美な禁断の密の味といった風であります。
作中に猟奇殺人なる一見カニバリズムを思わせる事柄も登場しますが、それすらも、そうしたいほどに相手を思うといった比喩の象徴のような使われ方であったのかな?なんて思います。
何より、丸木さんのこの本の良さは、アズの前作もそうでしたが明治という時代背景をとらえて、文章の文体や…

8

傷痕に囚われて 小説

義月粧子  周防佑未 

予想を裏切る爽やかさ!

お仕事がっつり表現が魅力の一つでもある義月作品。
今回は、大学時代にある事情で相手を裏切ったという過去のある元恋人同士が、医者と出版社編集として再会して、そこに医療ミスに関わる裁判が・・・
という、一見してどんなシリアスが?こうなると中々に甘い展開はないのでは?と思うような題材を取り上げていたのですが、何と!?
そこはレーベルでしょうか、さほどにシリアス過ぎず、かといっておざなりでもなく、甘…

9

愛人関係 初恋 小説

椎崎夕  水名瀬雅良 

智之はマゾ?

巻数を重ねるたびに、ハラハラしてイライラしながらも次へ次へと期待が高まっていたこの愛憎物語もこの巻で完結を迎えました。
しつこすぎるくらい丁寧な描写で、しかし衝撃的な「愛人」という立場へ智之を突き落し一成の憎しみの対象であることが明らかにされた第二巻から、今回は一気に物語が動きます。

そこには理不尽で傲慢で、復讐にしては異常なほどの束縛という執着を見せる一成の仕打ちと、それを当たり前のよう…

8

狗神の花嫁 小説

樋口美沙緒  高星麻子 

人を思う気持ち

最初に書いちゃいます。
とっても胸に迫るものがあってちょっと切なさもあるんだけど、主人公達の気持ちが実によく伝わって、それが感動という形で涙を誘われちゃいました!
題名に苦手要素である「花嫁」って付いてしまっているので、最初は悩みましたが、何で花嫁って題名につけたかな~?
作中では「伴侶」という呼び方をしていて、まさにそれにふさわしい存在をしめしていたので、この題名だけが自分的惜しい要素でし…

2

エロティック・ナイトメア 小説

真崎ひかる  六芦かえで 

やさしい悪魔?

今月出たもう1冊より、ライトでノリの軽いこちらの作品のほうが好きかな?
コメディな雰囲気がいい感じで軽すぎずに出ていてとても楽しい作品でした。
何と言っても対比が、優しすぎる為にヘタレ気味になる攻めと、おおらかで細かい事をきにしない楽天的で男前な受けという組み合わせがいいのですが、この攻めの正体というものがあってこそ、この設定が実に面白いんですよ♪

親の援助を受けずに大学に通っている水騎…

1

鬼畜 小説

吉田珠姫  相葉キョウコ 

キチはキチでも、、、

うわーっ!!また吉田珠姫さんヤりましたよっ。
これは絶対評価が分かれるなーーー。
多分絶対ダメっていうのと、ゾクゾクしちゃう♪っていうのと、まだヌるいわね、、って3段階評価位?
題名に鬼畜ってありますけど、読み終わって”キチ”までは合ってますが放送禁止用語のキチの方でした、、と、思います(断言)
そのキチの方は実の弟です。
そう、ガチ兄弟モノ。
そして、すみません、、、ネタバレですが

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