葡萄瓜さんのレビュー一覧

イきすぎフレンドシップ コミック

さがの 

おみそれしました

率直に言うと、カバーと帯から内容を想像して
舐めてかかっていた訳ですよ。
いざとなれば体で会話して終わりでしょうとか
言う感じで流して読める一冊なんじゃなかろうかと。
それがまあなんとも綺麗に裏切られました。
確かに体を使った会話と言うのは重要な要素だった訳ですが
体で会話をする理由が安直なものではなかった。
で、一通り読んでから改めてタイトルを見ると中々に
絶妙な距離感を現した良…

6

純情ビッチ、ハツコイ系 コミック

おわる 

くるくる回って元通り

表題作の受け攻めも併録作の受け攻めも純情をこじらせて
暴走してしまいましたよと言う一冊。
ここでどっちに舵を切るかは恐らく版元さんの色合いに
よって違うのでしょう。今回はとりあえず甘々ほのぼのと
言う方向に向きました。
この方の絵柄自体も甘々ほのぼの向きと言う感じですね。

主役達も個性的ですが、脇を固める人達も負けず劣らず
しっかりしています。大道具ではなくて正に脇役と言う
感…

5

抱かせてくれないか? コミック

立野真琴 

らしいが故に

表紙と帯とのギャップに物語がどう転ぶんだろうと
思ってページを進めてみますと、立野さんとしての
王道展開で非常に安心した評者です。
評者にしてみると立野さんの美形揃い吉本新喜劇みたいな
展開は燃えも萌えも感じるのですが、立野さんの絵に
抵抗のある人は多分その手前で引き返すんだろうな、と。

で、表題作に戻りまして。
うん。収まる所にはとりあえず収まってるんですよね、多分。
ただそ…

0

メガネと恋と青い鳥 コミック

夏河シオリ 

いやみがない

今更の話になりますが、少女漫画のヒロインの位置に
男子をそのまま代入してもBLは成立しません。
BLの中に登場する男子もそれなりに社会的男子です。
そこを忘れて構成された物語は、何処かにひずみを
生じさせて、物語としての読後感がかなり悪くなります。

表題作を読んでいて気持ちが良いのは、受けがきちんと
男の子だからです。男の子なりの恥じらいをもって
恋に対峙しているからです。
そ…

4

AQUA COMICS 2013 September Fair 銀河級桃色テクニシャン 特典

おまけ以上に

コミコミスタジオさんの通販特典であるこの小冊子、
藤河るりさんの「愛欲ヘヴン」小冊子と抱き合わせと
言う形で成立しています。
表紙込中綴じ12ページ構成を半分づつ遣って…と
言う形になりますので表紙部分を除くと作品に
費やされるのは実質4頁。
「銀河級桃色テクニシャン」の場合、物語3頁+裏表紙
イラスト相応1頁と言う構成です。

さて、肝心の筋書ですが、本当に粗筋で展開の総て

1

銀河級桃色テクニシャン コミック

甲羅まる 

テクニック、だけじゃないんです

導入部を読んで江戸川乱歩さんの作品を
思い出してしまったのはここだけの秘密と
言う事でなにとぞご内密にお願いします。

作者さん直々のツイッター上の宣伝が縁と
なって手に取った作品でしたが、見事綺麗に
おさまった物語ですね。
設定だけ見るとネタにかなり近いので
拒否反応を起こされる方もおいでかも
知れませんが、物語と人物が丁寧に描かれて
いるので最終的に設定の勝利になっておりま…

2

黒わんこと金キツネ コミック

香坂あきほ 

気にし過ぎたら…

一読して思った点が二点。
一点目は、いかにもこの版元さんらしいBLだなと
言う感覚。
この版元さんは元々完熟寸前のものを供するのが
上手い所でしたから。
そしてもう一点は、Loveでは無く設定ありきで
物語が構成されているのかなと言う点。
恋を展開している彼等には申し訳ないのだけど、
その恋ってもしかしたら設定に相当引き摺られて
ない?と醒めてしまう瞬間があったので、そこは
残…

2

海の底 夢見るコイ コミック

梅松町江 

あたたかいえすえふ

表題作には見事に一本取られた感じです。
ここまで透明で暖かな欲求描写は多分出てきそうで
出てこないでしょうね。
基本的な設定自体が道を踏み外して科学を悪用して
しまいそうになるSFなのでそっち寄りになるのかと
思いきや、見事にさらりとご近所ファンタジーに転じて、
そして嫌な気持ちを微塵も残さない。
併録シリーズも併せれば心が折れそうな時に読むと
程好く効果的な一冊かも知れません。

2

MY FAIR BOY コミック

紺野夏 

あとひとつまみふたつまみ

表題作の味わいがBLの範疇としてもとても不思議な
味わいなのでそれに引きずられてしまいそうですが、
それ以外の作品はそれなりに着地点を見いだせて
安心して読めるBL作品です。
表題作はネタバレスレスレな言い方を試みるならば
Loveよりはむしろ執着寄りな展開なのですが、
可愛らしい絵柄のせいか突き抜け方が今一つ足りない感じに
思えてしまうのですね。
実際は結構な所まで突き抜けてしま…

2

ホームタウンブルーバック コミック

ウノハナ 

宙返りの妙

同工異曲の作品はさりげなく多いと思われます。
しかしこの作品はどうも纏っている空気が違う。
輪が完全な円環ではないのですね。
視力検査のあの輪っかの様に何処か途切れて
そこから開放感を呼び込んでいる。
だから賛否両論を呼んでいるであろう
最後の最後のオチにしても、評者にとっては
御馳走だと思えるのです。
物語の〆を伝えるオチではなく、物語の途上を
伝えるオチですから。
そして多…

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