葡萄瓜さんのレビュー一覧

浮気な僕等 小説

月夜の珈琲館 

絡む糸

今回の表題作はカップリングを明記している事から
何がしか思っておいでの方もいらっしゃるかと愚考
します。
実際、激しい事は確かかと思われます。但し肉体的に、
ではなく主に感情の面で。
昨今のBLから見れば多分大人しい部類に入って
しまうのでしょうね。

併録作の後者はメインカップリングの出来上がるまでの
修羅場の一幕。BLと言うよりはまだ耽美の文脈の中に
あるのかも知れません。…

1

夢の後ろ姿 小説

月夜の珈琲館 

懐かしく新鮮

評者のホワイトハートと言うレーベルに対する印象を
がらりと変えさせたシリーズの一作目でございます。
往時は『そうか、講談社でももうここまで描いて良い様に
なったんだ』と複雑な気分になったものです。

この方々、紅野隆一さんの小説と邦久十也さんの絵に
よって展開されるN大付属病院シリーズは一寸複雑な
構造をしております。
メインカップリングは外科医・青木克己と内科医・菊地
尊臣です…

2

夜明け前、僕らは… コミック

那州雪絵 

波紋互いに

表題作とスピンアウトである『新しい朝が来る』。
この両者を切り離して作品の世界観を語る事は
出来ないでしょう。

友人をある日突然恋人として認識する。
その衝撃をどういう風に昇華して行くか、そして
納得して行くか。
兄と弟の遣り方は、丁度良い鏡像かと思われます。

併録短編はミステリ作家とその幼馴染?の
昔探しの心の旅。

1

たどりついたらいつも青空 コミック

遠藤りさを 

静かに軽やか

トーンに耽美と入れましたが耽美に含まれがちな
世界観への陶酔感はなく、むしろ耽美の描写方法を
ボーイズラブに上手く取り入れた感のある作品群です。
表題作の二人の関係はあるキーワードを意図的に
省略した事からお察し下さい。

一編+αを除きどの作品の主人公も流されている
様な部分が何所かありながら実際は逞しく恋愛を
しています。
その逞しさがずるさに見えず潔さに見えるのが
この方…

3

純情でわがままな彼 コミック

小鳥初夏 

豆腐か卵

諸説ありますが湯豆腐はすが立つまで煮立つ寸前が
美味しく、又卵も固ゆでではなく半熟程度の堅さが
一番味が引き立つと言われます。
この一冊も斯くの如しで、恋が恋として成立する寸前の
旨みがぎっしり詰まり、時に肌を重ねる以上の徒な色香を
匂わせております。

ごく数シーン肌を合わせる描写があるものの、そちらよりも
他の場面の方が艶っぽいのですね。
でも決して淡白一方な味わいではなく、…

2

オトメカレシ。 コミック

藤成ゆうき 

奥行きが欲しい

表題作はじめ各作品で取り上げられている主題は
かなり良いのです。性的な描写も明け透けでありながら
下品ではなく、とても綺麗です。
しかしながら、率直に言えば展開にコクが無いのです。
主題をただ綺麗な絵柄で展開して過ぎて行って、後に
何も残らない。読み過ごしたのかなと思って再読しても、
何も引っかからない。
ただノルマだけをこなしましたと言う感じが残念でした。

2

ソルフェージュ(文庫) コミック

よしながふみ 

ややこしい合冊

さて、この本は少々ややこしい構成になっています。
後半・141頁以降は表題作であり、花音コミックスの
同名単行本の再録、それ以前の部分はビブロス刊行
『本当に、やさしい』から『執事の分際』シリーズ3作を
除いた4作品を再録した形になっております。
単純な合冊で無いのでご用心下さい。

「パンドラ」の内容とタイトルのギャップに舌を巻きました。
その観点で表題作を読むと、又新たな発見が…

4
二次創作

真行寺罪子 コミック

真行寺ツミコ 

バランスの良い二面性

ヒカ碁・マンキンでは軽快なノリ、ワンピ・NARUTO・
スラダンでは重厚なノリ・・・その両面の使い分けに
違和感を覚えないのは、各ジャンルの切り替わり部分に
付された詳細な自己解説の為せる業でしょう。
ジャンルにかこつけた自分語りではなく、ジャンルと
自分の対峙位置を再確認しつつ思い入れを再構成
する。
この一冊は作者さんの過去の蓄積であって同時に
未来への指針であるのやも知れませ…

1

Over Drive コミック

中村こうめ 

鳴り物響かず

罪を犯してしまったホストが意気投合している大学生を
連れ出して逃避行…というと非常に格好良い始まりの
表題作ですが……その後の伏線が殆ど回収されていない
状態を見ると手放しで褒めようとは思えなくなります。
表題作以外の作品も伏線の行方を読者の補完に
任せようと言う感じが強く、感覚でのめり込めなくなれば
そこでお終いな残念感がひしひしと。
要素の匙加減さえ良ければどの作品も…と思うと

2
非BL作品

トレイン☆カーニバル(アンソロジー著者等複数) コミック

企画の源泉は?

吉杜さんの本ありきで立てられた企画なのか。
それとも別の企画を立てた上で吉杜さんの案を
填め込んだのか。
正直、中途半端だなと言う印象が拭えません。

路線擬人化か駅擬人化かどちらかにしていれば
まだ萌えポイントが見つけ易かったかもです。

この内容でかるたを作って戴けたらもう一寸
萌えたかも。

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