葡萄瓜さんのレビュー一覧

キライ嫌いも コミック

立野真琴 

救済措置

親本は2001年9月にビブロスより刊行。
同時収録作を一篇加えた新装版となって復刊致しました。

BLでロミオとジュリエットをやるという趣向は時を経ても
古びておりませんね。
重くなってしまいがちな部分を上手にあしらいながらゆっくりと
大団円が構成されています。

同時収録作は兄弟愛の一つの形、そして執着の終着点。

0

永遠では永すぎる 2 漫画家純情編 コミック

黒川あづさ 

悪意なき鬼畜オヤジ

先輩漫画家に惹かれ、そして肌を重ねてしまった
新進漫画家。でも彼は幸せでしたが不幸だったの
です…。

攻の祐木先生は天然鬼畜と傍からは視えるでしょうね。
彼は決して自分から鈴彦さんに愛を与えようと動かない。
鈴彦さんから捧げられる愛着を受け止め、鈴彦さんが
自分の実子と妖しい空気を醸し出してしまっても静かに
その事実を受け止めるだけ。
与えない、繋ぎ止めないという姿勢は愛された…

0

ひざまずくは愛の従者 コミック

天堂まひる 

さて、どっち

収録作全編を一貫している主題は「愛の奴隷」と
読み取っておりますが、奴隷となっているのは
さて受と攻どちらでしょう。

それぞれ愛を軸とした主従関係ではあるのですが、
隷属の関係ではないのですね。
需要と供給の均整はきちんと取れています。
そう言う関係を嫌味なく描けるという筆力をしみじみ
味わうのも一興かと。

0

予感 コミック

立野真琴 

焦がれればこそ

神憑りなヴォーカリストの心を奪ったのは、
人畜無害な仮面を被った死神が口ずさんだ
歌だった。
自らを封印した死神を蘇らせようとする
ヴォーカリスト。その封印は徐々に解けは
したが、代償は大きく、そして…。

人畜無害な仮面を被ったろくでなしは、実に
厄介です。仮面でさえも実は本当の顔なの
ですから。そう言う手合いに夢中になろうもの
なら二人を常に相手にしている様なものでしょう。…

1

僕らの部屋から花咲く世界 コミック

松下キック 

気持ちの何処かに

肉体関係がないから「受攻無」になっているだけで、
絆の濃密度加減からすれば「標準的」判定をしたい
程の気持ちに溢れた作品集です。

あらすじで紹介されているのは収録作の初っ端、
表紙にもなっている「ユアマイサンシャイン」の筋
ですね。この作品で描かれる気持ちの駆け引きが
又妙に色っぽい。敢えてこれ以上何も言いませんが。

全収録作満遍なく二人で居る事に対する甘酸っぱい
気恥ずか…

4
非BL作品

9th SLEEP コミック

立野真琴 

絆の解釈

作者の立野さん自身、後書きにて「BLじゃなくて
ごめんなさい」と繰返されている展開でありますが、
この兄弟の絆はBLと言う枠の中でしか恐らく描き
得ないでしょう。この二人はかけがえのない一対
なのですから。

最初弟が兄の元を離れたのは運命に抗う為でした。
しかし、二度三度と出会いと別離を繰り返す内、
弟は知るのです。頑なにされた兄を救えるのは
誰か、と。
一方、兄は弟に執心し…

1

ハッピープレイ コミック

須貝あや 

ノルマプレイ?

表題作は描き下ろし。
そして収録作の殆どの初出誌が光彩書房刊行の
SMアンソロジーである「絶対麗奴」です。
その為、概ね鬼畜・SM趣向が漂っているのですが
…正直言ってそそられません。
とりあえずここまで描けば合格点と言う感じのノルマを
淡々とこなして進行させている様にしか伝わってこない
のです。
良くも悪くも整った絵柄しか印象に残らない、と言う
感じがとても残念です。
あと一…

1

オオカミが来るぞ!? コミック

黄河洋一郎 

それなりに純情

表題作シリーズ(「オオカミ~」)は男子高校生同士を
狼少年に見立て、激しいじゃれあいを笑い多め少し
純情風に仕立てたシリーズ作。
実に歯応えのある作品であるにも拘らず、この巻を
もってシリーズは中断されたままになっています。
光彩書房のアンソロジー(「Boy's」及び「Boy's EXCEL」)
連載分のみでそのまま進行が止まってしまっておりますね。

男子高校…

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二次創作

品川かおるこ Nana編 コミック

品川かおるこ 

美しくも疲労困憊

兎に角も美麗な画面です。
漫画と言うよりはむしろイラスト集と言いたい程に美麗。
その画面構成に合う様に妄想も程好く汲み出されて
おりますしね。

ただ、作品の世界観に読者が入り込む隙があるかどうか。
『品川かおるこ』の色が強すぎて、読んでいる側は恐らく
嘆息しか吐けない様な気がします。

1

ラブジョーカー フラチな恋の奴隷たち(アンソロジー著者他複数) コミック

言葉は重宝

「恋の奴隷」をキーワードに編まれた商業同人を
問わぬ再録集。
一作一作は読み応え充分なのですが、「奴隷」と
言う言葉の重みが作家さんによって違う為、些か
混乱が生じるかと。
厳密な区分で言えばテーマに一番沿っているのは
七瀬さんの作品で、他の作品はむしろ別の主題で
取り上げられるべきかと愚考します。
評価は作品に対してではなく、アンソロジーの方向性に
対して、とお考え戴きたく。

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