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3/3(合計:27件)
依田沙江美
ぎが
画家と編集者のシリーズ第2弾。 この巻で描かれるのは、二人が家族になろうとする過程である。 仕事が充実する一方、親や親戚に結婚のことを問われたり、周囲の者が結婚したり、近しい者の死に遭遇したりすることで、否応なく自分の身の振り方を考えさせられる30がらみという時期が丁寧に描かれている。 表題作『千の花』の終盤、出席した知人の結婚式のチャペルの最後列で、他の参列客には知られることなく牧師の…
まんだ林檎
前作『狂いもえせず』とは打って変わって切なさ全開の短編集。 舞台が高校であったり学生時代の思い出に根ざした話が多く、エロは控えめに心情が丁寧に描かれる。 ただし話の主軸は必ずしも恋愛ではないので、それを求めて読むには物足りなさを感じる向きもあるかもしれないが、家族を持った作者ならではのアプローチなのではないかなとも思う。 内容的には、特に表題作は32ページの短編ながら秀逸。 性同一性障…
門地かおり
女形の松本優紀は自分を見出した座付き脚本家・秋川幸二を想いつつも友人として接してきたが、ひょんなことから体の関係をもってしまう。妻を持ちながら浮気を繰り返し、しかし「男は気持ち悪い」と相手にしなかった秋川の気持ちが変わったのは、優紀ではない別の想い人が現れたからであり、性経験のない少年につらい思いをさせたくないがために、かつて茶屋で男相手を務めていた優紀から“その道”を教わるためだった…。 …
互いに長く想い合いながら実際には気持ちを伝えることなく過ごしてきた奴隷商人の息子・クマルと奴隷の子・シン。離ればなれになって気づくこともあるが、2人の間には身分の壁があり、素直な気持ちを吐露することはついに叶わない。 シンを「クマルの妾」として買い付けた行商宿の主・ソロウやその従者たちの元で自分の居場所を見つけたシンは、クマルの元には帰らずソロウたちと生きることを選択する。 単純なハッピー…
中村明日美子
2巻はニューヨークに出たJがクラブの女装歌手として働いている間のストーリーである。主人公はあくまでもJであるが、物語の視点はJから後述するリタに移行し、リタの現在から過去を振り返り、最後に現在に戻る形で構成されている。 ギムナジウム時代Jと互いに想いあっていたポールは2巻では『思い出』としてしか登場しない。クラブのオーナーであるアーサーとの関係も恋人というにはどこかビジネスライクであり、仕方…
同性愛を描いているからといってBLではないのは自明のこと。 まして本作の主人公、J.S.カレンズバーグ(通称:J)は、マリリン・モンローになりたかった少年、すなわちトランスジェンダーである。 女装をし、女の言葉を喋り、女として男に愛されたい人物が主人公の物語をBLの文脈で評価するのは難しい。 1巻のあらすじは以下の通りである。 舞台は1950年代のアメリカ。 自身がトランスジェン…
『Jの総て』の登場人物モーガンとポールの中等部時代を描いた物語。 『J…』の連載終了後まもなく連載が始まった本作は、中村明日美子の漫画家としてのスキルがあがったこともあって非常に読みやすく、また非BL作ながらBLにも通じる『萌』も感じられる作品であり、モーガンとポールのキャラ設定は中村によるBLの近作『同級生』『卒業生』通じるものと推測される。 市長の息子・モーガンはその立場上喧嘩やいざこ…