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紺野キタ
ぎが
ネタバレ
オヤジ特集コラムで取り上げた『先生のとなり』を含む、バラエティに富んだ短編集。 実は私は紺野キタ氏に関して新参者で、今年の春先にたまたま書店で見かけた非BL作品『つづきはまた明日』ではまった口である。 『つづきは…』を手に取った時点で紺野氏にBLの著作があること自体は知っていたのでBL・非BL問わず手に入るもの片っ端から買いあさったのだが、本作のオヤジ作品率の高さには非常に驚くとともにさらに一…
中村明日美子
云わずと知れた、中村明日美子氏の人気を不動のものにしたであろう本作について、今更ではあるが一言もの申そうと思う。 内容はすでに多くのレビューでも紹介されているように、ちょっとちゃらいバンド少年・草壁と真面目一辺倒のメガネ少年・佐条の恋と、佐条に心惹かれ草壁にひっそりと対抗する音楽教師・原の関係がじっくりと描かれる。 特に物語の前半は草壁視点優勢で物語が進行する点が好ましい。 不安発作…
松本ミーコハウス
前作とは違って全体に明るくかわいくわかりやすい内容の連作で、様々なところで関係のある3カップル+1カップル未満が主たる登場人物である。 カップル未満の1組を除きオール眼鏡受けというのがなんとも嬉しいではないか。 前作同様の表情重視の画面作りは、実際のところそれほどエロ場面の多くない本作に、怒濤のエロ感をもたらしている。 何せ登場人物が揃いもそろって豪快に赤面してくれるので、読者の熱感も上…
かわい有美子 花本安嗣
本の装丁は『上海金魚』と対を成す、金と緑を基調とした落ち着いた雰囲気であるが、内容はまるで真逆を行くような、かっとんだ「キャラ小説」といってもよいだろう。 それと同時に前作の主要人物の違った一面も表現され、地続きとなった2作に奥行きが生まれているようにも感じられる。 本作の主人公の北嶋は優秀で美形の建築士だが、真剣に取り組まずとも仕事も恋人も手に入ってきたなんとも嫌味で自信過剰な男。 だ…
長らく入手困難だったものが最近ようやく重版されたので、私家版を読んではいたのだが、早速入手し読み直してみた。 商社マンの滝乃史宥と地方公務員の水端祐季、全く接点のないはずの二人が出会うのは、タイトルどおりの異国の地・上海である。 滝乃にとっては出張先、佑季にとっては滝乃の取引相手でもある恋人・伊藤(二人の間では恋人ということになっているが、妻子ある伊藤の佑季に対する扱いは愛人そのもの。対等…
マリリン・モンローの死を合図にするようにして、Jの周囲が大きく変わりはじめる最終巻。当然1巻の主要人物も再登場する。 法律事務所に勤めるポールのもとに、リタとかつてJにインタビューした雑誌記者が訪れる。Jは刑務所におり、所内でモーガンと再会していた。Jに面会したポールがリタから知らされた事実を伝えると、Jは精神的に不安定になる。やけになり問題行動を起こしたJに再度面会したポールは、心からJを…
樹生かなめ 槇えびし
ほんの数年前までは30歳代でオヤジであり、受けとは美少年・美青年にのみ許された役割と考えられていたと思うのだが、最近はすっかりしょぼくれた40~50歳代の受けも認知され、いやそれどころかかなりの人気を博している。 本作は、見た目こそ30歳代だがバツイチ・インポ・リストラの憂き目に会った45歳の美中年が、何の因果か20も年下の若者に惚れられてしまうという話だが、何より重要なのが、この作品の初出…
前作『黄昏に花』の後半でぎっくり腰まで患ってしまった岩井課長と、課長を甲斐甲斐しく世話する(とはいえその方法はかなり自分勝手な)小田原の仲は、はっきり言ってさほど進展していない。 それどころか、ある意味本作のメインは、前作でも強烈な印象を残した岩井課長の部下たる女性たちの姿であると言ってもいいかもしれない。 しかし、老いや死を意識しながら生きねばならない中年の恋愛は、きっとこれぐらい緩やかでい…
依田沙江美
すでにたくさんのレビューがあがっているのであまりくどくどと説明するつもりはないのだが、一点だけ強調しておく。 コミックスの裏表紙のあらすじや帯では、この物語の主人公の片割れである書道部1年生の坂下昴を「小悪魔高校生」とか「ツンデレ」と評している。 しかし、型通りの「ツンデレ」を求めてこのコミックスを読むと、肩透かしを食らうかもしれない。 昴の相手が同じ高校生であったならば、彼の言動はもっと「…
新進気鋭の画家・日比谷勇気と雑誌編集者・土谷昇の「二度目の恋」を描くシリーズ。 彼らの少年期と再会を描く表題作『真夜中を駆けぬける』が、発表順・時系列順ではなく後半に収録されている点が、コミックスの構成上効果的である。 芸術方面に造詣の深い、少し大人びた兄の同級生に導かれるように絵の道に進むことを決意した少年が、いざ美大生になると新しい世界に目がくらみ、過去をいったん清算したくなったという…