上海金魚

Shanghai kingyo

上海金魚
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神19
  • 萌×211
  • 萌23
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
20
得点
208
評価数
55
平均
3.8 / 5
神率
34.5%
著者
かわい有美子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
花本安嗣 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
価格
¥857(税抜)  
ISBN
9784773002638

あらすじ

しっとりとした花のような色香を持つ水端佑季の恋は、初めて訪れた異国の地、上海で終りを告げた。
男の狡さに気付きながら、嘘を信じていた佑季は突然の別れに傷付き、旅先で出会った男、滝乃と体を重ねてしまう。
滝乃の包み込むような優しさに、つかの間の関係だとわかっていても、心惹かれることを止められない佑季だったが…。

表題作上海金魚

滝乃史宥,小さい商社の営業マン
水端佑季,地方都市の公務員

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数20

もっとはやく出会わせてあげたかった

シリーズ三作品の中で、一番好きだったかもしれません。
や、最初の方はまーーったく萌えないんですけどね(苦笑


受けは、優しいけれど自分を一番にはしてくれない伊藤と愛人関係を続ける佑季。

攻めは、伊藤と仕事上での知り合いである滝野。
伊藤から、佑季へ上海でのガイドを頼まれます。


前半は、上海でのふたりのゆーったりとした時間が流れます。
あまりにゆったりなので退屈に感じてしまいがちですが、端々で滝野の気遣いがあり、彼の誠実さが伺えます。

流れで体を重ねますが、佑季は連絡先を残さず帰国。
滝野は佑季との連絡手段がなく、佑季は一歩踏み出すことに躊躇し、すれ違ったまま数ヶ月。
しかし、偶然滝野が佑季を見つけた時に「きゃー!」と一気に怒涛のような萌えがわたしに降臨!
ぜひ、前半で投げずに読んで頂きたいです。

三作品の中ではかなり地味なお話ですが、滝野と佑季のカップルが一番好きなんです。
佑季は外見こそお人形のように静かに見えますが、キチンと自分というものを持っていますし、滝野は佑季の境遇(愛人)を知っていても真摯に向き合うことが出来る、大人でそれでいて熱い部分も持っている本当に良い男。
あー、また、読み返したくなりました!

7

特異な「キャラ」に頼らない良作

長らく入手困難だったものが最近ようやく重版されたので、私家版を読んではいたのだが、早速入手し読み直してみた。

商社マンの滝乃史宥と地方公務員の水端祐季、全く接点のないはずの二人が出会うのは、タイトルどおりの異国の地・上海である。
滝乃にとっては出張先、佑季にとっては滝乃の取引相手でもある恋人・伊藤(二人の間では恋人ということになっているが、妻子ある伊藤の佑季に対する扱いは愛人そのもの。対等ではない関係に佑季は不満を持っているが言い出せない)との旅行先である上海。
旅先での物語であるためか、主人公は二人とも至極堅実な社会人であるのだが、どことなく熱に浮かされたような、現実味のない雰囲気を帯びている。
両者の視点から物語が紡がれるので、読者には二人のおかれた状況や心情が正しく把握でき、その上で旅先での行きずりの関係が日本すなわち現実に戻った後にどうなるのか、充分やきもきできる仕掛けになっている。

ところで本作のように、特別な感じのあまりしない真っ当なもの同士の話というのは、案外少ないような気がする。
特異なキャラクターに頼ることなく描かれた良作であると思う。
花本安嗣氏のイラストも赤と金を基調とした装丁もなんとも上品で、作品のイメージを底上げしている。

4

大人の恋

「透過性恋愛装置」 とその番外編同人誌を読んで気になっていた「上海金魚」
今年重版で出たのを、たまたま店頭で見つけて購入。

ちゃんとした大人が、
ちゃんとした恋をして
ちゃんとした幸せな結末になる

滝乃も水端も、ちゃんとした大人なので、お話は、一見地味にも思えますが、この地味な真っ当さがとっても貴重で、読後感がよかったです。


お話の設定自体は、ちょっと考えると、かなり荒唐無稽な力業もありますが(上海での出会いとか、日本での再会とか)、普通、他のBL作品では、もっと無茶な事はいくらでもある。
逆に言うと、この二人があまりにもまっとうなので、力業が目についちゃったって感じでしょうか



この本編では、二人は再会したところでお終いです。
この後の、デート編、プロポーズ編は同人誌「恋は遠い日の花火ではなく-総集編-」
で、どうぞ

2

やっぱり神シリーズ

邪道ながら新しい方から読み返してしまいましたが
全く色褪せずいつ読んでも素晴らしい…!!!

高級家具輸入会社の二代目若社長・伊藤に
半ば強引に連れ出されたような形になった上海旅行、
佑季の真面目さとひかえめさがとても伝わって来ました。
家庭がありつつ佑季を可愛がり、伊藤なりの愛し方だったんでしょうけど
登の人を見る目はやっぱり間違っていなかった…。
奥さんとの不仲を強調しておいて事実はそうじゃないなんて最低。
佑季がすっぱり見限れて良かったし
滝乃という思いやりに溢れて細部にまで気遣ってくれる頼もしい男性に出逢えて
こちらまで幸せになれた気がしました。
滝乃は理想的な攻めと言っても過言ではありません!!
伊藤と佑季の事情に気づきながらさりげなくフォローしてくれたり
塞いだ佑季の心をどうにかとかしてあげようと親身になってくれたり…。
心細い時にこんなに優しくされたら好きにならない方がどうかしてる。
滝乃はノンケでも、佑季のいじらしさと誠実さ、透明感のある美しさに惹かれて
旅行中の気の迷いなんかじゃ無くて必然だったのでしょう。

帰国後の二人とも会いたいのに会えない焦れったさときたらもう!!
簡単なことじゃないですもんね…。
滝乃の会社に連絡なんて出来ないのもわかるし
滝乃は佑季の連絡先も職業も知らないまま別れてしまったしで
初めてこの作品を読んだ時あまりにも気になりすぎてついページ飛ばしちゃったのを思い出しますww
何ヶ月経って会えなくても忘れられなかったというのが
二人の真剣な気持ちを如実に表しているんですね。

田舎の地方法務局!!古い登記簿とか懐かしい!
今でこそ日本全国の物件でも簡単に証明書等取れますが
昔は謄本をわざわざ取り寄せなければいけなかったりしたのです。
支所や小さな出張所もだいぶ統合されたんじゃないでしょうか。
滝乃の部下のうっかりミスが二人をまた結びつけるなんてね…。
再会後すぐの佑季の態度をなじるでもなく、
穏やかに話しかけ続ける滝乃に涙が出そうになるんです。
金魚の話をされてようやく少し笑顔を見せてくれる佑季にも。

本当に心底ハピエンを喜べる作品です!!

2

ゆったりと進むやさしいお話 手元に置いておきたい

かわい先生の作品が大好きで、刑事ものも歴史ものもSFものも色々読んできました。今作を含むシリーズの中では、恐らく透過性恋愛装置が一番人気だと思いますが、私はこれが好きです。

恋愛としての進み具合はかなりゆったりですが、所々で滝乃が佑季を大切に大切に慈しんでいることは伝わってくるので、ほっこりとあたたかい気持ちになります。上海という異国の地での、自然や食事など様々なことに関する情景描写も、さすがかわい先生という感じで非常に美しく繊細で、そういった部分でも楽しめるので、恋愛面がそこまでとんとんと進展していかなくても退屈さは全くありません。文字を読んでいるだけなのに、匂いや空気感が伝わってくるようで、本当に毎度毎度かわい先生の文章には非常にひきこまれます。

金魚の描写なんて、昔金魚を飼っていたことを思い出しながら懐かしい気持ちで読みました。青い金魚(銀魚?)美しいんだろうなあ。見てみたいです。楽しそうに、でもどこか寂しそうに昔飼っていた金魚の話をしたり、欲しいのかと聞いてもかわいそうだからいいという佑季に、ここで売られている金魚はペット用ではなくて宗教上の習わしで時がきたら上流に放すのだけれど、ずっと人間に世話されてきたから餌のとりかたもわからなくてすぐに天敵に食べられてしまうということを知っていても言えなかった滝乃のやさしさにも胸が震えました。このシーンはかなり好きです。

恋人として結ばれるのは本当に終盤ですが、滝乃が本当に佑季を大切に想っていることは常に伝わってくるので、どこか安心して読めました。大きな事件がおきたりするわけではないけれど、ゆったりと進むやさしいお話で私は好きでした。心が疲れている方に読んで欲しいです。私も心の栄養剤として手元に残しておこうと想います。

2

穏やかで、でも強い恋

ごく普通の地方公務員の水端佑季は初めて訪れた上海で恋人と別れた。
一人上海に残ることを選んだ佑季は元恋人の計らいで、彼の取引先の社員、滝乃と共に観光地をまわることになる。
狡いところのあった元恋人とは違う包み込むような滝乃の優しさに惹かれ始める自分を止められない佑季だったが……

遠い異国で生まれた恋。
ゆっくりゆっくり話が進むのが良い意味でじりじりする。
上海の空気感まで書き込まれているようで素敵でした。

佑季がぼんやりしているようでいて芯が強いのが好印象。

元彼の伊藤と比べると滝乃のいい男っぷりが際だちます。
伊藤は同時に複数の人を愛せてしまったり、ごく自然に嘘をつく狡さを持った人。
ああ、いそうだなあこういう人と思うと同時に、こういう人に惚れると辛いだろうな。
別にいつも贅沢させてくれなくてもいい。甘い言葉ばっかり言うのも信じられない。
一緒にいて落ち着くとか安心するっていうのがやっぱり一番だよねと妙に納得してしまった一冊でした。

6

しっとりとした旅先での恋

1冊ぜんぶ表題作です。
滝乃(攻め)、水端(受け)の両方から語られるので、二人が惹かれていく過程が分かりやすいです。

水端は、伊藤(年上・35歳)と不倫旅行に上海にでかけますが、そこで妻にバレたのと伊藤の嘘が分かって別れることを決めます。一緒に帰国する事を拒んだ水端に、伊藤は滝乃に世話を頼んで…という話です。

伊藤が世話を頼む前にも滝乃とも面識はありますし、伊藤より滝乃の方が相性が良い描写もあって、失恋したヤケでも旅先の開放感でもなく、二人がなるべくして抱き合うことになった流れが素敵でした。

帯に「あなたにあえた幸福」とありましたが、本当にそのもので、じんわりと幸せな気持ちが胸に広がっていった作品でした。花本先生のイラストも内容と雰囲気がぴったりだと思います。

社会人のしっとりとした恋です。
ただ、受けが不倫をしていますので、苦手な方はご注意ください。

お勧めいただいて読んだのですが、素敵な作品でした!シリーズとのことなので、「透過性恋愛装置」「月一滴」も読んでみたいと思います。

あと余談ですが、水端の友人の登がハードな過去を持っているので、パートナーの北島に落ち着くまでの過程を読んでみたいともちょっと思いました。

2

優しいお話でした

順番としては、このお話が先でしょうか?
レビューは前後すると思いますが、透過性恋愛装置の方を先に読みました。
透過性恋愛装置の北嶋王子の面倒をなんだかんだとみてやっている良い人、滝乃くんと祐季ちゃんのお話。
不倫していたという祐季ちゃんの過去にびっくり。
でも、祐季ちゃんは、優しくて、まじめで、本当に良い子なんですよね。
登というなんでも相談できる友達がいて、滝乃くんにも再会できて本当に良かった。
優しい読後感でした。

1

静かで素敵な物語

以前レビューした「透過性恋愛装置」の姉妹品のような作品です。こちら一冊だけ読んでも十分楽しめますが登場するキャラクターとの関係性や深く理解したいのであれば両方読むことをお勧めします。「上海金魚」はとっても静かに進んでいくお話で大好きです。静かなんだけど攻め・滝乃の受け・水端への熱い思いがすっごく伝わってくるお話で、本当に水端のことが真剣に考えているんだなぁということが伝わってきます。読み終えるとなんだか金魚を見に行きたくなります。

1

まだ小説読みに慣れていなくて……

かわい有美子さん、初読みです。
というか、BL小説はまだ3人の方の本しか読んだことがない状態で、こちらを読みました。
(3名とは、英田サキさん、榎田尤利さん、月村奎さん)
最初は、それまで読んだ本と文章の感じが違っていて、
それが妙に気になって戸惑ってしまいました。
一文がすごく長くて、読点がひと文に5つ以上打ってある文が時々あったり、
ひとりの人の会話文で1ページがほとんど使われていたり、
今まで読んだのと違う、そんな些細な事が妙に気になってしまって……。
読み進めていくうちにだいぶ慣れてきたのですが、
それでも読点でひと呼吸おいて読む自分のリズムに、正直ちょっと合いにくかったです。
う~ん……こういうのは、慣れなのかしら?
もう少し小説慣れした頃に読み返したら、また違うのかもしれないなぁと思います。


話からはゆったりとした空気が感じられて、
上海という、いつもとは違う時間が流れる外国でのストーリーととても合っていて素敵でした。
そして、上海金魚と、受けの口元のほくろがとても印象的な、美しさが漂うお話でした。

本当は、攻めの言動にきゅんとなれると、もっとこの本を楽しめたのだと思うのですが、
それは残念ながら……
サラリとした優しさが窺える話し方。
観光案内中は、気を遣いながらも自分も楽しみ、気取らないけれどスマート。
よく気が利く優しいノンケだったのが、
色っぽい青年相手には気持ちを抑えられず、少しだけ意地悪になって行為に溺れる。
こう書くと好みな感じがするのですが、
イマイチ男らしさに欠けるように感じてしまって、それがちょっと……
できれば、多少格好悪くても強引でも、再会は自分の手で掴み取ってほしかったなぁと。

でもふたりの関係は、この本1冊ではまだ始まったばかり。
大切なのは出会いや再会ではなくて、積み上げていくよい関係だと思うので、
今後の彼らをちょっと覗けるという「透過性恋愛装置」を、期待して読もうと思います。

追記:
「透過性恋愛装置」を読んで、攻め・滝乃の仕事への真摯な姿勢と機転の利く格好よさを知り、
こちらの本で持った彼への印象が変わってきました。
そして「恋は遠い日の花火ではなく」を読んで、ごめんなさい!!という気持ちでいっぱいです。
滝乃が佑季をとても大事にしているのがすごくよく分かりましたし、
偶然の再会の裏にはこの本には書かれていなかった事実があることも知りました。
この本をお薦めしてくれた友人が、
「滝乃に惚れるよ~」と言っていた意味がよく分かりました。
確かに滝乃はいい男だ……と前言撤回しちゃいますw

この本を手に取られたなら、
ぜひ「恋は遠い日の花火ではなく」までお読みになることをお薦めします。


6

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