Mさんのレビュー一覧

東京の休日 1(文庫) 小説

桜木知沙子  北沢きょう 

ちょっと切なさが足りない?

 完璧な容姿を誇る北條は、総合病院で医師として働いている。
 見た目よし、頭よし、そんな北條の唯一の弱点が、「酒に弱いこと」だった。
 ある日、彼が職場の飲み会で酔っ払い、二日酔いで目覚めた朝。
 ともに裸でベッドの中にいたのは、なぜか男――医局で事務のバイトをしている大塚真史だった。
 ゲイではない己の所業に、戸惑った北條は真史に対して逆ギレする。
 それ以来、冷静な北條が真史と顔を合…

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夜に薫る純白の花 小説

真崎ひかる  高久尚子 

すれ違いのお話

 一葉は、父親に借金のカタにやくざに売り飛ばされかけたところを、鳴宮医院に引き取られた。
 鳴宮医院は、養父・康宏とその息子・宏晃の二人暮らしで、恵まれない暮らしをしてきた一葉を大切に慈しまれて育った。
 実は鳴宮医院は、昔からの知り合いであるというヤクザのまともな病院へは連れて行けないような病気を実はこっそり見ていた。
 そんなある日、いつものように組員から呼び出されて一葉を連れて往診に向…

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さよならヘヴン 小説

榊花月  紺野キタ 

うまく心情が表されてて。

 ややタイムリーな感さえある、いじめが原因の引きこもりの少年の話。

 主人公の実景は、学校でいじめられたことが原因で引きこもりがちになってしまう。
 部屋の中は安全な逃げ場所で、誰も何も実景を傷つけることはない。
 そんな温かな巣の中で、実景はぬくぬくと生活をしていた。
 実景の心の拠り所は、そんなにメジャーでもないけれど、独特な歌を歌うアーティスト。実景の姉には理解してもらえないけれ…

1

イノセント・ラヴァーズ 小説

嶋田まな海  藤井咲耶 

BLらしいBL

 ビューティーサロン「イノセント」に就職した治基は、憧れのトップスタイリストの檜垣のアシスタントとして働くことになった。
 ところが、檜垣は仕事にはめちゃくちゃ厳しいし、口も悪い。
 いつも、元気で前向きな春季でさえも檜垣に嫌われているのでは、と悩むほどであった。
 ある日、檜垣と治基は二人で飲みに行き、先に檜垣が酔いつぶれる。
 おまけに、いきなり檜垣に「好きだ」と言われ、キスされる。

0

泉&由鷹シリーズ(6) 僕達の失楽園 小説

あさぎり夕 

登場人物入り乱れ

 イブの夜――
 すべてを天野に委ねることに決めた泉は、天野宅を訪れた。
 ところが、天野の巧みな言葉に誘われるうちに、泉の中の男としての本能が目覚める――。

 というような内容でした。
 シリーズモノ。

 てっきり、泉は「総受け」なのかと思いきや、まさかの展開。
 泉は女になる前に、男になってしまいました。

 そうかー……リバ有りで読まないといけないのかー……という新発…

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甘えてください 小説

火崎勇  小路龍流 

信じるって難しい!

 恋愛経験豊富なデキる営業・鳥海が恋をしたのは、経理課の堅物・琴川。
 美人で冷たく見える琴川のかわいい一面を知った鳥海が、必死に口説き落としてようやく恋人にまでこぎつけたのだ。
 真面目な琴川だからこそ、大切に恋を育てようと考えていた鳥海だったが、何度も何度もデートをドタキャンされてしまう。
 理由は、身内の不幸だったり、マンション設備の故障だったりさまざま。
 もしかして自分は避けられ…

1

好きだと言ってもいいですか? 小説

早瀬亮  椎名秋乃 

脇役が魅力的!

 翻訳家の奏は、クリスマスを控えたある日、久しぶりに街に出て、いい気分になった酔っ払いたちに絡まれてしまう。
 繊細な容姿で女性と間違えられて、声をかけられたのはいいが、男だとわかっても相手は引いてくれる様子はなかった。
 元々口下手な上に、幼少期から海外を転々としていたせいで、あまり人と話すことが得意ではない奏は、その誘いをうまくかわすこともできず、困り果てていた。
 そこに、端麗な紳士が…

1

TOKYOジャンクシリーズ番外編(2) 彼らの恋愛生活 小説

ひちわゆか  如月弘鷹 

シリーズ番外編!

 TOKYOジャンクシリーズの番外編。
 いろんな登場人物の番外編が入っています。

 一つ目はバレンタインデー編。
 バレンタインデーに貴之が、柾がどういう行動をとったのか……? という話。

 ちなみに、本編ではあまり触れられることがなかった草薙メインの話も乗っています。
 というか、本当のところ今回のこの本の一番の目当ては草薙じゃないですかね?

 草薙の恋愛対象が十六歳以…

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八月の疵痕 小説

美樹静  如月弘鷹 

恋愛要素薄め

 十五歳の遠野陸は、四年前の八月に母と義父を凄惨な事故で亡くして以来、義父の双子の弟でカメラマンの夏生と暮らしている。
 それというのも、陸はその事故がトラウマになり、発作を起こしたり、夜一人で眠れなくなったりしていたからだった。
 おまけに、八月という月はまた格別で、両親の亡くなった状況を思い出してしまうから、ますます陸は憂鬱になっていく。

 そんなある日。
 夏生と待ち合わせをして…

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機械仕掛けのくちびる 小説

  須賀邦彦 

回り道の恋愛

 玩具メーカーに勤める相沢は、十年来片想いをしていた。
 その相手は、大学時代の先輩でもあり、現在の職場の同僚でもある風間。
 風間は、学生時代から人を引っ張るカリスマ性のようなものがあり、多くの人をひきつけ、同時にモテまくっていた。
 そんな風間に対し、相沢は「抱かれて捨てられるぐらいなら、一生告白しないし、恋人関係にはならない」と決めていて。
 一度だけ、卒業を間近に控えた風間が、「卒…

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