Mさんのレビュー一覧

恋獄の囚人 小説

バーバラ片桐  水名瀬雅良 

檻の中でえっち!

 二〇〇×年の首都直下型地震で、日本は壊滅状態に陥ってしまう。
 社会は荒廃し、犯罪が多発する中作られた少年刑務所「特U施設」。
 それは、日本で始めての民間刑務所であった。

 罪を犯した駿也が送られたのは、更正とは名ばかりのそんな無法地帯だった。
 入所初日、恒例のリンチに遭いかけた駿也を、通称『ディンゴ』なる男が救った。
 ディンゴは、少年刑務所の中でも、看守にさえも恐れられてい…

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若にラブ ~はわわ大抗争!~ 小説

高峰あいす  みろくことこ 

ハードじゃないヤクザもの。

 大館薫は、おっとりとした性格で甘いものが大好き。
 おまけに、かわいらしい顔立ちをしていた母親に似てしまったものだから、街を歩けば女の子に間違われ、声をかけられることもしばしば。

 そんな薫は、母親を亡くし、どこの誰かもわからない父親にお金を払ってもらって、お坊ちゃん学校に通う毎日。
 生まれてから一度も会いに来てくれなかった父親をあまりよくは思っていなかったものの、母親が父親のことを…

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ミスター・ロマンチストの恋 小説

砂原糖子  桜城やや 

乙女ちっく受け!

 高校三年生の千野純直は、成績優秀な生徒会長でテニス部のエース。
 しかし、本当は内気な性格――どころか、乙女ちっくに好きな人を思い続ける少年だった。
 見た目にそぐわぬその容貌のせいで、クールで渋いと女の子に大人気を誇っているが、純直自身が自分のその内面とのギャップに苦しんでいた。
 そんな純直の恋のお相手は、一学年下の有坂和志。
 陸上大会での勇姿に一目惚れしたという彼は、有坂を一目見…

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花嫁は高校教師 小説

藍生有  海老原由里 

かなりの急展開……

 高校教師の千春が自宅に帰ると、そこはもぬけの殻になっていた――。
 突然の出来事に困惑する千春に、千春の母親は何の疑問もなく「嫁に行け」という。
 自分は男であることを母親に主張する千春だったが、昔から思い込んだら人の話を聞かない母親は聞く耳を持たず。
 仕方なく千春は、自分の家財道具が運ばれているという嫁に行くことになる家に向かうと、そこには直接授業を担当しているわけではないけれど、千春…

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欲情の極華 小説

遠野春日  北沢きょう 

計画が穴だらけ……

 次期組長と目されながらも、内部抗争で組を追われた元極道の若頭――。
 重傷を負い、行き場を失くした男・海棠を秘書に拾ったのは、青年実業家の真柴だった。
 実は真柴は、海棠が若頭を務めていた組の組長の愛人として、生活していたことが一時期あった。
 そんな時も冷静に、日ごと真柴が淫らに抱かれるのを黙って見、そして後処理を厭うことなくしてくれたのが海棠だった。
 真柴は海棠には「きっと軽蔑され…

1

好きになるということ 小説

谷崎泉  高座朗 

続きが読みたい!

 デザイナーの壱は自身の事務所の規模に合わない大きな案件を抱えて四苦八苦していた。
 ただでさえ、書類仕事は苦手で大学の同級生である綾子に任せきりなのだが、その綾子が音を上げるくらいの書類の量が積みあがり、いよいよ限界かと思われるような状況になりつつあった。
 頼みの綱は、「お前の傍にいたい」ただそれだけの理由で、壱のやっているデザイン事務所に、いくつもある会社の役員職を辞め、押しかけてきた灰…

1

君が誰の隣りにいても 小説

月上ひなこ  山田ユギ 

再会話!

 江戸友禅の新鋭作家・日比野佑一には苦い過去があった。
 六年前、佑一は高校に勤める美術教師だった。
 ところがある日、新入生である少年に熱心に口説かれ、男同士である上に、先生と生徒という関係ながら付き合い始めることになったのだが、そのことが彼の母親にばれ、佑一は彼の将来のため「結婚して子どもを作りたい」という嘘をつき、別れたのだった。
 別れて六年が過ぎても、佑一は彼のことを忘れられずにい…

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スーツとリボンタイ 小説

篁釉以子  史堂櫂 

話が青い。

 高岡美幸は、中等部の時に手ひどく振られた上級生の貴嶋竜一を忘れられずにいた。
 彼は、美幸の夢の中に毎日のように現れては、実際には呼ばれることのなかった美幸の名前を囁く。

 それから月日が流れ、美幸は大学を卒業し、晴れて社会人になった今でさえ、彼は時折夢の中に現れては、淫らに美幸を翻弄するのだった。

 そんなある日、新人研修を終えて、配属された部署で、焦がれ続けた貴嶋の姿を美幸は再…

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チョコレートのように 小説

ひちわゆか  金ひかる 

うさんくさい男

 信頼していた同僚に、コンペ用に用意した企画を丸々盗まれる、という最低の経験をした京一は、橋の上で水面を酔った目で呆然と眺めていた。
 そんな京一に声をかけてきたのは、印象的な声をした謎の男・梶本。
「死ぬくらいなら、そのカラダ、俺によこせ」
 という梶本に、自分が身を投げる先が、この川の水の上でも、自分のベッドの上でもどちらでもよくなっていた京一はついついうなずいてしまう。
 梶本は、男…

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月下の華盗人 小説

日生水貴  緒田涼歌 

思うとおり!

 漆黒の外套と西洋風の仮面で姿を隠し、予告状のとおりに獲物を奪う――怪盗・朱ノ月。
 若き刑事・一晶は、ある晩、朱ノ月を追う途中で川に落ちたところを彼に助けられてしまう。
 そしてあろうことか、唇までも奪われてしまう。
 しかも、そのまま逃げられてしまうという大失態を犯し、刑事の矜持を傷つけられた一晶は、朱ノ月の逮捕に向けてますます熱意を注ぐのだが、なぜかあの夜の唇の感触を消すことができない…

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