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表題作君が誰の隣りにいても

久生暁也・ホスト
友禅作家・日比野祐一

あらすじ

江戸友禅の新鋭作家・日比野佑一の前に偶然現れたのは六年前に別れた恋人・久生暁也。
当時美術教師だった佑一は、新入生の暁也の強引なアプローチのすえ恋人になるが、彼の将来のため、結婚すると嘘をつき別れたのだ。
真実を知らず佑一のことを恨む暁也は佑一のもとに通い始め、やがて同居することに。
暁也への想いを抱いたまま別れた佑一は、ずっと暁也が好きだったが…。

作品情報

作品名
君が誰の隣りにいても
著者
月上ひなこ 
イラスト
山田ユギ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
君が誰の隣りにいても
発売日
ISBN
9784344806689
3.6

(16)

(4)

萌々

(3)

(8)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
57
評価数
16
平均
3.6 / 5
神率
25%

レビュー投稿数6

再会話!

 江戸友禅の新鋭作家・日比野佑一には苦い過去があった。
 六年前、佑一は高校に勤める美術教師だった。
 ところがある日、新入生である少年に熱心に口説かれ、男同士である上に、先生と生徒という関係ながら付き合い始めることになったのだが、そのことが彼の母親にばれ、佑一は彼の将来のため「結婚して子どもを作りたい」という嘘をつき、別れたのだった。
 別れて六年が過ぎても、佑一は彼のことを忘れられずにいた。

 ところが、その彼・久生暁也が、偶然、佑一の工房を訪ねてくる。
 佑一に着物を作ってもらいたいという水商売の女性を伴ってやってきた暁也は、佑一に対して恨みの目を向ける。
 以後、暁也は佑一の下へと通い始め、ついには家に居座ってしまう。

 暁也は意外なことに料理がうまく、また佑一の子どもでもある晃の面倒もよく見てくれていて、同居する相手としては申し分なかったけれど、暁也に気持ちがある佑一にとってはちょっとした暁也の行動が気になって仕方なく、また暁也も傷つけられた苛立ちを佑一へとぶつけてくる。
 佑一はこれは自分に対する罪のつぐないなんだ、と考えて暁也の行動に耐えるけれど――

 という話でした。
 佑一は本当は暁也のことを大好きだったけれど、彼の将来を思って別れることを選択する。
 けれど、その後の暁也は佑一が考えた以上に荒れ果てた日々を過ごし、再び佑一の前に現れた時には、ホストとして退廃的な雰囲気と抑えきれない苛立ちを漂わせていた。
 佑一はそれに胸を痛めるけれど、自身もまだ暁也に思いを残したままで、とてもじゃないけれどそんな暁也の気持ちを思いやってやれる余裕もなく、また、佑一は暁也が自分と別れたほうが幸せだ、と思っていたため、自分の気持ちを告げるつもりもなかった。

 けれど、暁也は佑一の傍にいて、少しずつ今の佑一を知るたびに、ひどい振られ方をして怒っていた気持ちが少しずつ融けていって……
 という感じの話でした。

 ひどい別れ方をしたカップルが、再会して付き合うまでの話がセンチメンタルに描かれています。
 こんなにもこんなにも離れていても想いあえることなんてそんなにないと思うから、もう少し、どっちかがさっさと折れたらよかったのになー……と思うけれど。
 佑一は暁也は自分の隣にいない方が幸せだと思ってるし。
 暁也は佑一の気持ちがわかってないから、言うにいえなかったのかもしれいないですね。

 なんにせよ、センチメンタルなお話が好きな方にはオススメします。

1

生徒×教師再会モノ、禁断の愛!

高校教師だった祐一〔受〕は、生徒の暁也に口説かれに口説かれてついに禁断の愛に落ちてしまいます。
蜜月も束の間で、彼らの関係が暁也の母親の知るところとなり、その母親に言われるままに祐一は暁也を突き放して、彼を捨てる形で別れます。

そして6年後、祐一は教師を辞め江戸友禅作家(江戸友禅なんてあるんですねー、この作品を読んで初めて知りましたですよ)として弟子と息子の晃と共に暮らしています。
そんな祐一の前にホストとなった暁也が現れ、強引に家へと転がり込んできちゃう。
祐一に捨てられた過去をまだ忘れられないでいる暁也と、実は暁也をずっと忘れられないでいた祐一。
祐一は息子の晃を可愛がってるんですが、それは息子だという他にも理由があって。
お互いに忘れられないでいた2人の想いが通じるシーンが読んでいて気持ち良かったです。
伏線もしっかり生きてたし、展開も読み手を引き付ける展開で、時折彼らの視点が変わって書かれている所も良かったですな。
面白かったです。
そしてスピンオフを読んでから、こちらを読み返すとこの可愛かった晃がーーーって気分になって二度楽しめますですよ、はい。

0

そんなに思い続けるくらいなら

サクサクっと読むには程よい作品でした。
ワタシの軽い脳にはちょうどいいョ´Д`)ヘヘ
お話の始まりは、突然の再会。
そのとき二人は、教師と生徒の関係だった。
年下の生徒からの告白。めげない態度に落ちた。
ほだされた形での始まりであったとはいえ、愛をはぐくむのに時間はかからなかったのだが、その生徒さんの母親に関係がばれてしまう。
将来、家を継ぐ息子を手放して欲しいと懇願され、先生は酷い言い方をして分かれてしまう。それから数年。
偶然の再会を果たした彼は、あの頃とは大きく変わってしまった・・のか!?
なお話であります。
というか、お子さん出てきた地点で、なんだよぉ・・・結局別れたすぐ子供とか作ってんのかよぉ・・・と
攻と同じ考え方をしてしまったのは私の頭がお子様だからなのでしょう。
面白かったです。変にかんぐらないで読むのが一番ですねb
実は、こういう想いがあって、こぉなって、こうなった
の、パズルが最後カチっと嵌る感じが心地よい。
攻は、先生に振られたあと、はちゃめちゃになって行ったわけですが
ここはあえて不能になり~な展開も面白いかも・・とこっそり思ってしまった。
・・・そうなると、ネタがひとつつぶれちゃうんだけど。
起承転結はしっかりしているので面白かったです。
お子様~が大きくなってからの話もあるようなので、早くよみたい!
にしても
お子様との戯れシーンが全体とおしてホノボノしてていいな~

0

面白かったんです。

面白かった気がするんですが…。
読んで数日経つと、既にストーリーの大枠しか覚えていなくて、「あれ?面白かったよね?」とか自分に問いかけている感じで、なんかちょっと不思議です。
わりと読んだお話はしっかり覚えてる方なんだけどなぁ…。

けど、確かに読んでいるときは「面白いじゃん」と思っていました。
とにかく受けが独りよがりでうざい!
攻めは大人になってもガキのまんま!
なのになんか、ついつい応援してあげたくなっちゃう、馬鹿者たちでした。

受けが過去に身を引いたこと、そのことを今でも引きずっていることは、凄く分かるし切ないです。
その時はそうするしかないよね。だって教師だもんね…。

だけど、再会して攻めがすでに勘当されているって分かった後で拒む理由は分かりませんでした。
もう親と関係ないんなら、障害はないじゃん!

子供のことがあるからだろうなぁ。子供の教育上よろしくないもんなぁ。
と漠然と思っていたんですが、理由が聞いてビックリ「子供を身代わりにした自分は醜い云々」だったので、ちょっとガッカリです。
そこまで行くと、可哀相の押し売りな気がして面倒くさいしウザイ。
なのに、なんか面倒なんだけどほっとけない感じがするのが不思議でしょうがない受けです。

攻めも攻めで、すっかり転落したヒモ男かと思いきや(というか、それは確かなんですが)「自分が子供の頃寂しい思いをしたから」とかなんとかで変にイイ人で、微妙。もっとやさぐれてて良いのになぁ。
そもそも失恋くらいでここまで身を持ち崩すってのもどうなんだろう。
その時期にいろんなことが重なったっていうんなら分かるんだけども。
けど良いよ。カッコいいんだもん。どうやったって悪者になりきれなくて、そんだけ一途ならもう、突っ走ったら良いよ。
と、なんだかんだで応援したくなる、馬鹿な子ほど可愛い感じの攻めでした。

あ!
嫁が!!!
すっごい良い女でした~♪
好きだなぁ、こういう女性も、受けとの関係も、あと、BLの中での扱い方も。
一方的に悪者や当て馬にされがちな「女性」ですが、この作品の彼女は主役張って良いくらいの男前でした!

っていうか。
スピンオフのお話でも思ったんですが、このお話に攻め目線は要らなくね?
たった2箇所。
交互に展開してお互いのすれ違いっぷりやらを見るんならアリですが、たったの2箇所!
それホントに要るの?
そこで「実は攻めが良い奴だ」ってことをアピールされるんですが、そんなの受けと一緒の目線で攻めの言動から感じ取りたいものです。


…と、ツッコミどころは満載なんです。
なのに、何故か面白い!
この方の他の作品を読んだときにも似たような感想を持ったので、もしかするとこの方の持つ「勢い」とか「テンション」が凄く私の好みと合っているのかもしれません。

地の文でも相変わらずときどき引っかかるんですよ。
「ん?」と思わず目や思考が止まっちゃう文章とかあって、本来ならそれだけでめっちゃ読む気やテンションが下がって「作品台無し!」ってなっちゃうところなんですが。
この方の作品だと何故か「また来た!ほら私、必殺流し読み発動!」みたいな感じで、うま~く回避して、いかに引っかかりを覚えず先に進むかって術を身に着けつつあります。
たぶん、「文章で引っかかるのは大嫌いなんだけど、だからって捨てるのはもったいない作品」という認定を私の頭がしているんだと思います。

「絵が嫌いだけどストーリーが好きで、総じて好きな漫画」ってのと同じ意味合いなのかもしれませんが、私はこの方「文章は嫌いだけどストーリーは好きで、総じて好きな作家さん」みたいです。

子供ちゃん×お弟子さん編も読んでみます。

0

ユギさんの描く攻めが好きです

あれ?以前別の漫画家さんの攻めが好き、とも書いた気が。。。
ま、いっかw
このところ、かなりのんびりながら
「挿絵で楽しむ山田ユギ」フェア開催中です^^

この作品の攻・暁也は、ヴィジュアル的には私のツボど真ん中!
表紙のちょっと愁いを帯びた表情にドキドキしながら読み始めました。

お話は、6年前にひどく傷つけて別れた暁也と偶然再会した佑一が
暁也への思いをまだ抱えている自分と葛藤しながら
自分に恨みの気持ちしか向けて来ない暁也に向き合っていく
みたいな感じなんですが。。。

読み始めから、晃は佑一の子供じゃないのかな?
とは思ってましたけど。。。
晃の出生にはそんな秘密があったのか!とちょっとびっくり。
ここまで来ると、ちょっとヤンデレ?って感じですが
6年前の別れの真相を考えると、仕方なかったのかな、とも思えました。

結構ラストギリギリまで
6年前にすれ違った時のまま誤解が解けずにイライラさせられます。
しかし、佑一の元妻の不用意な一言で暁也が佑一の嘘に気づき
それをキッカケに佑一が6年前の真実を一気に明かすんですが
もうすこし引っぱって欲しかったかなぁw
イライラが一気に晴れたけど、その分印象が薄れちゃった感じでした。

でも、性格的には難アリだったけど暁也はやっぱりかっこよかったし(イラストがw)
晃もすげー可愛かったし
初めて読む作家さんでしたが、充分楽しませて頂きました^^

0

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