Mさんのレビュー一覧

生徒会長は今日も憂鬱 小説

森本あき  サマミヤアカザ 

ちょっとしっとり

 秋実は、庶民なのに名門私立校の生徒会長を務めさせられていた。
 それというのも、副会長を務める家柄も人柄も申し分ないカリスマ・長春が、生徒会長を辞退し、秋実を生徒会長に指名したからだ。しかも「さるお方のご落胤」と嘘までついて。
 秋実は、それがあまり長春のことを好きではない自分に対するイジワルなのだと思っていた。
 そしてそのまま一年が過ぎようとしていた。
 生徒会の最後の仕事であり集大…

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法医学者と刑事の相性 小説

愁堂れな  高階佑 

大人な話。

 法医学者の冬城の元に、「今こそお前の罪を償うときだ」という脅迫状が届く。
 冬城は、十人いれば十人ともが「美しい」と形容する美貌の持ち主だが、中身は所属する研究室で一番の男前。
 そんな冬城を心配する助手が、警察に連絡をし、一人の警官が捜査に訪れた。
 よれたスーツに無精ひげの刑事・江夏がやってきても、自分の腕に絶対の自信を持つ冬城は、「俺がミスをするはずがない」と怜悧な表情で、その脅迫状…

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アンビバレンスな素肌 小説

水城薫  沢路きえ 

細かいところが気になる……

 便利屋に勤める浩之が、その依頼先で出会ったのは、長身美麗なのに超粗忽物な森山だった。
 妻と別れ、一人暮らしをするという森山の引越し作業を手伝った浩之だが、依然、どこかで彼に会ったような気がしてしょうがない。
 けれどそれを森山に告げると、意外な激しさでそれを否定する。
 ところが、浩之が通う剣道場で、なぜか自分の師匠と親しげに話している森山を見てしまい、浩之は更に混乱してしまう。
 し…

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目を閉じればいつかの海 小説

崎谷はるひ  おおや和美 

わかっていてもやめられない

 湘南のカフェレストランの雇われ店長・藤木聖司には、十九歳の時に一方的に、恋人へ別れを告げた過去があった。
 それはエリートへの道を約束されている相手・嘉悦政秀の将来を思った藤木が告げた、あえて露悪的な別れだったが、その十年後、嘉悦が偶然、藤木の店を訪れたことで、ふたりは奇しくも再会してしまう。
 だが「お前を忘れられなかった」と告げる嘉悦の左薬指に、藤木はプラチナのリングを見つけてしまう………

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純愛ポートレイト 小説

崎谷はるひ  タカツキノボル 

二つ目の話が好きです!

 写真学科に通う美大生・篠原亮祐は、バイト先のコンビニに毎晩訪れる真面目そうな会社員(実は隠れ美形)を気に入り、毎日見るのを楽しみにしていた。
 そんなある日、酔ってやってきていた彼・小井博巳が戻してしまい、それを介抱したことがきっかけで、亮祐は彼をモデルに写真を撮らせてほしい、と頼む。
 それというのも、課題である人物写真をうまく撮れず、困り果てていたのだ。
 レンズ越しに素の博巳と向き合…

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白雨 小説

真崎ひかる  陵クミコ 

歳月を経て

 水沢那智は焼き菓子店を経営している。
 そんな焼き菓子店にある日、閉店間際になって一万円を握り締め、「全部ください」という男の子が現れる。
 そんな日が2、3日続いた後、水沢は不思議に思って、「保護者を連れておいで」と告げる。
 すると、保護者として現れたのは、水沢のかつての恋人・加賀有隆だった。
 高校時代に、ひょんなことから関係を持った水沢と加賀は抱き合わずにはいられないほどにお互い…

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弟のくせに生意気だ! 小説

藤崎都  水名瀬雅良 

押せ押せな弟

 交番勤務の警察官である湊は、2年ぶりに留学から帰国した血の繋がらない弟である孝平に押し倒されていた。
 それというのも、孝平が出国する前に告白され、その時に「自分の身長を追い越したら何でもしていい」という約束を孝平と交わしてしまったからだった。
 帰国した孝平は湊の身長を軽く追い越し、体格も力もまったく敵わないくらいに成長しており、冗談じゃないと湊は抵抗するものの、「兄貴のくせに約束を破るの…

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経験させてよ! 小説

天野かづき  こうじま奈月 

教えたつもりが??

 大学生の日向は気乗りしない合コンで地味でダサイ他校の大学生・上総と出会う。
 ひょんなことから、二人で合コンを抜け出し、上総の家に行くことになった日向は、上総を自分好みのイマドキ男子に変身させるべく指導することになり、「指導」の名目で、キスどころかエッチまでしてしまう。
 その後も、何事もなく指導を続けるが、磨いてみれば上総は素材は最上級、その上、覚えも早く、瞬く間に最高物件にまで成長してし…

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シングルファーザーも恋をする 小説

日向唯稀  砂河深紅 

最後はやっぱり?

 22歳の佐藤は、唯一の肉親だった姉夫婦の忘れ形見を引き取り、働きながら必死に育てていた。
 見た目は大学生のような佐藤だったが、中身はすっかり甥っ子のママでパパだった。
 堅実に勤め日々を暮らし、色恋沙汰には目もくれず突っ走ってきた佐藤。
 そんな佐藤が営業をかけた先は、佐藤の勤める中小の建材会社では普通は見向きもされないような大手の建設会社・宇崎建設。
 そこでは「ラビットハウス」とい…

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奪われる白衣の麗人 小説

桂生青依  桜川園子 

無理やりから始まって……

 義父に言われるがまま、小児科医の夏来が届け物をしに訪ねた先にいたのは、ヤクザの若頭・相模。
 そこで夏来は義父に、借金のカタに相模に売られたことを知り、そのまま相模に抱かれてしまう。
 そのまま、「一緒に住め」と命じてくる相模に、夏来はそれを拒絶し続けるも、脅迫まがいの行為で、結局は同居を強いられる。
 以来、「嫌だ」とは想いつつも、相模の淫蕩な愛撫に感じさせられてしまい、徐々に身体を変え…

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