マキヲさんのレビュー一覧

九尾狐家妃譚~仔猫の褥~ 小説

鈴木あみ  コウキ。 

スーパー攻様気取り

基本的に八緒(受)の視点で進み、たまーに焔来(攻)の視点がインサートされる感じで描かれたお話です。鈴木あみさんのモフモフ作品は初めて読みましたが、獣人(?)に関する説明がほとんどなく、時代設定もよく分からないので、世界観という意味ではなんだか最後までぼんやりしていて残念でした。

ニュアンスで理解した限りでは、人間は存在しない獣人だけの世界で、舞台は日本っぽい土地で、時代設定としては大正時代と…

0

甘くなくても 小説

火崎勇  朝南かつみ 

終盤までしんどかった

シナリオとしては、萌える前に萎えるタイプの作品でした。攻のやったことは普通に強姦(男性同士なので暴行?)だし、被害者である受の一人称で書かれているものだから、終盤のタネ明かしまでずーっと傷ついてモヤモヤ苛々しているような雰囲気で、正直しんどかったです。

受(主人公)の外川は、内心ではそれなりに傲慢なところがあるものの仕事には真摯に取り組んでいる真面目な男で、営業マンとしての実力もあります。実…

1

POLLINATION(新装版) 小説

木原音瀬  金ひかる 

ラストシーンが印象的

「WEED」「FLOWER」に続くシリーズ三部作の第三作です。評価は「中立」…も、違う気がするのですが、萌えたかどうかで言うと全く萌えなかったので「中立」で。

今作「POLLINATION」まで読んで、前二作は今作のためのプロローグだったのかなと思いました。谷脇がどういう男で(どういうクズで)、なぜ佑哉に固執するのか、若宮とどんな過去があったのか――その辺を整理しておくための存在だったのかも…

6

狗神の花嫁 小説

樋口美沙緒  高星麻子 

主人公が好きになれない…

「そうだ。花嫁モノを読もう」と思い立って、タイトルに「花嫁」と入っている作品で検索した結果、一番ポイントの高かったこちらの作品を読んでみました。

結果、私の評価は「中立」でした。一番印象的だったのは狗神のもとにいた仔狐(?)の茜がとっても可愛かったことです。ちみっこに弱い…。

私の場合、期待したほど萌えなかったのは偏に主人公の比呂にあまり魅力を感じなかったことが原因かと思います。境遇と…

3

恋愛革命 小説

海賀卓子  葛西リカコ 

その「男」はどっち?

初読みの作家さんでした。新人さんかな?と思って読み始めたものの、読んでいるうちに、確固たる個性が感じられる文体だなーと思い直しました。…結構ベテランの作家さんだったのですね。失礼しました。あとがきに「久しぶりにノベルスを書いた」とあったのがなんだか微笑ましかったです。

とある理由で貧乏学生ライフを送る20歳の虎之介と、虎之介に好意を寄せる同級生・結の兄である瑞希のお話です。婚約者に裏切られて…

2

高機能系オキタの社員食堂 小説

今城けい  みずかねりょう 

良く言えばスローペース、悪く言えば…

最近読んだ作品の中でダントツに間延びした印象の作品でした。良く言えばスローペース、悪く言えばテンポが悪い。主人公である沖田(攻)の視点で進みますが () で表現される心の台詞が多すぎて、今城けいさんってこんな文体だったかなー?と不思議に思いながら読みました。

商社に勤める沖田は、会社の管理栄養士である安芸に健康管理を担当してもらった縁で、彼にすっかり懐いている――というところから物語が始まり…

3

ファミリー・レポート 小説

一咲  ひなこ 

一体いつの間に?

子育てBLは結構読んでいますが、家事も大して得意ではなくどちらかというと粗野な印象の男前なタイプの受という設定は初めて読みました。攻の「嫁」ではなくあくまで同性のパートナーというポジションで育児に参加する感じは良かったと思います。水野の子である葵はとても健気で可愛かったです。

全編が主人公の瀬名(受)の視点で書かれているせいか水野(攻)の心境の変化がイマイチ分からなかったので、ストレートの彼…

5

竜王は花嫁の虜 小説

成瀬かの  宮城とおこ 

びっくりするほど何もしていない主人公

成瀬かのさんの作品を読むのは数作目ですが、たまに「この作品の萌えのピークはどこだったのだろう…」と思ってモヤモヤする作品に出会います。大雑把にBL作品のテンプレとしてはクライマックスのセックスシーンがそれに当たるとして、それとは別に(そのシーンに繋がるための)精神的な恋愛の盛り上がりがある作品が個人的には感情移入しやすく萌えやすいのですが、この作品では大したロジックもなく主人公(受)が攻に対して「…

4

がんじがらめの気持ち 小説

佐伯真魚  遠藤りさを 

縄師×ウリセンボーイ

縄師×ウリセンボーイの、耽美でありながらハードコアな雰囲気の作品でした。

あらすじでは、凛の憧れの人が自分の父親であることを知ってショックを受ける縛斗…という展開のようですが、それはお話のメインではなく、ストレートの縛斗とゲイでバリウケの凛が非日常的な――彼らにとっては極めて日常的な日々を過ごして恋に落ちるという甘めの物語です。

うーん…私にはちょっとハードルが高かったかなぁ。縄師のお…

0

すき 小説

月村奎  麻々原絵里依 

悪くないが

新人作家の瑛斗が片思いしているのは担当編集者である井上。冷静沈着で包容力があり編集者としても頼りになる彼を一途に想っている瑛斗ですが、些細な失言ですでに自分の恋心は井上本人にバレた上にきっちり振られている…というなんともギクシャクした関係の二人のお話です。ちょっとしたことから井上に小さな娘がいることを知った瑛斗はそのことにショックを受けつつも、娘・萌々香とも仲良くなって井上との距離が縮まることに喜…

2
PAGE TOP