POLLINATION(新装版)

POLLINATION(新装版)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×28
  • 萌2
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
7
得点
96
評価数
25
平均
4 / 5
神率
44%
著者
 
イラスト
 
媒体
BL小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
価格
¥900(税抜)  ¥972(税込)
ISBN
9784862632098

あらすじ

谷脇の勤務する病院に急患が運び込まれてきた。
怪我をしたその少年・佑哉の幼く頼りなげな顔立ちに、心を激しく揺さぶられたかつての恋人を思いだした谷脇だったが、佑哉に治療を施そうとしたものの、触れることすら強く拒絶されてしまい…。
佑哉サイドからの書き下ろし続編「NEED」が同時収録。
シリーズ三部作連動の番外ショート書き下ろしも収録!
ビッグヒットシリーズの最終巻が新装版で登場。
愛や恋、そういう気持ちを二人で覚えていこう──。

表題作POLLINATION(新装版)

冷血ドクター
自閉症な15歳

その他の収録作品

  • NEED
  • Passed by~scene 3

評価・レビューする

レビュー投稿数7

愛にはいろいろな形があっていい

前作「FLOWER」で、恋人の松本を失って初めて愛に気付いた谷脇。急患で手術した自閉症の少年・佑哉に松本の面影を感じて、行き場のない彼を引き取り暮らし始めます。初めは松本の身代わりだったのに、気づけば扱いの難しい佑哉の世話を焼き、可愛く思い始めて。しかし、谷脇が佑哉自身を愛していると気付いた途端、佑哉は谷脇の元を逃げ出してしまいます。

以前、私は自閉症のお子さんの特性について知る機会がありました。この作品を読み、彼らの行動についてようやく腑に落ちた部分が多々あり、木原さんの入念な取材姿勢に感嘆しました。
抽象的な感情を理解できない佑哉という人物を通して描きたかったことは何か。口絵のイラストにある佑哉のセリフ、「思いやりは、なんですか」、「優しさは、なんですか」、「愛は、なんですか」。その問いかけを描きたかったのではないかと思いました。
佑哉は、自分の中に芽生えた谷脇への愛情を理解できなくて一度は谷脇の元を逃げ出すのですが、考えてみれば、恋愛感情というのはひどく曖昧で、苦しい時もあるため、そういう感情の浮き沈みに耐えられない人がいるのは不思議ではないのかもしれません。思いやり、優しさも、愛と同様、目に見えず、それが何かと問われたら、簡単に説明するのは難しいことに気付きます。

ヒントかなと思ったのが、佑哉の大学の顔見知りの金髪男・加藤の言葉。「大切にされてたら、一般的に嬉しいもんなんよ」。大切にされたら嬉しい、だから自分も相手を大切にしたい。優しくされたら嬉しいから、優しくしたい。愛されたら嬉しいから、愛したい。嬉しいと言う気持ちが、思いやりや優しさ、愛の出発点なのかもしれないなと思いました。
でも、佑哉は加藤の言葉が理解できません。加藤に「お前は谷脇に大切にされている」と言われ、大切にされると苦しいなら、『苦しみ』が『好き』ということなのか?と、分からなくなってしまいます。

その後、谷脇が風邪で寝込んで、佑哉に小さな変化が生まれます。佑哉は、再び谷脇と暮らすようになってから毎晩セックスすることを習慣にしていたので、寝込む谷脇の服を脱がせるのですが、だるそうな谷脇を見て、今は『しない方がいいのかもしれない』と考えます。それが思いやりや優しさと分からなくて、そして谷脇が自分にとって何なのか知りたくて、「思いやりは、なんですか」「優しさは、なんですか」「愛は、なんですか」と問うのです。

谷脇の「知りたかったら、俺のそばにいればいい」という返事が、谷脇の成長を感じさせてグッときました。男も女も欲望のままに弄んできた谷脇が、こんなことをいう日が来るなんて。佑哉が自分を好きになるのは砂漠の中で探し物をするようなものだから、気軽にやっていこう。そんな大きな気持ちで佑哉と一緒にいることにした谷脇が、すごくいい男に思えました。佑哉の身の回りの世話をし、同じ質問を10回以上繰り返す佑哉に、細かなニュアンスを変えて応える谷脇は、もうスパダリの域に到達している気がします。

松本の墓参りの後、谷脇は切なくなって佑哉の胸に顔を押し付けます。佑哉は、砂場で泣く子どもが母親に抱きしめられていた姿を思い出し、谷脇の頭を撫でてやります。そして、谷脇が切ないとき自分はそばにいないといけないと思うのです。心で感じるのではなく、形から入る独特のアプローチ。それでも谷脇は慰められたでしょう。少しずつですが、佑哉なりに谷脇に近づいています。
希望が感じられるラストに、愛にはいろいろな形があっていいと、しみじみ思いました。

タイトルのPOLLINAIONとは、植物の受粉のこと。佑哉は、谷脇と自分の行為は男同士で雄蕊と雌蕊じゃないから、セックスじゃないと固く言い張ります。タイトルと共に、谷脇と佑哉の物語は忘れられないものになりました。

1

ラストシーンが印象的

「WEED」「FLOWER」に続くシリーズ三部作の第三作です。評価は「中立」…も、違う気がするのですが、萌えたかどうかで言うと全く萌えなかったので「中立」で。

今作「POLLINATION」まで読んで、前二作は今作のためのプロローグだったのかなと思いました。谷脇がどういう男で(どういうクズで)、なぜ佑哉に固執するのか、若宮とどんな過去があったのか――その辺を整理しておくための存在だったのかも。

谷脇は最後までクズで、ちっとも「良い人」ではないです。打算的で傲慢で清々しいほどに嫌な男です。そんな彼が佑哉に自ら捕らわれてしまって、佑哉に振り回される人生を選んだ…というところに、この作品のおかしみがあるように思いました。

ラストシーンがとても印象的でした。谷脇にとって、そして佑哉にとっても光明となりますよう…祈るような気持ちで読み終えました。評価が難しいシリーズで「誰が読んでも面白いはず」とは絶対に言えない作品ですが、へこたれそうになったときは谷脇と佑哉の奮闘ぶりを思い出して前向きな気持ちになろうと思います。

0

BLかと言われると疑問ですが

裸ん坊3部作のラストを飾るのは、最低人間谷脇と自閉症の少年佑哉。
勝手気ままで冷血漢。傲慢で鼻持ちならない、人として終わってる谷脇が、ちっとも自分の思い通りにいかない佑哉相手に必死になる様は見物でした。

前作で松本が不憫すぎたので、今作の谷脇見てると哀れみよりも先に谷脇ざまぁ(ぷっ)と思っちゃうんですが、読み進めていくと、何だかとてつもなくせつない展開が待ってて大変でした。
もう、なんというか……佑哉も色々と可哀想だなと思う面もあるんですが、谷脇が可哀想になってくるという不思議展開です。
アレ? 何で私、こんなゲス男に同情してるんだろう? と首を傾げてしまうんですが、一体どこから同情してたのかすらも分からないほど夢中になって読みました。

途中から、谷脇の中で佑哉が松本の身代わりでなくなってくるんですが、このへんのくだりが凄くよくできていて、圧巻です。
本物の愛を漸く見つけられそうな谷脇と、その愛が一体どんなものかすら理解をすることが出来ない佑哉が、紆余曲折あってなんとか一緒に歩み始めるところで物語は終わりを迎えますが、読後感は一言では言い表せないような満足感。

考えさせられるなぁ……という感じ。
谷脇は相変わらず嫌な男なのだけど、ただの嫌な男で終わらないところが素晴らしかったです。

2

谷脇は谷脇のまま、だけど

 ずっと読みたいと思っていた3部作の完結編。ようやく手に入りました。
前作「FLOWER」で松本を失って、おそらく人生で初めて、後悔の涙を流したはずの谷脇だけど、改心という言葉は彼の辞書には存在しなかった。性懲りもなく、医師の特権を濫用して自分の患者に手をつける。それも15歳の高校生。どこか松本に似た面影の彼、佑哉には自閉症があり、独自のルールに沿って構築された強固な内面世界は他人を容易に受け付けない。谷脇も激しく拒まれ、意思の疎通すら困難な状況なのに、かえって佑哉への執着を募らせてゆく。

 谷脇、病んでます。ひょっとすると明確な病名のついた佑哉より深く。下手に医師という社会的に評価の高い職に就いてるだけ尚更、その歪みは表には表れず、奥底で負のエネルギーをためこんでいる。そうと知らず近づく人々を傷つけ、返す刀で自分自身も切り刻んでいるようなものなのに自分でもどうにもできない。
 
 佑哉を引き取り、丹念に身の回りの世話を焼く谷脇。親元に引き取られた後も、北海道まで会いにゆく谷脇。その献身も情熱も佑哉に感謝されることはない。それを承知の上で、なお佑哉を求め続ける。

 表紙の2人の姿を見ても、すがりついているのはむしろ谷脇の方。頭を垂れ、何かを請うているようでもある。

 タイトルの「POLLINATION」は「受粉」。「雄蕊と雄蕊は受粉しない、無駄です」と佑哉は彼らしく切って捨てていたけれど、谷脇はどうだろう。佑哉の病状も谷脇の人間性も、ある日を境に劇的に改善するという類のものではない。だけど一見何も生み出すもののないような関係でも、積み重ねてゆけば必ず何か伝わるものはある。愛と希望に満ち溢れた大団円とはいかないけれど、かすかに光の気配は感じられる結末でした。

3

大好きなシリーズになった

裸ん坊シリーズ最終巻「POLLINATION」=植物受粉
最初は何ぞやと思ったけど読み終えてちょっと理解できた気がします。

非常に繊細で難しいテーマだったと思います。あの人間とも思えない愚かな谷脇が自閉症の少年と出会ってどう変わるのか、どう自閉症が描かれるのかドキドキちょっと不安を抱えながら読みました。

松本を失ってから改善されるだろうと思われていた谷脇の行為はほぼ改善されることはなく次に目を付けたのは自閉症の少年。自分に見向きもしない佑哉を無理やり自分の部屋に住まわせて身体の関係をもたせる。性懲りもないどうしようもない愚か者ですよホントに。
でも、確実に佑哉と出会って少しづつですが谷脇が変化していきます。松本の存在も影響があったように思われます。この豹変っぷりにビックリでした。今まで本気で人を想ったことがなかった谷脇が他人のために自分の手を煩わせるような行動を取っちゃうわけですからね。

自分の手から離れていった佑哉を必死に追いかける姿も度肝抜かれました。谷脇の根源的な厭味なところは抜けていませんがホントに谷脇が丸くなりました。にしても、こんだけ多くの人を傷つけて愛してくれる人を亡くしても“人を想う、愛すること”に気付けなかったってホントに愚かだよ谷脇。

「NEED」は大学生になった佑哉視点でお話が進みます。
皆さんも描いていらっしゃいますがラストの佑哉の『愛は、なんですか』と問いかけるシーンがやはり一番印象深い。谷脇の『知りたかったら、俺のそばにいればいい』という答えも感慨深いですね。乱菊さんと同様に私も谷脇自身も知りたいことだろうなと思いました。
確かに『愛』とは何だろうって究極の質問で、たぶんこの先定義づけられることってないだろうし、人間が永遠に問い続けても明確な答えってないものはない。谷脇と佑哉にとっての『愛』はこれから死ぬまで探し続けることでしょうね^^
それとこの「NEED」では自閉症の方に対する接し方ってどうあるべきなんだろうという、木原さん自身のメッセージも含まれていたのかなと思いました。

評価はこの裸ん坊シリーズ3作品通しての“神”です。3作品に収録された「Passed by~scene 1,2,3」もすごく良かったです。3作品に登場したキャラがそれぞれ違う時空間で絡み合ってて素敵なお話があったんだなと、救われた感がありました。

COLDシリーズ同様大好きなシリーズになりそうです♪

2

愛は、なんですか

「WEED」「FLOWER」に続くシリーズ最終巻となる「POLLINATION」。
前作に引き続き冷血悪徳医師、谷脇伸一が主人公である。
遊びのつもりで付き合っていた松本朗に死なれ、生まれて初めて底のない喪失感を味わった谷脇が、次に心を奪われたのはなんと自閉症を患っている鈴木佑哉という少年だった。
松本の時もそうだったが、自分になびかない人間をモノにするのが谷脇の趣味のようで、今回も傍に近寄られるのも拒否するその少年を自宅マンションに住まわせるという強引さ。
本当に懲りない男である。
しかし押し倒せば力いっぱい抵抗され、優しい言葉をかけても無視をされ、何をどうしても自分のものにならない佑哉に、谷脇はひどく執着してゆく。

こんな滅茶苦茶な関係からラブが生まれるのかと思いきや、その辺りの力技は木原音瀬の得意分野。
佑哉は心に他人を受け入れる行為が出来なかったために、自分に入りこもうとした谷脇を拒絶していたのだが、本能は谷脇を欲していたわけで・・・そのギャップにものすごく混乱していたわけである。
そしてふと思ったのだが、なんのことはない、谷脇も佑哉と同じく自分の全てを飲み込んでくれる他人の存在が、ただ怖かっただけなんではなかろうか・・・と。
だから自分には入り込ませないし、入り込まない。
でも本当は他人の心に興味があるから、のぞいてみたい。
その欲求が人の心を操ったり弄ぶという、歪んだ形になってしまったんではなかろうかと。
そう思うと憐れな男である。
物語の最後、「愛は、なんですか」と問う佑哉に「知りたかったら、俺のそばにいればいい」と谷脇は答える。
しかしこれって、誰よりも谷脇自身が知りたい答えなんじゃないだろうか。

帯のキャッチは「恋を知る。」。
この先、佑哉によって満たされる度に、谷脇は松本へ対して行った仕打ちを思い出し、絶望するに違いない。
そして絶望の淵で佑哉の存在は次第に大きくなる。
恋はきっとその先にあるんだろう。

7

どうなる?

谷脇よ、お主懲りなさ過ぎないか・・・。
ガッツがある人だなぁ…。
自閉症の子が最終的なお相手だとは驚きです。自分はリアルでも自閉症の子を何人も見てきたのですが…ちょっと違うかもしれないけれど、愛という複雑な感情を受け止められないのだなぁと…思ってしまった。
最後出した答えが「愛はなんですか」の問いに「俺の傍にいれば分かる」って切ない…。
でも、それしかないんですよ。愛してるって何万回言っても今は伝わらないから。
…これはどうなっていくんだろう…。
谷脇…頑張って…すげぇ応援してしまう。
最低な奴だけど応援しちゃうよ。頑張れー!

自閉症の子ってキラキラしたのが好きですよね。
作中でも金髪のチャラ男・加藤君の金髪を触りまくる佑哉が可愛いw

3

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