イラストあり・電子限定ショートストーリーつき
受の瀬名はゲイであることを家族にカミングアウトしたが理解されず縁を切られ、一生一緒にいたいと願った恋人にも重いと捨てられた過去があります。おまけにキツい物言いで友達もおらず会社も不当解雇され、お先真っ暗状態。
そんな瀬名ですがちゃんと幼い頃に愛し愛されることを経験しているため根底に愛する力があるのです。愛されることを知っている人は、たとえ誰からも愛されていなくとも他者に自らの愛を与えることができると感じました。
攻めの子供を優しく包む姿は読んでいてすごくほっこりします。子供への接し方も、かわいい冗談を言ったり大袈裟に喜んでみたり、本当に可愛くて頬が緩みます。攻とも喧嘩しつつ(受はすごく口が悪いし思ったことをズバズバ言う!そこも最高)徐々に距離を縮め、3人で疑似家族のようになっていくのです。
そんなほっこりなストーリ展開にうっすらと漂うのは、ゲイである自分は2人と家族にはなれない、いつか消えなければならないという諦観にも似た感情です。
洗濯物を畳みながら受けは自分が小さな衣類を畳む日が来るとは思わなかったと自嘲します。
愛する人と結ばれ家族になり新しい命を宿すこと、いわゆる普通の幸せには参加できないことをふと思い出し、踏みとどまる。
その姿も自虐的な「どうせ俺なんて…」と言う感じではなく、達観していて、自らの立ち位置を間違えないように生きている感じが切ないです。
そんな受に攻は惹かれるのですが、攻とその子供のことを思うからこそ自分のいるところに来たらいけないと身を引く様にはすごく胸を打たれました。
最後の2人の気持ちが通じた後の初夜はホントに大人の男の色気が溢れてて一つ一つの所作に好きが爆発してて最高でした。受がめちゃくちゃ男前で痺れます。
この作品は2人だけの物語じゃなくて3人で家族になるところが最高だなと思います。
続編を読むのが今から楽しみです。
本書が初のオリジナル作品となるらしい作家さんのデビュー作。
子育てモノで、男前な受けと朴念仁な攻めとのテンポのよい掛け合いが大変楽しい一冊です。
あらすじ:
勤めていた会社を不当解雇されたエンジニア・瀬名(受け・27歳)は、偶然出会った幼い女の子を保護。
父親の水野(攻め・30代)は、妻に逃げられたばかりで、多忙のため娘に全く構ってやれない救命医。
彼に頼まれ、再就職先が見つかるまでシッター兼ハウスキーパーとして働くことに…
瀬名は、言い方がキツすぎるため周囲から敬遠されがちですが、根は一本筋の通った良い男。
初対面の幼女を保護して、子どもを放っておいた父親を説教する等、ちょっとお節介ですが面倒見の良い人物です。
そんな瀬名、実はゲイで、親にカミングアウトとして勘当されたという過去が。
それでも今まで自分に愛情をかけて育ててくれた両親に感謝しており、家族の幸せを踏みにじってしまったことに罪悪感を抱いています。
そういう自身の経験も踏まえて、水野と娘を仲良くさせようと一生懸命になっています。
水野は見た目は瀬名好みの男前で、優秀な救命医。
しかしプライベートでは異様に情緒に乏しく、しょっちゅう瀬名に「ポンコツ」呼ばわりされています。
親に言われるがまま医者になり、妻に言われるがまま結婚し…という人生に何の疑問も持っておらず、
娘を大切に思っているものの、接し方が分からず、悪気なく放任主義的な育て方をしています。
ある日水野に告白される瀬名ですが、自分のようなゲイが家族に介入してはいけないと身を引き…というすれ違い展開。
再就職が決まったこと、娘が多忙な水野より自分の方に懐きつつこともあり、水野一家から離れることを決意します。
娘がきっかけで再び顔を合わせ、何やかんやで恋人同士に…という流れは盛り上がりには欠けますが、大人同士の落ち着いたやり取りには萌えました。
初Hでの瀬名の男前受けっぷりも素晴らしく、瀬名に好きと言われたい水野も可愛かったです。
瀬名が特定の恋人を作らなかった理由はもう少し掘り下げてほしかったし、
水野がもう少し娘に対してパパらしくなったところも見たかったですが、
全体としては「ゲイとノンケの恋愛」と「子育て」という二つのテーマが丁寧に描かれた良作かと思います。
次回作も大変楽しみな作家さんです。
4歳の女の子を夜に保護するあたり、
いくら親切心でも現実ではアウトかもしれませんが
春樹の家族観がきっちりしていて
女の子・葵のいじらしい姿に
何度も涙をこぼしてしまいました…。
いくら物分かりが良くてもそこはまだまだ小さい子どもですからね。
子育てあるある、懐かしさも感じました☆
元々子ども好きだったわけでもなく
料理上手だったわけでもない春樹が
葵の為に奮闘してくれて頑張っていました!
ちょっと言葉は強めですが
言う事は正論だし結局優しいので
こういうタイプの受けが大好きな私は非常に滾りましたよ!!
過去の恋愛と家族との軋轢を抱えたまま
職まで失ってしまって気の毒でしたが
そうでなければ水野と葵と出逢うこともなかったでしょうから…。
水野のポンコツぶり、想像以上で驚きました。
言葉足らずにもほどがあるし
救命救急医がいくら尊いお仕事とはいえ
自分の娘にあんな寂しい気持ちにさせるなんて…と
腹立たしさを覚えましたが
春樹が真正面から向き合ってくれて
ようやく父親として再スタートをきる事が出来、安心です。
春樹を否定せず、同情ではなく愛へと育っていった想いは
表しきれない感謝も含まれているんだろうなぁ。
出会いからすでにケンカ腰の二人、
お互いの言い分は勿論わかるので
これからどんな風に歩み寄っていくんだろうと
非常にわくわくしながら読ませていただきました!!
生まれて初めてのオリジナルBL作品だなんて思えないくらい
読み応えがありましたし
キャラブレも感じず素晴らしかったので
私の中で作家買い決定です!!
子育て物でやはり攻め様である子供のお父さんは、
どうも子育ても全然だし奥さんには逃げられてしまっている状態で
人としてのコミニケーションも、おいおい(;´∀`)って感じの方
受け様の方はズケズケものを言ってしまうタイプで正義感は強いタイプだと思うのですが
周りからは煙たがられちゃうタイプ
健気な感じはなく男前で、男として自立している方ですw
攻め様は奥さんに逃げられ子供の世話をする人がいない
受け様は仕事をクビになり今後の生活を考えながらも、
子供をほおっておけず世話をすることになるのですが
やはり子供は可愛かった!
受け様の料理の奮闘もあったし
最終的にはハッピーホモエンドですが
子供の事を良くしてくれて、自分の事も気にかけてくれる受け様の事を
口が足らない攻め様が好きになるのもまあうなずけますw
社交性がないせいで会社をクビになった瀬名(受け)は、夜の公園で1人遊ぶ幼女を見かける。口の悪い自分になぜか懐く女の子を放っておけず保護したところ、翌日迎えにきた救命医の父親・水野(攻め)にシッターとしてスカウトされ、女の子の世話をすることになったが…。
ありがちながらも楽しそうなストーリーだったのですが、文章の大げさなところ、受け攻めのあまりにも欠如した社交性が受け入れづらかったです。
受けは、そういう性格なので仕方ないですが、攻めをポンコツって罵るところがどうも受け付けない。子供の前で父親をバカにした口調で罵っておいて、子供が父親より自分に懐くので困ったり、子供が父親をあまり敬わないのを悩んだり…子供を父親に懐かせたいんだったらもうちょっと気を遣えば? と思います。
セリフのやり取りも、「は?」ってセリフが頻出。あといちいち変なこと言われて呆然としたり、反応が大げさというか演技くさい。
ツンデレというより脊椎反射的に悪態を吐く、頻繁に逆切れする受けの性格が好きになれず、そんな受けに懐く女の子も、そんな受けに惹かれる攻めも、受けに粘着するストーカーのことも理解できなかった。
よかった点は、女の子が可愛かったことと、攻めがこういう話にありがちな包容力タイプじゃなく残念キャラで新鮮だったこと。
エッチも、ゲイ受けがちゃんと準備をしてきたことがバレて恥ずかしがったり、なかなか萌えました。