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表題作オレを拾ってください

テディベアを捨てた会社員 田中
行くあてがなくテディベアになりました 熊田

同時収録作品ハニーシトロン 前・後編

同時収録作品熱帯植物系男子

高校三年生 貴志
2年の従弟 榎本純

同時収録作品手をつないでどこまでも

会社員の恋人 田中
春から会社員の同居恋人 熊田

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

行くあてもなくゴミ捨て場に座り込んでいた熊田は、クマのぬいぐるみ拾いにきた田中を騙し、「クマ」として拾われていくが――!?

(出版社より)

作品情報

作品名
オレを拾ってください
著者
日高あすま 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス・リンクスコレクション
発売日
ISBN
9784344826557
3.1

(6)

(0)

萌々

(3)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
18
評価数
6
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

あやうい美しさ

この作家さんの作品を読むのはこれが2冊目です。
以前読んだ「スノーブロッサム」の時もちょっと懐かしいような好きな絵柄だなと思っていたのですが、今回は更に好みの絵になってて嬉しい発見をしました。
全部で3組のカップルのお話が収録されているのですが、みんな全く違う環境で、それぞれのお話を楽しむことが出来ました。

表題作は表紙の優しげな雰囲気そのままのお話で、ぽわ~とした雰囲気のお話です。
この作家さんの絵柄は、10代後半の少年から若者へと成長する男の子の儚げであやうい美しさを表現するにはぴったりだと思うのですが、登場人物たちがその美しさだけではなく、芯の強さも持っているのが魅力的でした。
絵がとても上手だと思うのですが、心温まるお話だったり切ないお話だったりと、ストーリーでも読ませてくれる作家さんです。

1

騙し騙され癒されて

この作家さんの描く雰囲気が好きです☆
切なさも優しさも、何げに淡々とした表現で表されるのが何だか心地よいのです。
それに物足りなさはありません。
今回は、ほっこりするおはなしと、1本少しヤンデレのチョッピリ痛いおはなしがMIXされています。

表題は、親に見放されて売りをしながら生きてきた青年・熊田が住み込みの仕事先の店主と不倫していたのを妻に見つかり、身一つで追い出され途方にくれている場面から始まります。
ゴミ捨て場にかわいいテディベアのぬいぐるみが捨ててあるのを見つけます。
まだ綺麗なのにと抱き上げたとき、話しかけてきた通りすがりの少女に上げてしまいます。
そこへ、捨てた主である田中という男がベアをもう一度取り戻しにやってきます。
捨てた事情を聞いた熊田は衣食を確保するため、テディベアが人間に変わった姿なんだとウソの自分を説明し、それを間に受けた田中は熊田を家へ連れ帰ります。
熊田をクマミと呼ぶ田中と、クマミになりすました熊田の生活は思いもかけず続くのですが、熊田がそれに罪悪感を覚えた頃、ベアを田中にプレゼントした元カノがベアを返せと言ってきます。
もう潮時だと思った熊田は、真実を暴露するのですが・・・
淋しがり同士の、それが故の騙し合い生活は決して虚構にみちたものでなく、二人に安らぎを与えていました。
田中、お前ヘテロだろ?という突っ込みは胸に収めて(w)
ただ、二人の優しさに心が温かくなります。
その後の二人が【手をつないでどこまでも】になります。
田中と暮らし始めて2ヶ月。
就職先も決まり春から働き始める熊田は家事をしていますが、そこで血液のついたような田中のシャツを発見します。
おりしもニュースで障害事件の犯人逃走のニュースが流れていて熊田は、もしや田中が!?と疑います。
田中を守るために、ギクシャクする熊田が見ものです(笑)
こんな健気でかわいい熊田が田中は愛おしくて♪
甘い甘い後日談でしたv

【ハニーシトロン】
高校の美術部で出会い、同じ美術学校に進学した先輩と後輩。
後輩は、先輩だけを見て、先輩が好きだという。
その意味が友達の好きでないとわかったとき、先輩は後輩に「友達である後輩を返せよ!」という言葉をぶつけてしまいます。
しばらく距離をおいたある日、後輩が話しかけてきて、いつものように友達関係が復活します。
だけど先輩は・・・
距離を置いたことで見えてくる気持ち。
親友モノによくある設定ですが、先輩の戸惑いと、その後の気持ちの変化がゆっくりと描けていて、早急感がないのがよかったです。
もちろん、年下はワンコです♪

【熱帯植物系男子】
同じ学校に通っている年下の従弟が、学校の先生と噂になっているのを聞いた年上の従弟はそれを確かめに従弟が所属している生物部が使っている温室に彼を訪ねる。
そこで、年上の従弟は年下の従弟の独白を聞き、彼に絡め取られる。
ウツボカズラやラフレシアをイメージさせらる魔性の男子校生(?)
年上の従弟は、のがれられなかった昆虫だろうか?
ちょっと異質な作品でした。

かわいいだけじゃない、とても魅力のある作品と作家さんです。

1

メルヘンチックに恋をする

受け様はその日暮らしみたいに、誰かの囲い者になったりウリをしていた事が
あったりと、痛い日々を過ごしている設定なんですが、なんだかほんわかしてます。
そして、住み込みで働いていた店のオーナーと抱き合っていた時に奥さんにバレて
シュラバって身一つで追い出されて、いつの間にかゴミ置き場に座ってる。
でもそこには先客のテディベアが捨てられてて、捨てられたもの同士同じだと受け様は
抱きしめていたが、小さな女の子にテディベアだけ拾われて受け様は残される。
そこへ、テディベアを捨てた攻め様がやって来て、受け様は自分がそのテディベアで
何故か人間になってしまったと言って攻め様に拾ってもらう。

そこからテディベアが擬人化したようなフリをしながら攻め様と暮らすようになり、
次第に肉体関係の無い穏やかな日々に癒され、でも攻め様を騙していることに罪悪感も
出てきたりして、好みじゃ無い相手に恋心を抱いてしまうお話なんですが、
騙してるつもりが騙されてもいた、互いに一人で痛くない寂しい時に出会った。
本気で攻め様が受け様をテディベアだと思っているなんて考えてる受け様って・・・
なんかとっても可愛いしロマンティストなんだろうと思う。
それを受ける形の攻め様の擬人化プレイだと思っていたには笑えます。
いつの間にか育っていた恋が実るハッピー系のストーリーでした。

1

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