銀の雫の降る都

銀の雫の降る都
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神45
  • 萌×214
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

276

レビュー数
8
得点
306
評価数
69件
平均
4.5 / 5
神率
65.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
リンクスロマンス(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥850(税抜)  ¥918(税込)
ISBN
9784344827851

あらすじ

あと数年しか生きられない病気のカレルは、内陸部の市場で売られていた少年トワを買い取ってユーリスと名前を与えるが……。

表題作銀の雫の降る都

ユーリス・アラヤ(カレルに買い取られた剣闘士)
カレル・エサイアス卿(エイドリア辺境伯)

その他の収録作品

  • 瑠璃と玻璃と銀の蜜

評価・レビューする

レビュー投稿数8

儚い、綺麗なお話

ずっと気になっていたかわい先生をようやく読めました。
静かな文章で紡がれる日常が素敵でした。

あと少ししか生きられないカレルが、少年剣士ユーリスを買い取ります。ユーリスが日々の日常の中で、だんだんとカレルに惹かれていくのですが、その描写が素敵なんです!
ユーリスが好きになってその人のために頑張るところや、恋に対しての向き合い方や、形で残るものをプレゼントとか、純粋さがとにかく可愛い。
カレルも、最初は毎日を静かに過ごして、日常に対しての執着がなかったんですが、ユーリスに想われ、想い、少しずつ毎日を大事に過ごします。

静かで美しいお話でした。ただ、萌萌にしたのは、甘くなってからの日々をもう少し読みたかったということ。それから、クローンに意識や大事な日々の思い出が映されているとはいえ、悲しすぎました。儚いからこそのお話ですが、もっともっと、カレル自身に幸せになってほしかったです。

1

読みたかったんです

ずっと前から読みたくて、なかなか手に入れられずやっと読めました。
美しいカバー絵。内容をそのまんま表してると思います。
ファンタジー好きにはたまらん。
いや、そりゃ色々思うところはありますが、それを全部いいやっと思わせるぐらい、この穏やかな愛情が好き〜。
攻めさんが頑張って待って、最後多分幸せになったろうと思うのですが、
ほんと号泣。ティッシュ何枚使ったことやら(笑)
二人いつまでも穏やかにお幸せに と願わずにはおれません。
また、リカコ先生の絵の美しさったら、最高です。
もともと好きな先生でしたが、この絵は反則です。
私にとっては一生もんの一冊になりました!

3

湿っぽさや重々しさがもっと欲しかった

設定とかは大好きです。主従関係、剣闘士、一途な攻め…。

でも、感動したり泣けたりってのがなく…。

気まぐれで拾ったユーリスが、やがて主であるカレルに劣情を抱く。賞金を費やした豪華な指輪を渡すも、人から愛されることに慣れていないカレルの反応は…。
暴動が起こり、ユーリスが身を挺して守ってくれたこた、また寂しさなどから、カレルはユーリスに口付けをする。

カレルが、自分の命を削ると分かっていながら、ユーリスを誘う場面とか、今際の際で遺言を伝える場面。
それらのシーンが、やや淡々と描かれていたのがとても残念でした。

記憶チップのおかげで、クローンのカレルは再びユーリスを愛するんでしょうけど、オリジナルとはやはり違うと思うので、それも淋しい。

1

静寂に流れる時の中で見つけた一つの愛

二人の始めての出会いが孫とお爺ちゃまの年齢差。。。
と言ってもそもそも寿命の違うで違う生物と言うから比較になりませんけどね 。

この二人、普通なら生涯交わることなく終わるはずでしたが、偶然に出会いお互いを支え慈しむために存在することになるのです。

****** ネタバレ過ぎるので以降は未読の方は読まないでくださいね。******

大国の名門家の生まれでありながら遺伝子の異常によって極端に短命で寿命(500年)まで生きられないために廃嫡され辺境の地の執政官となったカレル。
彼は、生きる楽しみもなくただ命が尽きる日までを淡々と務めを全うし日常を過ごしているというのがすごく哀しげでせめて共に語らう相手でもいたらいいのにと考えてしまいます。
剣闘士の少年は傭兵や護衛など剣闘の腕を売っている一族だったためそれ以外の生き方を知らないのです。
カレルはほんの気まぐれで引き取ることになった少年剣闘士にユーリスという名を与えます。
やがて闘技会で優勝した時に求めた褒賞がカレルの胸元を飾った花でカレルの護衛になりたいと言い出すまで同じ屋敷に暮らしながらも何年もほとんど接点の続きないまま静かに時が流れます。
お互いを特別に意識することもなくいつになったら二人の感情がわからないまま読み進めて行くのはとても興味深く向き合うまで長く時間がかかりました。
潜水艇での海中散歩を楽しむ2人や、うっかりカレルの花弁の浮かぶ入浴タイムを目にしてしまい赤面してしまうユーリスのシーンが好きです。

視察中に暴動に巻き込まれたとき、カレルは初めて暴力や死の恐怖を感じたのでしょう。
そしてユーリスの手の温もりや安心感を知ったとき恋しい想いを自覚したのだと思います。
でもまだその感情に名前をつけることは知らずにいるのですけれど。

カレルの寝具の枕元に闘技場で優勝した時のユーリスの3D写真が飾ってあり、「やくたいもないものだ」といいながらも嬉しそうで、とても大切にしているらしいことが伝わって来ました。
カレルの体力が落ち命の尽きる時が近づいてくる描写を読むのがとても辛かったです。
生きることも死ぬこともどうでもいいことのように思っていたカレルがユーリスのために行きたいと思えた時にはもう残された時がわずかになってしまったのですから。
最後の時みっともない姿を見せたくないというカレルの意向を汲んでお別れを言った後は会いに来ず顔も見ないユーリスの気持ちが健気です。

続編の『瑠璃と玻璃と銀の蜜』では、クローンとして帰ってきたカレルが記録されたメモリチップからでなく二人だけが知っている思い出が蘇った描写があってよかったです。
クローンとして体は再生しても心や魂の部分では別の人格なのだから記録した過去を脳にコピーしてもやっぱりカレルが帰って来たと言えるのか考えてしまいましたが、ちゃんと魂はユーリスの元に戻って来られたんだなと思えたので私にとってはいい終わり方だったと思います。

3

じわじわ浸透するように。

葛西さんの絵がステキで表紙に惹かれてかってしまいました。
いや、あらすじも読んで面白そうだなと思ったから買ったんですけど、ちゃんと読んでなかったのかSFだって気づいてなかった!
読んでみたらSFな感じで驚いちゃったり。

物語は偶然の出会いから始まって。
気まぐれのようにほんの些細な流れでそばに置くことになって。
結果的に置くことにはなったけれど、なんとなく感じる熱い視線はあるもののそれから先に進展するでもなく。
ホント、もうずっと読んでてこのまま2人の関係は永遠に片想いの形のまま終わってしまうんじゃないだろうかと不安さえ覚えました。
というのも、カレルの心情がなかなか見えてこないから。
ずっと日陰の身のような暮らしをしてきたカレルには恋愛感情のようなものが乏しくて。
誰かにそうして愛されることもなく育ってきたことで愛することもないままに日々をただいつか消えてなくなる日へと向かって送っているような。
そんな中でユーリスと在ることで徐々にその熱に絆されるというか次第にそういう感情を呼び起こされるというか。
それでも最初の展開は本当に危機迫ったところでだったけれども続き
ようやく芽吹いていき人間らしくなっていくようなカレルが印象的でした。
立場的なこともあるからだろうけど、カレルの方から誘うのもいいなぁ。
えちシーン自体もこの物語の雰囲気を壊さない描かれ方で素敵でした。
自分を残したくなかったカレルがユーリスのために、自分のためにとクローン胚を使うことを支持したり変わっていく姿がユーリスへの深い愛から成るものだと思うとなかなか素直な言葉を口にしなかったカレルだけれどとても大きな愛を捧げていたのだなと思いました。
「…私はお前を、ずいぶん待たせてしまっただろうか」という言葉がとても印象的でした。
今度はユーリスが眠りにつく時まで2人寄り添って幸せに暮らしてほしいです。

8

同じ人間には思えない

方や500才くらいの寿命がある選ばれた人種と文明水準が千年も遅れているような
地域で暮らす人間との気まぐれな思いから始まる出会い。
これだけ寿命が違うと同じ人間同士とは思えないファンタジーなのですが、
老成した大国出身の受け様は、近代医療でも治す事の出来ない病を持っていて、
受け様の生まれた国でも異質で排除されるべき存在なんです。
それは老成した大国が優生学を良しとしている為に遺伝子に不具合がある受け様は
誰からも愛される事も無く、逆に蔑まれたり憐れまれたりして来た為に、
他人を傍に置く事が煩わしいと思っているのです。

それでも、受け様は大国の名家の長子なので、病の為にわずかに残された命が消えるまで
文明保護地区の攻め様の住む場所の統治と言う肩書で赴任しているのですが、
神が人間を見守るだけで口は出さないような雰囲気ににているような設定です。

そして攻め様の国では人身売買が当たり前のように行われていて、攻め様は剣闘士として
売りに出されていたところに受け様の気まぐれで売買が取りやめになり、攻め様は
受け様に買われるような状態になるが、受け様はお金を出し続きて攻め様を国に帰そうとする。
しかし、売買は攻め様の意思でもあり、剣闘士としての誇りからおめおめと国へ帰る事が
出来ないと、受け様の元で生活するようになる。
攻め様が13歳、受け様がこの地に赴任して来てから既に70年経っているからビックリ。
それでも外見も若いままで変わらない受け様はプラチナ銀髪の美形で片眼鏡をしてる。

受け様の感覚だと13歳は本当に小さな子供、それは寿命がそもそも違うからなのですが
受け様は自分の生い立ちなどで気まぐれに攻め様を手に入れる事になるのですが、
受け様は攻め様に色々なことを教わりながら成長して、いつしか受け様に対しての
思いが確実に育っているが、受け様にとっては恋愛自体が病のために始めから考えもしない
ことなので、初めて攻め様の気持ちを知った時から戸惑いや、自身の身体のことで
攻め様の気持ちに応えようとすることすら考えていない。

それが次第に少しずつ攻め様を愛しいと思い、更にいつ失っても構わないと思っていた
己の命を、攻め様の為にもう少しと思ってしまうくらいに愛情が育つ。
攻め様の願いを叶え、抱き合い体温を感じる行為は、受け様の寿命を縮める事に。
クローンが同じ人間なのか、愛し合った記憶を受けこめば本人になるのかと考えると
微妙な気がしないでもないのですが、何をハッピーエンドと見るかで感想も変わる、
そんな気分にさせられる作品でもありました。

13

全体の雰囲気に酔う話

一読し某作家さん2名の某SFファンタジーBLが似ている感じがすると思われました。
作者さんは、今回は萩尾望都「マージナル」の辺境伯へのオマージュということを描かれておりましたが、もうすでにマージナルが忘却のかなたの作品なので再読してみないことには比較のしようがありません。
さておき、とてもゆっくりとした時の流れの、とてもきれいでとても優しいお話だったと思います。
ただ、冒頭の入り。
こういったSFや異国設定などにはその状況の説明が最初にあることが大半ですが、作者さん力がはいりすぎたのか二度ほど繰り返してしまったり説明が重複して大変にくどくなっている部分が見受けられ、そこがつまずきました。
しかし、子供の剣闘士をカレルが通常なら干渉しないということで放っておくものをその時ばかりは例外の行動をしたことに端を発するのち改名してユーリスとなるアラヤ族の剣士の子供との出会いからは、
そのカレルの世界にどんどんと引き込まれていきます。

名家に生まれながら遺伝子に欠損を持ち廃嫡され本来あるべき場所でない辺境の土地エイドリアの執政官になった理由。
しかし、彼はそれなりにゆったりと責続き務を果たす時を過ごしていたのです。
彼がアラヤ族の少年をそばに置いたのは何だったのでしょうか?
ただ「運命」といつものような簡単な言葉で言い切ってしまうと身もふたもない情緒もないのでありますが、
このちょっとしたいつもと違う行動というのが、彼らの命に生き方に変化と愛をもたらし、そして一人の人を愛する心を育てるきっかけになったというのは、いつもの時代きっと恋とはそんなもの・・・その時点では恋ではなくても。

風景描写がとてもきれいです。
目の前にその景色が浮かびます。
そしてサンタンドールのカレルの城からの眺めや部屋の景色など、
後登場する鳥かごと青い鳥。
すべてに白金もしくは銀色とブルーを連想させる統一感があふれ、市井の原色のあふれかえる風景との対比をさせています。

彼らの心や恋愛については触れますまい。
ただ、静かに涙があふれるのを止めることはできませんでした。

しかし、これが「神」評価かというとそのあたりはすみません、シビアにさせてもらいます。
いい話だった。とても素敵だった。ではあります。SFといっても全く難しくなく非常にわかりやすい設定で誰もが入りやすいおとぎ話になっていました。この点はよかったのだと思います。
ただ自分自身が、最初から酔ってしまえる程にロマンチストにはなりきれなかったということでしょうか。

10

茶鬼

このレビューのどこに傲慢さがあるのか教えてください。
好きで読んでいるのに勝手にレビューを書くためだけに読むって、決めつけないでください。
あなたのコメントのほうがよほど傲慢です

もものすけ

説明が重複って…、ちゃんと読まれてるのかな?
けっして、同じ内容の描写がされてたわけではありません。きちんと読めば、そんなことすぐにわかることだと思いますが、流し読みでもされてたんですかね。
レビュー数の多い方のようですが、レビューを書くためだけにに読むのは作者さんにも失礼だと思います。
自分が作家に「神」評価を与えてやってるんだ、みたいな傲慢さがあるレビューだなと思いました。

静かに美しく紡がれる物語……

高度な文明と科学の老成した大国レーモスが統治するエイドリアは、
未だ未開な文明のままの大地だ。
ここに執政官として赴任して70年、エイドリア辺境伯カレル・エサイアス卿は
赴任してきた28歳の頃の容姿のまま、まるで人生を消費するようにして生きている。

君臨すれども統治せず、という姿勢で現地のことには殆ど関与せずにきたカレルだが
ある日視察先の内陸の街で、何の気まぐれか売買されていた年若い剣闘士を買い取る。

片目尻に刺青を入れた彼の名は、トワ。
剣技を誇る少数民族の出身で、この地では一人前とも見なされる13歳だった。
自由にするから里に帰れと伝えるも、男としての名折れなのでそれはできないと拒むトワに
カレルはユーリスと名前を与え、自分の邸に連れ帰る。
教育を与え、しかし特になにをさせるでもなく、ただ好きなようにさせて日々が過ぎる中、
彼は剣闘士として立派な青年に育ち、美しいカレルに強い憧れを抱くようになる。

                 :

SFでありながら、エイドリアの風物はアフリカ北岸を思わせ、
辺境伯、モノクル、剣闘士、主従、執事…と、続き
私のツボをついてくる設定がてんこ盛りのこの物語。
あと書きで作者が、萩尾望都先生作『マージナル』のメイヤードへのオマージュと書いているが、
然り。

とびきりの名家に生まれ、人並みはずれて聡明でありながら、遺伝に瑕疵を持ち、
運命を諦め人と関わろうとせずに生きて来たカレルに、
一途で純粋で見返りを求めない想いを向けるユーリス。

剣闘士として優勝した折りに与えられる副賞の宝冠の代わりに、
カレルの胸を飾っていた薔薇のブートニアを望むユーリス…、ああっ!
そして今やどんな栄華も思いのままの彼が望んだのは、カレルの護衛になることだった。
しかし、彼の想いを上手く受け取れないカレル。

淡々と紡がれて行く物語に、ずっと胸がギュン!と深いところから締め付けられる。
やがてカレルもユーリスのひたむきな想いに心溶かされ、笑顔が見られるようになり、
地方視察の際に暴動に巻き込まれたのをきっかけに二人の距離は縮まるが、
彼の寿命はもう尽きようとしていた……

まるでカレル自身のように、静かに美しく紡がれる、切ないファンタジー。
とても好き!!

最後のSS「瑠璃と玻璃と銀の蜜」は、静かながらやさしく甘いお話。

21

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