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久我有加先生の、可愛らしい和風ファンタジー・:*+.
先生初めてのケモミミ攻めとのこと。ぴこぴこ動く狼耳が可愛かった☺︎
Kindle Unlimitedにて拝読しました。
久我先生ならではの軽快な大阪弁が耳に心地よい、
山神さま×森林学科の大学1年生の婚姻譚です。
ほぼ10年前の作品ですが、素敵な作品は
本当に色褪せないんだなあ…としみじみ感じる、癒しのお話でした☺︎
主人公は大学一年生の穂高(ほだか・受け)。
山奥にある亡き祖酒母の家を整理しに訪れる途中、
お腹を空かせて倒れていた大きな犬に、おにぎりを与えます。
するとその後、祖父母の家へ辿り着いた穂高のもとへ
「自分は山神だ」と名乗る大柄・黒髪長髪の男性が訪ねてきます。
そんな話は信じられず、悪戯心のわいた穂高が
コスプレ(だと思いこんだ)その男性のケモミミに
触ると、「なんちゅうことしてくれたんや!」と男は狼狽、
自分と穂高は結婚しなければならない、と言い出しー
と続きます。
狼耳のぴょこっと飛び出た山神さま・颯(はやて・攻め)も
カッコ可愛いんですが、その眷属的存在・
スズメのクリとマメの2羽がとんでもなく可愛くて可愛くて!
作品の中の大きな癒しでした(*´˘`*)
可愛いだけじゃなく、穂高がピンチに陥ったときには
怒ってムカデを使役しちゃったりする、頼もしいところも。
突然神様に「嫁入りせよ」と言われて戸惑いまくる穂高ですが
(そりゃそうだ)、颯の慈しむような目、態度、優しさに
どんどん惹かれていく様子が手に取るように分かり、
「もう、黙って結婚しちゃいなっ」とムズムズ、
背中を押す気持ちでワクワク読み進めました。
初めての気持ちに戸惑っているのは
攻めの颯の方も同じで、それゆえの誤解も生じ、
ちょっとしたピンチも訪れるのですが…
颯爽と表れて穂高を救い出す颯、
そして穂高の告白に関西弁で答える&応える様が
男前!!!
祝言をあげる二人、白無垢姿が穂高にとてもよく似合っていて
金ひかる先生のイラストを見ながら幸せな気持ちに浸りました。
(表紙イラストも白無垢姿ですね୨୧)
悪役なんだろうなー、と思っていた狢(むじな)が、
単純な”黒”ではなく彼には彼なりの事情があり、
全くの悪人ではなかったところも、個人的”グッとくる”ポイント。
穂高を拐い縛り付けながらも、
傷つけないようタオルを巻いて…という配慮が見られ、
憎めず意外にも(?)好感の持てるキャラでした。
大学でしっかり勉強したいから嫁入りはできないー
この穂高の決心はどうなるの!?とハラハラしていましたが、
そうくるか!と、山神さまの男気溢れる決断に納得。
夫の通い婚、アリ寄りのアリ!!(*´∀`*)
これから二人、人の少なくなった山里を守りながら
末長く幸せに暮らしていくんだろうな。
人の子姿になったスズメちゃんたちも
ほんわか可愛く、癒しのラストでした✨
しかし、人間の穂高と神様の颯とでは
寿命の違いがあるかと思うのですが、
そのへん、どうなんでしょうか。
とちょっと気になったり。
本編では特に触れられていませんでしたが…
なんとなく、穂高は次第に神様に近い存在になり
悲しい別れなどなく暮らしていけるんじゃなかろうか...
と思っています。
久我先生の新刊がもう拝読できないのは
本当に今も悲しくてなかなか気持ち的に受け止めきれないのですが、、
先生の御本、未読のものも既読のものも、
大切に大切に読んでいきたいと思います。
ファンタジーだけど、地に足が着いてて作家さんらしい作品だなぁと思いました。
最新号の小説charaに、作家さん直筆インタビューが掲載されているんだけど、「自分の作風を一言で言うと?」という質問に久我さんは「地味」と一言答えていらっしゃるんですね。
読んでて思わず吹いてしまったのだけど。
この作品も山神様×人間という組み合わせで、何も知らずに受けがうっかり攻めの耳を触ったら「耳を触ったから俺と婚姻だ」と理解できない言いかがりをつけられて、神様の元へ嫁ぐ羽目になりかける受け……という荒唐無稽な出だしなので、もっとぶっ飛んだファンタジーかと思いきやそうではないところに、誠実で真面目な作家さんのお人柄が伺えます。
そもそも攻めはもっと強引な俺様かと思ったんですよ。
攻めは山神様で、信奉する村人もいなくなったせいで力を失いつつあるんです。
信仰心のある人間と交わることが神力を取り戻す手っ取り早い方法なので、有無を言わさずに受けを抱いちゃうのかと思いきや、受けの気持ちが自分の方向を向くまで待つ。
なんていい人‥‥(神様か)
そして「大学で勉強したいことがあるから」という理由で嫁任命を断る受け。
山奥の祖父母のもとをしばしば訪ねていた受けは、山神様への信仰心というものが自然と育っているんですね。
だからこそ荒れ果てた里山に心痛め、将来は里山保全に関わる仕事をしたいと思っている。
そういう意味ではこのうえなく山神様の嫁として最適なんだけど、とりあえず今は勉強したいからと断る受け。
なんと堅実でなんと真面目なの……。
……と、とにかくまぁ攻めと受けが真っ当で好感度大なんです。
脇を彩るキャラ達も良かったです。
特に二羽のスズメのクリちゃんとマメちゃんの愛らしさ。
あれは100人が100人、めちゃかわいい!!判定すると思います。
悪役の留吉ですら憎みきれない。
印象に残ったところは、留吉に対して山神様が「今回は許すけど、次やったら次は食い殺す」と言うのを聞いて、受けが
「山神様は守ってくださることもあれば、祟ることもある。全ては行い次第、心掛け次第や。」とかつての祖父の言葉を思い出すんですね。
山神様は守り神でもあり、時には恐ろしい存在にもなる。
そこがいかにも日本の神様という感じで、良かったです。
久しぶりに亡き祖父母の家のある山を訪れた穂高(受け)は、山の祠で弱っていた大きな狼を助けた。その夜、穂高の元を長身の和服の男が訪ねてくる。お腹がすいているようだったので、食べさせてあげようと米を炊いていたら、目を離した隙に男の頭には獣耳が生えていた。まさか本物だとは思わずいたずら心で触ってみたら、その男・颯(攻め)は狼姿で助けてもらった山神で、耳を触られたからには自分と婚姻を結ばなければならないと言い出し…。
人狼タイプの山神様攻めと、素朴で気の優しい大学生の受けです。
こういう神様×人間のカップリングのBLって、受けが幼い頃に結婚の約束を交わした、などのような昔の因縁的な話が多いですが、この作品は現在の出来事だけで受け攻めが結ばれるので、リアルタイムで2人がくっつく経緯を読めて感情移入しやすかったです。攻めは山神様なので、よく遊びに来ていた受けのことは小さい頃から知っているのですが、その頃からの恋愛感情や執着はありません。あくまで大学生の受けと出会い、突発的な事故(うっかり耳を触っちゃった)が起こって、一から惹かれ合う感じです。
感情移入はしやすいけれど、幼い頃に結婚の約束をした云々の設定のBLと比べたらあっさりしている感はありました。あと今後の寿命の違いなどに触れられていないのはライトすぎる感じ。でも受けはいい子だし、攻めが受けに惹かれる過程に無理はありませんでした。
あとがきで作者さんが受けのことを「オカン」っておっしゃってますが、料理上手で働き者で、公平で欲はなく、人に優しく人ならぬ者にも優しい受けです。少々出来過ぎキャラですがとてもいい子です。せっかく料理上手なのに神様や眷属たちは白米のおむすび(具なし塩なし)が何より大好きという手のかからなさで、受けくんはちょっと宝の持ち腐れ…?
攻めの眷属たちもいい味出してました。猪やコウモリ、ムジナはともかく(←)、すずめの眷属がとても可愛かった。
エロはとてもよかった。無愛想タイプっぽい攻めの甘々さとムッツリさにかなり萌えました。
久我先生の初モフモフ、神様婚ファンタジーです。
定番というか、この頃、特によく見かけるような気がする、神様と婚姻系のお話ですが、さすが久我先生、登場するキャラがみんな善良です。
まず主人公の穂高が先祖や自然を素直に敬えるとってもいい子。
山神様も強い力は持っているけれど、その力におごり高ぶることなく、力があるからこそ公平であろうとする、本当の意味での山の守り神。
山神様の眷属の薫や太郎も善良で忠実、マメとクリの関西訛りのおしゃべりのかわいさに至っては、もう、完オチです。
一応、小悪党の狢も登場しますが、根っからの性悪で卑しい悪者というわけではありません。
「著者:久我有加&イラスト:金ひかる」私にとってはゴールデンタッグ。
オマケにかわいい雀の眷属まで活躍しちゃうとなれば、ここは奮発して「神」で。