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表紙で時代物?と思ったのですが、現代ものです。この表紙にストーリーがぎゅっと凝縮されています。
小学生の2年間住んでいたことのある地方都市の市役所に勤めることになった光(受け)。
光はその小学生時代に同級生の兼城(攻め)に「嫁になれ」と求婚された過去があります。
昔の話でもう忘れているはずと思っていた光は、結婚の準備万端で待っていた兼城に振り回されます。
この土地で昔はお殿様とされた名家の息子である兼城は、人柄が良く、「若様」と呼ばれ慕われています。そして光に対しては、見事なわんこ振りを発揮します。
周りの人に「俺の嫁」と紹介しようとしたり(言う前に光に止められてしまいますが)、光を溺愛している様子が微笑ましいです。
実は、光がその都市から転校してから大学卒業までの間、密かに光の動向を見張らせていた変態ストーカー(笑)なのですが、許されてしまうのは若様のキャラがなせるワザですね。
当て馬のくだりはありきたりかなぁと思いますが、グッドタイミングで助けにやってくる若様は、まさにヒーロー(水戸黄門?)。かっこいい。
光はキレイな男前ですが、鈍感で、自分の気持ちに気付くのはストーリーのかなり最後のほうなので、ふたりのラブラブは少しだけです。もっとあっても良かったかな~。
ちなみにHも一回だけですが、兼城は小学生の時から光一筋なので、童貞くんです。興奮とドキドキ感が伝わってきました(笑)
若様の周りを固める人物(特にじいと呼ばれる左門と友人の高崎)も良いキャラをしていて、楽しめました。
関西弁も良かったです。
爽快でとても楽しいお話でした!!
久我先生のブログに高崎視点のSSがアップされています。読後にオススメ。
土地の名士の息子×公務員、元高校の同級生同士。
世が世なら殿様、という家系の攻め。小学校のときから受けのことが大好きで、受けにはずっと相手にされてなかったのを、ひたすら押して押して10年後にようやくモノにする、という話。
それまでは困った相手だとしか思っていなかったのに、一緒に仕事をすることになって攻めのことをだんだん好きになっていく受けさんの感情の動きが、しっかり書き込まれていてよかったです。エッチ少なくてやや残念でしたが萌えました。
受けを長年想い続けていても、性欲処理的にほかの男だか女だかと肉体関係は持ってる攻めキャラが多いですが、この若様は童貞です。途中何年も離れていたのになんて一途。そのくせ非童貞である受けの経験にもまったく妬かず「今のままのおまえが好きだ」っていうのも男らしい。町ぐるみで祝福してもらえるし、攻めの身内にも受けの友達にも公認だし、ほほえましくててとてもいい作品でした。
久我先生の作品を読むのは二作品目です。
手に取った動機は、「ルビー文庫創刊23周年フェア」対象作品の1つだったから・・・
そして、幸いなことにこの選択は大正解でした。
読後感もすっきり、悲しいエピソードもなく、またストーリーも設定が一見ハチャメチャに見えて全くそんなことはなく、すじが通っていて矛盾なく全てきれいに丸く収まり、すっきり!!!そんな爽やかで楽しくて幸せなお話でした。
舞台は人口約十万人の住む関西の地方都市。都市名は架空の名称になっていて、「桃栗市」。
かつてそこの大名だった兼城家の影響が未だ色濃く残る町という設定です。(市民たちは兼城家の人達を未だに大名扱いしている)
小学生の2年間、親の転勤で桃栗市の小学校に通っていた光は、同級生でもある兼城家の若様からたいそう気に入られて「嫁にする」と、求婚される日々・・・もちろん光はかたくなに拒否し続けていました。
やがて転校してその地を去った光でしたが、その場しのぎで適当に言った事を忘れて、市職員として桃栗市に戻ってきます。(色々受けたけれども受かったのが桃栗市役所だけだった・・・という理由で)
そこで、兼城と再会し、再び求婚される日々が始まるわけですが・・・
先ず、この若様がえらく格好良くて、私個人的に理想の攻め様でした!!
一途で、光に惚れてからは一切他に目も向けず、振られても、光に彼女が出来ても思い続け・・・もちろん童貞。
しかも家柄は勿論問題なく良くて、財力もあって、育ちも良く(まっすぐに素直で心優しく育っている)、人望も厚く、恋には一直線おバカキャラながらも仕事や桃栗市の将来については先見の明もあり、大変頭も良く実行力もあるやりて・・・と、完璧!!!
受け様は強気美人キャラながらも、基本誠実でまっすぐで、やはり心根は優しくて潔い気持ちの良いキャラで・・・
2人を温かく(?!)見守る周囲の人達のキャラもユニークで愛すべきしあがりになっています。
それに、「桃栗市」は、こんな地方都市が本当にあったら良いのに・・・と心から思える理想的な地方都市。
市役所の職員としての受け様のお仕事っぷりもしっかり描かれていて満足ですし、、若様の祖父が2人の事を祝福するエピソードも、なるほど!!!と納得のいく理由で・・・。
大変気に入った一冊になりました!!!
とある地方都市に転校してきた光は小学四年生にして『若様』と呼ばれる同級生の兼城にプロポーズされてしまう。
それから12年余り、再び転校していった光が就職で桃栗市役所の広報課に配属されたのを機に戻ってきたところで、再会を喜ぶ若様に『嫁』呼ばわりされ続けて周囲にデレまくり。
ちなみに兼城家は、大名制度のあった時代から現代も桃栗市で絶大な勢力を持つ一族だったりする。
それなのに、若様ってば威光を笠に着るところがない。
特産品の普及や地元の知名度アップに力をいれたりと、桃栗市民の将来の為に日々奔走する献身的な姿がしっかりと書かれている。
その姿がいつか光を嫁に迎える時に、相応しい夫になっていようと自分磨きに勤しんで待っていた積み重ねと知って、光も徐々に若様に惹かれていく。
おまけに桃栗市の住民も、普通ならば男性のお嫁さんに『え?』ってなるところを、光が『嫁』だと知っても引く事がない。
若様相手でも特別視しない光の態度に、周りははっとしながらも、すんなりと若様のお嫁さんと認識してそうな雰囲気もまた、若様の人柄のおかげかな。
BLには高ステータス、高スペックな攻めってのは数多くいるが、兼城ほど純粋に人柄や行動力、努力で勝負できるキャラってなかなか貴重な存在だ。
これだけ町おこしとしての物語をガッツリ書いているのに、その町の名士が一目惚れを貫いて同性の心を射止めるまでの様子もきちんと読めるってのがスゴい。
読み進めるにつれて桃栗市の老若男女や光同様に、郷土愛溢れる若様の人情味に惚れる事間違いなし!!
初読の段階では、特に思い入れも感じずに「フーン。おもしろかった」と思って終わった作品なのですが、二度三度、折に触れて読み直していると段々もっともっと好きになってくる、不思議な作品でした。
架空の地方都市を舞台としたお話。
若様と呼ばれる、お殿様の末裔が攻めです。なので俺様キャラかと思いきやそうではない。
恥じるところが何もないので堂々としているだけで、偉そうとは違うのかな、というキャラでした。少なくとも俺様キャラではない。
そんな威風堂々とした攻めが、受けのことが好きで好きで仕方なくて、好かれようと変な努力をしてくるお話。関西弁と相俟ってとてもウザ可愛い。
そして綺麗系の受けは、それを淡々と流す……ように見えて少しずつほだされている。
そんな二人のお話でした。
ストーリー展開は、王道っちゃ王道。
でも受けのことが好きで好きで仕方ない攻めが可愛いので、王道がとても楽しめるお話だと思いました。
ベッドシーンも、攻めの余裕のない様子が「そんなに好きなんだなー」と感じられてひたすら可愛い。
極め付きは、受けとの行為の前に誰かと練習しなかったのかという問いに「そんなん、するわけないやろ。光(受け)としかしたないし、光でしか勃たへん」。
童貞献上ってやっぱイイですね。