運命に翻弄され、許されない相手と惹かれ合うαとΩ――『魂の番』を描いた、オメガバース×異世界ファンタジー!

小説

  • 約束の番 魂の絆 ―オメガバース―

約束の番 魂の絆 ―オメガバース―

yakusoku no tsugai tamashii no kizuna

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表題作約束の番 魂の絆 ―オメガバース―

ユリウス、人身売買を憂うイディア貴族・アルファ
カナタ、アネイシス王国皇太子・オメガ23

その他の収録作品

  • 天使達の集う場所
  • あとがき

あらすじ

遠い昔、ヴォートとエルヴァという二つの種族が憎み合い、衝突し、大きな争いを生んだ。戦火の広がりは止まらず――世界はすべてを失った。荒廃した世界から千二百年、その世界には男女とは別に、α・β・Ωという第二の性が存在していた。種による差別から、αに貶められてきたΩたちは、安息の地を求め【アネイシス王国】という世界唯一のΩの王が統べる国をつくる。アネイシスの王子であるカナタは、Ωの王子として、多くの仲間を救いたいと、αが統べる敵国へ諜報員として潜入することになった。しかしカナタはその国で、理性を凌駕し強く惹かれるαの青年・ユリウスと出会ってしまい――?

作品情報

作品名
約束の番 魂の絆 ―オメガバース―
著者
飯田実樹 
イラスト
円之屋穂積 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344844315
3.4

(10)

(2)

萌々

(2)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
5
得点
32
評価数
10
平均
3.4 / 5
神率
20%

レビュー投稿数5

絵が綺麗 攻より強くてかっこいい受

円之屋穂積 先生の美麗な絵に惹かれて購入 

性種差別反対、攻より強くてかっこいい受
オリジナルバース設定より、
込み入った世界観の蘊蓄が前面に出た内容は、さすが「設定厨」な著者。
fuzzy に読めばいいと思ったけど、1頁読んだら萎えて、2年積読して読了
・・挿絵を頼りに読み進みました 
萌2よりの神 山場がぼけて盛り上がり切れないのが残念。

---
●カナタの親・・本編最後にわかる、悲恋
ハルト:Ω:カナタの母 「謎の国」アネイシス国の王 42才 
フェルナン:α:カナタの父 カナタ誕生前に自死(ユリウスと縁あり) 


ルゥルゥ:カナタを守護 魔力を持つ蒼い幻獣

●運命の番 本国出立前に受けた母の言葉に従い番う
カナタ:Ω:アネイシス国皇太子 母似の美貌 魔力あり 強く活動的
二年限定で救出部隊に編入 ・・イディア国潜入中、番って妊娠

ユリウス・キルヒマン:α:α絶対主義のイディア国王の廃嫡子 義母と仲悪
自国のΩ差別を嫌う 穏やかな癒し系金髪美男 

0

受けさんがかっこいい話

作家さん買いです。

まず最初に、他のレビュアーさんの感想を否定するためのレビューではない、という事だけを言わせてください。
あくまでも「個人」の感想のひとつとして受け取って頂ければ幸いです。

他のレビュアーさんとは違う感想になってしまうのですが、
文章に関しては、ドライな雰囲気は感じました。
感情や行動の表現は簡潔ではあるのですが、足りないと思う事はなかったです。「言葉」とその後の行動がちゃんとフォローしてくれている文章だと思いました。
視点の切り替わりに関しても、視点が切り替わる時にちゃんと区切りがあるので混乱はありませんでした。
ただ、さらりとBLを読みたいなと思う人には少し硬い文章かなという印象はありました。
個人的な感想なのですが、とある翻訳小説(ちるちるさんに掲載されている本です)を読んだ直後にこの本を読んだから「読みやすかった」のかもしれません。


以下、「萌」の評価になってしまった点について。
この本は受けさんがかっこ良すぎて、良い所全て受けさんが対処してしまうんですよね。
攻めさんの「スパダリ」要素を求めてしまうとちょっと「アレ?」と思ってしまうかもしれません。
攻めさんが起こすべきかっこいいシーンを受けさんがやってしまってるんですよね。
逆に言えば、「スパダリな受け」さんを求めている人にはおすすめしたいと思います。
後半は若干急ぎ足な所もありましたが、設定やキャラの「諜報」としての行動など、読み応えはあったと思います。
受けさんが諜報部になる為の訓練の過程や、攻めさんの奴隷解放の思想や攻めさんの「家族」の話、2人が「運命」だと感じた理由、奴隷解放の行動の末の自爆テロの背景をもう少し濃く描いて欲しいなという欲もありました。
だからこそ、攻めさんにはもっと「かっこよく」動いて欲しかったな、とも思いました。

こちらでのレビューは少し控えていたのですが、あと少し読みたい!という気持ちもあり、個人的には楽しめたので久しぶりにレビューさせて頂きました。
十人十色の読み方と感想のひとつとして受け取って頂けたら幸いです。

4

世界観も設定も盛り沢山過ぎるかな

今回は奴隷制度撤廃を目指す大学講師と
オメガだけが住む国の皇太子のお話です。

受様がオメガ救出作戦潜入した国で
魂の番である攻様と出会って結ばれるまでと
二世誕生後の2人を描いた後日談を収録。

この世には男女の性とは別に
アルファ、ベータ、オメガという
第二性が存在します。

アルファはあらゆる面で
すば抜けた能力を有する為に優遇され
各国の王族・貴族階級のほとんどが
アルファと言っても過言ではありません。

ベータは一般的な能力の人間であり
世界の人口の大部分を占めています。

オメガは人口の一割にも満たない
希少な存在ですが
発情期には性別を問わず相手を発情させ
自らも激しい性欲に囚われる為に
低俗な人種と蔑まれていました。

その為にオメガは多くの国で差別され
体罰や性的虐待を受けたり
奴隷として売買されたりしていたのです。

受様の国・アネイシス王国は世界で唯一
オメガの王が治める国です。

オメガである受様の母が建国した国で
国民のほとんどが他国での不幸な境遇から
救出されたオメガとその子供達である事から
他国との交流も断っています。

受様はオメガとして
王を母として生まれた皇太子です。

受様は救い出された子供達の
心の治療や教育に携わりますが

皇太子として守られて育った受様は
救出されてくる子供達と接する中で
彼らが置かれていた実際の世界を知りたい
と望むようになります。

救出部隊として他国に潜入して
1人でも多くのオメガを助け出す力になりたい

救出部隊は他国に潜入する諜報員でもあり、
所属する為には訓練の厳しさ、
一定の期間内の試験合格が求められます。

王は受様の思いを理解して試験に挑む事を許し
受様は寝る間も惜しんで邁進し
1年後に見事に試験に合格してます。

受様は最初の赴任地として
アルファ絶対主義の国であり
オメガを奴隷にする事が合法である
イディア王国へ向かう事となります。

アネイシス王国では
オメガが生きやすい社会を目指し
科学技術の進歩と魔法技術を融合させて
発情を抑制する薬や装置を開発しています。

救出部隊の隊員は
それら技術を駆使してベータに擬態し
一般人に紛れて諜報活動を行い
受様も田舎から出てきたベータ若者
として王都に潜入します。

3月後にイディアでも禁止されている
子供の性奴隷売買の情報を掴み
取引現場と目星をつけた工場に潜り込みます。

ところが受様達が状況確認で対策を練る中で
別口で潜入していたらしいアルファの男が
組織の連中に捉えられて騒然としだします。

この捕まった男こそが今回の攻様です♪

攻様はイディアの奴隷売買に反対して
独自の情報で密売組織を探っていたのです。

騒ぎに乗じて受様達は子供達を救出し
受様は攻様を放っておけずに助けたものの
関わることなくその場を去りますが

数日後に情報を掴んだ
性奴隷売買の仲介人を尾行している時に
同じ男を追う攻様と再会する事となるのです。

再会した攻様は受様を探していたと言い
手を組みたいと言い出すのです。

果たしてアルファである攻様は
受様達の協力者となり得るのか!?

魔法と先進技術が融合する世界で
虐げられているファンタジー色の強い
オメガバースになります♪

受様は建国者である王の子として生まれ
オメガしかいない王国内では感じられない
外の世界のオメガの現実を知りたいと
オメガ救出活動に携わる決意をします。

アルファである攻様は
奴隷制度の撤廃を目指して独自に活動していて
性奴隷として売られるオメガを救出しよう
としていた受様と出会うのです。

攻様は受様との出会いで
奴隷制度の善悪について改めて考える事となり
結果的には受様の協力者となります。

そうして関わっていくうちに
2人はお互いが「魂の番」であることを知り
結ばれるのですが

受様の妊娠の可能性が高まる中、
攻様を狙ったと思しき爆破事件が
発生するのです。

攻様が暗殺の危機を脱して
アネイシス王国で受様と再開するまで
とても楽しく読めました♪

受様が男前なお話が好きなので
攻様がすこしヘタレてても
そういうキャラと思えば性格設定に
違和感は感じなかったです。

ただですね・・・

魔法世界という背景 それに連なる人種の歴史、
オメガだけの住む国という設定、
受様の親の過去と攻様の叔父の過去、
攻様の弟の秘密等々
細かな設定が盛り沢山なのです。

張られた伏線は複雑ながらも
最終的には全て回収されてはいますが
いろいろと盛り込み過ぎていて

オメガバース設定の肝である
つがいの恋愛要素がさらっとしていて
他の裏設定というか伏線回収の要素に
埋もれてしまっている感じがしました。

オメガバースは基本は同じでも
作家さんによる独自設定で
展開が違ってくるというのは有りますが

設定に凝り過ぎて
基本要素があっさりするのでは
本末転倒ではないでしょうかね (^-^A

そういう点から
今回は「萌」評価にとどめます。

今回はファンタジーなオメガバースから
和泉桂さん『灰かぶりの婚姻』は
いかがでしょうか。
オメガバースと御伽噺要素がよく絡んでます。

2

なんかもう、あちこち違和感が大きいです

オメガバース+異世界ファンタジーになります。
国民のほぼ全てがオメガである秘密の国に、その国の皇太子でありながら諜報活動する主人公。
そして、諜報活動中に出会った、敵国の人間で「魂の番」である青年ー。

大筋自体はとても好みなのです。
が、ちょっと個人的に違和感を覚える部分が多くて。
何だろう・・・。
作者さんの好みを優先しすぎて、設定自体が不自然になっちゃってると感じるんですよね。
あと、今回、作者さん初のオメガバース設定で、スランプになられたそうです。
そのせいか、ストーリーどうこう以前に文章がすごく読みづらい。
二段組とボリュームたっぷりですが、やたら単調。
そして両視点になりますが、それぞれの視点が交互にでは無く、一つの文章内で二人の視点が入ると言う、斬新な形。
めっちゃ混乱する!
めっちゃ混乱する!!
私は読み始めると入り込んでしまうタチで、いつもは一気に読み終えちゃうんですよ。
が、今作ではびっくりするくらい時間がかかっちゃって。
何なんでしょうね。
キャラクターに共感出来ないし、文章は読みづらいし、いちいち細かい所で違和感を覚えちゃってイライラする。
好きな作家さんでずっと追ってるのですが、今回はちょっとダメだったなぁ。

内容ですが、アルファ絶対主義のイディア王国の青年・ユリウス×オメガが統べる秘密の国・アネイシスの王子でカナタによる、シリアス寄りのオメガバースでスパイものになります。

迫害されてきたオメガ達が集まり、唯一の安息の国として建国された「アネイシス王国」。
王子であるカナタが、他の国で迫害されているオメガ達を救いたいと決意した所から、お話はスタート。
オメガが性奴隷として扱われる他国に潜入し、救出を行う諜報部隊へ入隊するんですね。
で、イディア王国に入り、ベータに偽装して活動を始めたカナタが、奴隷の解放を訴え活動する青年・ユリウスと出会うー。
カナタ達はユリウスと手を組み、協力してオメガの救出にあたりますが、彼と共に過ごす事で、互いが「魂の番」だと気付いてしまうんですね。
しかし、国や仲間の事を思うと、自分の素性を明かせずー・・・と言うものです。

まずこちら、受けであるカナタが真面目なクールビューティー。
攻めのユリウスがちょい抜けてるけど心優しい青年になります。

こちら、最初から時系列順に、丁寧に物語が進みます。
カナタは諜報部員だけあり、身のこなしなんかが鮮やかで格好いいんですよ。
自分が探っている奴隷売買の仲介人をですね、バレバレな変装でヘタクソに尾行していたユリウス青年。
彼を建物の影に引きずり込み、「何を探っている?」とおどす場面なんか、堂に入っていてとても格好いいんですよ。
スパイものがお好きなら、胸が高鳴るんじゃないでしょうか。

あと、魔術と科学が融合したような独特な世界観だったり、オメガがアルファと同じく、知能が高くて優秀と言う独自設定も面白かったりします。

う~ん・・・。
ただですね、とにかく文章が読みづらい。と言うか単調。
「その時カナタは、悲しいと思った」みたいな。
何だろう・・・。
あまりに直接的すぎて、シラケてしまう。
直接「悲しんでます」と言っちゃうのでは無く、カナタの表情や仕草、状況等で「悲しいんだなぁ」と自然に納得させて欲しいんですよ。
そのへんが描写されて無いため、「あっ、悲しんでたか」と驚いてしまう。

また、そんな感じの文章でエピソードなんかはやたら細かく書かれてるんですよ。
このエピソードは要らなくね?みたいな、日常の事細かな動作まで。
なのに、終盤になるとめちゃくちゃ駆け足。
ペース配分、大事!
ペース配分、大事だから!!

で、あれもこれもと申し訳ないんですが、主役二人が惹かれ合うのが唐突です。
どこに惹かれあったかよく分からないうちに「魂の番」だと番になっちゃう。
そして、「私もユリウスも互いに心から愛し合ってます」とか言い出す。
いつの間に!?とびっくりですよ。

そして、もうこれは設定の根本的な所になっちゃいますが、王子が諜報員ってアリなんかなぁ。
志しは立派ですが、王子には王子にしか出来ない事をすべきだと思う。
主人公を諜報員にしたいなら王子はやめといて、王子にしたいなら別の形でユリウスと出会わせた方がいいと思う・・・。
なんか、王子でありながら諜報員って、(個人的に)無責任感がすごいですよ。
好みの設定を詰め込むのでは無く、引き算も大切じゃ無いでしょうか。
違和感が無いように。


う~ん・・・。
大筋なんかはとても好みで、ワクワクさせてくれるんですけど。
あとオチも、なかなか考えられていて、面白いんですけど。
今回はちょっと合わない部分の方が多くて、残念でした。

13

盛り上がれず

先生買い。あんまりカッコよくない攻めさんに今一つ萌えきれず中立です。謎の生命体が表紙にいたので、ウキウキしてたんですけど、残念。読み応えたっぷり二段組、本編220P弱+後日談9Pほど+あとがき。

他国で虐げられているオメガを保護しているアネイシス王国。皇太子カナタは保護したオメガの心のケアをしていましたが、もっとオメガを救いたいと救出部隊に入ることを願い出ます。厳しい訓練を経て無事イディア王国へ潜入したカナタのチームは、ある日救出作戦を実行しようとしたのですが、その現場にある男が連れてこられ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
幻獣ルゥルゥ、攻めの補佐役(超優秀というわけではない)、受けの救出チームメンバー、受け母、攻め父、義母、弟ぐらいかな。ルゥルゥ健気に頑張ります・・・

***今一つ萌えられなかったのは・・

攻めさんが天然お坊ちゃま貴族さんに思えて、なんだかダメでした。やっぱり攻めはスパダリの方が好きだなあ。受けさんはきりきり働くしっかりものオメガさんなんですけど、基本的にお話が生真面目路線なので、笑うところなく、ふーんと読み終えてしまった次第です。
しっかりもの受けさんがお好きな方には良いのかもです。

他国に忍び込む&シリアス路線なら、敵対する関係からの恋バナなんかの方が好きなんだけどな。
ちょっと展開も攻めキャラも今一つ好みではなかったでした。残念~

6

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