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初めて読む作家様です。次の新刊がセンチネルバースということで、作風を知りたくて直感で選びました。電子版だとこうじま先生のイラストは表紙のみで残念。
何度読んでも飽きない、再会もの。高校時代の親友から卒業時に「告り逃げ」された充希が、社会人10年目に仕事でその親友・孝太郎と再会し、恋心を自覚していくストーリー。
お坊ちゃまで一人息子の充希が唯一わがままっぷりを発揮できたのが、親友の孝太郎でした。再会後は嬉しくてたまらなかったのに、持ち前の王様キャラが再浮上し、素直に喜べない。親友の特権は自分だけのもの──孝太郎とまみえる時はいつも、充希の脳内で王様キャラと乙女キャラがせめぎ合い、攻防が始まるのです。
恋愛ものとしてはバッチリ萌えを押さえてくれていて申し分ないのですが、28才男性にしては恋愛面において情緒不安定すぎる充希が心配になりました。すぐ泣くし…。
孝太郎がゲイだと知り、充希は理解を示そうと努めるけれど、孝太郎は充希に抱いていた思いがすでに過去のものだと受け流してしまいます。そこからのすれ違いや嫉妬のエピソードはほんと、キュンキュンしちゃう。
ノリノリで読んでると、時々ガクッとずっこけそうになる大げさな言い回しに遭遇するのが玉に瑕といいますか…。
好みとしては喜怒哀楽が激しくてキャッキャした感じよか、抑制のきいたしっとりとした雰囲気に萌えを感じるので、受けにはキャラ的にもっと惹きつけられる何かがあって欲しかったかも。乙女なくせに暴言吐いちゃうのもかわいいんですけど、王様キャラに頼りすぎな恋愛観が幼くて。ボケナス発言には笑っちゃいました。
その一方で孝太郎には萌え爆走でした。充希に一途で包容力の塊なんです。スパダリとも溺愛ともちょっと違って、充希をうまいことヨシヨシしながら、相手に溺れず自分が決めたことは譲らない。そこに対等感があってよかったです。
にしても28才で課長、30才で部長ってすごい。自分の職場だと有り得ないので、職種によって肩書きって変わってくるんだなと。お仕事部分も描かれていますが、仕事と恋愛をキッチリ分けている二人には好感が持てました。
孝太郎の従兄弟はスピンオフ案件かしら。地味に気になるキャラクターなんですよね…。
オメガバースも何作か書かれているので、そちらも読んでみたくなりました。ちょっと期待しちゃってます。