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表題作神獣さまの側仕え

リィ,神獣の末裔で獣性が濃く出た公爵
シェラ,領主の側仕えとして売られた森の民

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

獣に変身する領主様と、竜に選ばれた<古き民>の美しい青年──
古き良き異世界が舞台のロマンティックなお伽噺♡

目も見えず口も利けず、人前に出られない醜い顔──。
そう言われ続けて人里離れた森で育ったシェラ。
挙句の果てに養い親から少しは役に立つようにと
領主様のお城に奉公に出されてしまう。
ところが側仕えする領主・リィは、
欲望が高まると獣に変身する神獣の末裔だった!!
ふわふわの毛並みがなんて気持ちいいんだろう…。
誰もが畏怖する神獣を恐れないシェラを、
リィは一目で気に入って!?

作品情報

作品名
神獣さまの側仕え
著者
成瀬かの 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009617
3.7

(60)

(19)

萌々

(22)

(10)

中立

(3)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
11
得点
216
評価数
60
平均
3.7 / 5
神率
31.7%

レビュー投稿数11

最後のオチに震え上がりました

こちら、ロマンティックで官能的な、お伽噺風ファンタジーです。

目も見えず口も利けず、醜いと罵られ続けてきた主人公。
そんな不憫だけど純真な受けが、領主様の元で幸せを掴む。
そこに、+エロエロ!
そう、これぞ大人の為の官能童話ですよ!

また、本当は怖くて残酷なお伽噺の世界ー。

成瀬先生と言うと、不意にヒヤリと背筋を寒くさせてくれるような、優しいのにどこか残酷な世界観がお得意だと思うんですけど、その持ち味も存分に生かされてました。
意地悪なお姫様や、悪い兄は、容赦無く罰を与えられます。
いや、最後のオチにですね、震え上がりましたよ。
う~ん・・・。
ハッピーエンドでありながら、なんとも苦味が残りますが、本人が幸せなら何も言う事は無いです。


内容ですが、神獣の末裔である領主・リィ×森の民・シェラによる、お伽噺風ファンタジーです。
基本的には甘くて可愛いですが、時々ゾッとくる残酷な展開ありになります。

目も見えず口も利けず、醜いと罵られ続けてきた森の民・シェラ。
人里離れた森で母親と兄と暮らしてきた彼は、突然領主の城に奉公に出される事になります。
ワケも分からぬまま兄に連れられて来た城で、不思議な獣に気に入られ、そのまま犯されてしまうシェラ。
実は領主は神獣の末裔で、溜まった獣欲を吐き出す為の相手としてシェラは選ばれた事が分かりー・・・と言うものです。

まずこちら、ストーリー運びがとても秀逸だと思うんですけど。
主人公で盲目であるシェラの視点で進む為、読者側の情報もかなり限られるんですね。
主人公と共に、謎解き要素が面白いと言いますか。

シェラですが、自身を拾ってくれた兄や母親の仲間から、常に醜いと言われ続けて育ちます。
その為、他の人とは違うミルクホワイトの髪や顔を恥ずかしいものとし、泥を塗って分からないようにしてきた。
オマケに、母親の病を直す為にと万能薬となる虹色の実をとりに行かされた事で、古代竜から呪いを受けて、目も見えず口も利けなくなってしまったんですね。
挙げ句の果てに穀潰しよわばりされて、金貨と引き換えに領主に差し出された・・・。

いや、不幸です。
これでもかと不憫です。
本人が状況が分かっておらず、それでも健気に母親や兄の為にと獣に身体を拓くだけに、とても切ないです。

と、序盤こそかなり痛々しいんですよね。
が、ここからが主人公救済ターン。

繰り返しになりますが、目が見えなくて話す事も出来ない為、シェラは何も分からない状態で城で暮らし始めます。
こう、周囲からされるがままの状態ですが、泥だらけだったのをキレイに洗われ、上質な服を着させてもらい、食べた事も無い美味しい食事を与えられる。
また、目が見えない為、上手く食べられずに困っていると、優しく手助けしてくれる男らしい声の男性。

一体、彼の正体は?
そして、醜いと言われ続けて来たシェラの、本当の姿とはー?
と、読者をワクワクさせてくれる形で進む感じでしょうか。

シェラですが、とにかく純粋無垢で可愛いんですよ。
で、意外とエロい。
彼のお役目と言うのは領主の獣欲を吐き出させると言うものー。
要は、エッチの相手です。

いや、これな~!
領主とシェラの他に、もう準主役と言っていいポジションで騎士団長が存在するんですね。
領主の弟である彼は、異様に兄が大好き。
獣欲が溜まり理性を無くしている領主に代わり、彼がシェラの準備を毎回施すんですよ。
で、エッチ時には付き添う。
いや、何だろう・・・。
飄々としていて、一見優しそうなんだけど、実はかなり酷薄な部分もありと底知れぬ男なのです。
リィ×シェラでありながら、第三の男的に彼が存在して関与してくるため、エロがなんかめっちゃエロい。
う~ん・・・。3Pでは無いんだけど、そんな空気が漂うと言いますか。
騎士団長にエロエロに仕込まれ、領主に激しく抱かれるー。
毎回トロトロになっちゃってるシェラが超エロ可愛いなぁって感じで。
ついでに、兄が異様に好きな弟に、そんな弟を誰より信頼して愛しい表情を向ける領主。
濃すぎる兄弟愛にも滾っちゃうじゃないかよと。

と、そんな中、領主が新しい側室を持つ事になり、ショックを受けるシェラ。
更に、城から突然浚われ、顔を焼かれそうになり・・・と続きます。

実はリィが側室を持つ事にした理由ですが、かなりしょうもない誤解からです。
ついでに、リィはシェラをこれでもかと溺愛してるんですよ。
常にヤニ下がってデレデレなんですよ。
まぁそんなワケで、シェラが泣きそうな顔をしただけで側室の件はアッサリ解決。
また、シェラの「呪い」ですが、こちらも萌えまくるオチつきで解かれます。
いや、初めてリィの姿を目にしたシェラの反応がですね、もう可愛すぎて萌え転がっちゃうんですよ。
ああああ、この受けめっちゃ尊い・・・!みたいな。
呪いが解けて、良かったねえ!! 二人とも!!!と。

と、何もかも解決し、メデタシメデタシで締め括られるかと思いきや、ここから顔を見せるお伽噺の残酷な部分。
意地悪なお姫様や、悪い兄は、罰を与えられます。
かなり容赦無いと言いますか、けっこう残酷だと思うんですけど。
また、純粋無垢だと思っていた主人公の、意外と怖い一面が分かってゾッとしてしまう。
いや、しつこいですが、本人が幸せならいいんですけど。

と、とにかく面白い作品でした。
いや、オチまで最高ですよ。
う~ん・・・。
甘くてエロエロで、そして時に背筋が寒くなる。
まさにお伽噺ファンタジーでした。

17

騎士団長推し

カバーイラストが金ひかる先生なら全て買う!シリーズ。
この表紙、白髪の青年と黒い獣で、ケモ好き心とファンタジー好き心にも突き刺さる。
古き民の血を引くミルクホワイトの髪をしたシェラと、神獣の末裔で性欲を開放しないと人の姿を保てないリィ、そしてリィの弟の騎士団長。
この三人の危うい関係が描かれていくのですが、
いいわぁ、この関係、すごくすきだわ。
騎士団長はとってもとっても兄が好きで、兄のためなら何でもするし、兄の事なら全てを見て知っていたい。
なので、獣になっている兄が、せっかく気に入ったシエラを壊してしまわないように、入念にシエラの下ごしらえするし、獣の姿の兄とシエラの交合も余すところなく見届ける。
でも、自分が兄とどうにかなりたい訳でも、兄とシエラを共有したい訳ではない。
シエラも最初は目が見えなかったこともあって、三人の関係を受け入れている。
この関係性がすごく好み。
更に騎士団長に関しては、自分の屋敷ではちゃんと獣性を開放している所も高ポイントでした。



4

神とは恐ろしいもの

気になっていた作品だったのでキャラバースデーフェア期間に購入しました。

とても良かったです。
甘いお話も好きですが、人間の理では理解出来ない世界観のお話も大好物です。

のっけからシェラが神獣姿のリィに獣姦されるハードな展開でしたが、シェラが神獣に好感を持っていたので悲壮感はありませんでした。

むしろそれよりはリィが人の姿に戻った途端に擦り寄る人間達や、シェラをリィの元に連れてきた兄の方が恐ろしかったです。

リィの弟のキエムは兄に執着してて、自分が気に入った者しかリィに近づけません。
神獣の血を引いている兄弟は魂が綺麗なシェラをとにかく気に入って大事にしてました。

リィが神獣姿の時はキエムがシェラの身体の準備をして、リィがシェラを抱いている時もキエムが同じ部屋でジッと見ていてもリィは許しています。

リィとキエムはシェラに害なす者は誰だろうと許さないし、そこには慈悲も情けも何も無いから残酷なのです。
それが神であり神獣なのですが、シェラはそれを良しと受け入れて彼等と一緒にいる事を選びます。

恐ろしいと思うような描写もありましたが、神とは恐ろしい一面を持っているので、何もかも上手く行く作品もそれはそれで面白いですが、そこはかとなく仄暗いこちらの作品も素晴らしいと思いました。

1

素晴らしい!

本当にこれだけ悪党がキッチリ成敗されるのはなかなかありませんね。
もうそれが気持ち良くって。モヤモヤしない。
受けも妙な仏心で庇いだてしなくてスッキリしました。

だって神獣さまですよ?人間ごときのことわりなんて知らねーよ!ってのは当たり前だと思うのよ。
そう考えると、逆にこういう描き方ができるって謙虚な方だなぁ。なんて感心してしまいました。

エロもたっぷりめ。最初から感じまくりなシェラちゃん。
リィさん今まで誰にも手を出さなかったという事は…ですか?絶倫です。

表紙の神獣さまはシェラちゃんの想像の姿です。これが一番のネタバレです。ごめんなさい。

1

これを3Pといっていいのかな

健気で不憫な子が幸せになる話は大好きです。
そして作者さまの『エロい話が書きたい』という熱意が遺憾なく発揮さた、溺愛ラブラブその上モフモフな欲張り展開で始めから最後まで楽しめました。

獣に姿を変える神獣が治める地に側仕えとし兄に売られてきた一人の古の民といわれる血筋の子供。
お互い一目惚れ、といっても古の民の子シェラは目が見えず口もきけないのですがモフモフに絆され訳のわからないうちに伽の相手に…。
伽の準備をする弟の騎士団長は兄が好き過ぎてちょっと変態チック。
好きと言ってもLOVEな要素は皆無で過剰なブラコン。
兄のために可愛い側仕えを整えきっちり準備したうえでまぐわう様を眺めときには声をかけて盛り上げる変な弟です。これを3Pというのか言わないのかよくわかりませんが、なかなかない関係で面白かったです。

健気で優しい良い子の主人公は、大抵自分をいじめた相手や非道だった身内も許してうやむやになることが多いのですが、この作品では神獣さまが全てきっちり何十倍にも仕返ししてスッキリさせてくれたとことが良かったです。

0

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