恥を掻くなら恋を書け

haji wo kakunara koi wo kake

恥を掻くなら恋を書け
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神11
  • 萌×29
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
100
評価数
23
平均
4.3 / 5
神率
47.8%
著者
柄十はるか 

作家さんの新作発表
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イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
集英社
レーベル
コバルト文庫
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

新鋭・柄十はるかのデビュー作は、エリート新米サラリーマン×不器用な書道家の年下攻ロマンス! 新米サラリーマン・清次郎の弱点は悪筆なこと。上司からも指摘され、つい母親に愚痴ったところ、知人の息子がやっているという書道教室へ勝手に連絡をとられてしまう。約束の日に清次郎を迎えたのは、書道のイメージからはかけ離れた派手な青年・小鉄。しかし彼は書道に対してひたむきで、指導も優しく丁寧だった。やがて清次郎は文字を書くことに夢中になっていく。そんなある日、仕事終わりに教室へ来た清次郎は、倒れている小鉄を見つける。個展に出す書がうまく書けず、食事も睡眠もままならないほど追い詰められている姿に、彼を支えたいと思う清次郎だが…?

表題作恥を掻くなら恋を書け

丸清次郎、エリートだけど字が汚いサラリーマン、22
雪竹小鉄、書道家、28

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数2

字に惚れる

ものすごく好みの作家さんに出会ってしまった…。

綺麗な字を書く人に興味を持つのって、ありがちな設定のようでいて、意外とキャラ造形のオプションに収まりがち。メインテーマとして扱った作品を読んだのは初めてのような気がします。


社会人一年目の丸清次郎は、典型的なエリートコースを歩んできたイケメン。ガタイもよく、スポーツ万能で子供の頃から目立つ存在だったけれど、字が汚いという唯一のコンプレックスが…。

母親のゴリ押しによって知り合いの書道教室を紹介され、断りきれずにしぶしぶ顔を出した清次郎。金髪・ゆるファッションの小柄な男性、雪竹小鉄が先生だと知ると、ますます意欲を削がれてしまう。ところが、小鉄がお手本に書いてくれた文字の美しさにいたく感銘を受けてしまった清次郎は、俄然、猛烈なやる気を起こすのでした…!


冒頭、木下先生のイラストどおりの清次郎が動いているみたいで、期待が膨らみました。清次郎が小鉄の教室で初めて硬筆を体験するシーンになると、クスクスと笑いがとまらなくて、出だしから心鷲掴みです!

とにかく小鉄先生のキャラ一点勝ちでした。一周回って新鮮味すら感じるアホの子っぽくて(でも努力家)、語尾が「〜だぞ!」なんて言い回しの口癖は、いかにもマンガちっく笑

誰に対しても媚や下心が一ミリもない真性天然の小鉄と、率直な物言いしかできず、真正直な清次郎に心洗われます。

本作は、この二人が先生と生徒の立場から少しずつ逸れ、名前のつけられない関係性を築いていくシンプルなラブストーリー。受け攻めの心情を丁寧に扱ってくれているところに一番好感を持ちました。

清次郎にとって字が汚いことがコンプレックスなように、一見能天気そうな小鉄にもコンプレックスがあります。彼は自分の唯一の取り柄である「字」だけをよすがとして、見えないところで血の滲むような努力を重ねているのです。

清次郎も小鉄も、自分とは相容れない得意分野を持つ人を羨むだけで終わっていたら、恋には至らなかったことでしょう。けれど、その人が輝いて見える裏には誰にも言えない劣等感や努力があって、それをさらけ出せた相手だから特別な感情へと変わっていったのだと、とても自然に伝えてくれていました。

清次郎が書道教室に通いはじめ、他の生徒さんたちとも交流しながら、小鉄自身のチャレンジをサポートしていくあたたかい雰囲気も素敵です。みんな小鉄先生のファンで、彼の人柄や、彼が書く字に惚れ込んでいるんだなぁ、愛されキャラなんだなぁって。

中でも書道教室の生徒でひときわ個性を発揮している双木皆実さん。清次郎の初見では「少女」と表現されていたけれど、一体いくつくらいなんだろう?彼女のオタっぽい独特な話し方が読後までノイズとして残り、地味にザワザワさせられた脇キャラでした笑

地の文も会話文もテンポがよく、読みやすいです。キャラの立つセリフ回しが作者の持ち味かもしれませんが、もしかしたらやりすぎに感じる人もいるかも。わたしには小鉄先生のリアクションを色んな動物に喩えるところがツボすぎて、とってもかわいらしくてほのぼのしました。

レーベルゆえにエロは控えめ。集英社の少女マンガで育った者にはなんともこそばゆく甘じょっぱい、真摯なピュアラブです♡

3

王道年下攻めロマンスです!

電子専門書籍で、作者さんのデビュー作との事です。

で、こちら、地に足のついたしっかりした恋愛描写と主人公の成長が見処の、王道年下攻めロマンスになります。
こう、デビュー作とは思えないほど、しっかりと書かれた心情描写に唸らされました。
多分、安西リカ先生のあの雰囲気がお好きな方はハマるものと思われます。

あと、こちらですね、実は購入を迷ってたんですけど、試し読みをしたら「これは!」と、そのまま購入しちゃったんですよね。
不思議な事に「これは絶対好みだろう」と、最初の数行でピンとくる作品と言うのがあるんですよ。
まさにそれでした。

内容ですが、エリート新米リーマン・清次郎(22)×書道家・小鉄(28)による、王道年下攻めラブロマンスになります。

幼い頃から何でも人よりずっと優秀な、清次郎の唯一の弱点は、字が汚い事。
社会人となったばかりの彼は上司からその事を指摘され、お節介な母親が勝手に連絡してしまった書道教室に通う事に。
しぶしぶ向かった清次郎を迎えたのは、書道の先生と言うイメージからはかけ離れた、派手な見た目の青年・小鉄でー・・・と言うものです。

で、最初こそ教師としての力量に不安を抱く清次郎ですが、あたたかくやさしい教室の雰囲気や、その見た目に反した丁寧で真摯な小鉄の指導の姿勢に考えを改め、続けるうちに教室を楽しみにするようになる。
更に、小鉄が書に熱中しすぎて倒れたのを介抱した事をキッカケに、二人はプライベートでも仲良くなって行き・・・と言う流れです。

清次郎ですが、勉強もスポーツも出来、見た目もイケメンと完璧です。
当初、そんな彼の弱点は字が汚い事だけかと思われますが、実は「何でも出来るけど、これと言って一番になれるものが無い」と言うコンプレックスを抱えている事が分かるんですよね。

で、そんな彼が出会った、朗らかで規格外の書道家・小鉄。
彼は決して器用では無く、どちらかと言うと不器用なんですよね。
でも、書に関しては誰よりもひたむきで、寝食を忘れほど熱中出来る。

と、まるで正反対の二人。
終始、攻めである清次郎の視点で進みますが、書道に対して一生懸命で、何より書く事を楽しんでいるような小鉄に、彼が惹かれて行くのが、とても自然に感じられます。
いや、自分に無いものに、人って惹かれるんですよね。

また、清次郎と言う男、実は無自覚の人たらしなんですよね。
「褒め上手だよね」と小鉄から言われれば、「それは小鉄さんがすごいって事ですよ」「俺は思った事しか言いません」みたいな。
で、真っ赤になってアワアワしている小鉄の瞳を、「何か言いたい事があるんだろうか?」と、ジッと見つめるー。
これ、清次郎視点でありながら、小鉄もまた彼に対して惹かれて行ってるのが、読者にはよく分かるように書かれてるのが上手いです。
こんな何気ないやりとりを繰り返しながら、二人の距離がどんどん近付いて行くのに萌えまくっちゃうんですけど。

と、そんな日々を過ごす中、小鉄からSNSの開設を相談される清次郎。
小鉄から頼りにされた事が嬉しくて仕方ない清次郎は、彼に代わり教室のSNSツールを開設するんですね。
そこで執筆動画を投稿すると、小鉄の書家とは思えない容姿にも注目が集まり、どんどんフォロワーも増えて生徒も集まるように。
物珍しさからテレビの取材まで申し込まれと、小鉄の周囲が望まない形で賑やかになるんですね。
で、小鉄が皆から評価される事を嬉しく感じていた清次郎。
しかし、慌ただしい日々の中、小鉄が行方を絶ってしまい・・・と続きます。

清次郎ですが、しっかりしては見えますが、まだ22才の若者なんですよね。
小鉄から頼りされた事で有頂天になり、マネージャーを気取り、勝手な顕示欲や独占欲で小鉄を振り回してしまったー・・・。
深く落ち込み、自己嫌悪に陥る清次郎が切ないんですよね。
いや、このへんの心情がもうしっかり掘り下げて書かれてまして。
デビュー作でこれって、すごいな!と。

また、行方を絶ってしまった小鉄の、本当の気持ちー。
彼は彼で自分を責めと痛々しいんですけど、同時に決して他人のせいにしない所に心を打たれて。
彼がここまで頑張ってしまった理由が、これまたグッとくるんですよ。
もう、二人が二人とも、アホだなぁと。
そして、不器用だなぁと。

でも、そんな風にして失敗したりしながらも、二人がじっくり心を通わせ恋する様が、地に足のついた堅実な描写で綴られてるんですよね。
すごく読み応えがあるんですよね。
いつも一番にはなれない主人公が、今回だけは、小鉄の一番になりたいと強く望む姿に、すごく心を動かされて。

まぁそんな、主人公の男としての成長も見処なワケです。
作者さんも書かれてますが、これから清次郎は立派な頼れる彼氏になるんだろうなぁと思わせてくれる、とても素敵なラストでした。

11

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