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表題作陰の間に花

能之・薬師
紫苑・陰間

その他の収録作品

  • 陰の間に花 第三.五話(描き下ろし)
  • あとがき5P
  • カバー下モノクロイラスト

あらすじ

時は江戸時代──。

額にできた瘤のために旦那様に捨てられた陰間・紫苑を引き取ったのは、
薬種を育て藩に納めている薬師・能之だった。


体を使い能之に取り入り、生きる意味と術を新たに得ようとする紫苑。
そんな紫苑が時折見せる無邪気で素直な様に、
自分の薬師としての知識に興味を持つ様に、たくましさと健気さを垣間見て感心する能之。
そして感心は「愛おしさ」へと変わっていく。


だが、紫苑の心になおも棲んでいるのは、かつて紫苑を絶望から救った旦那様ただ一人。
やがて瘤は肥大し、鬼の角のように育ち始め──。


衝撃の江戸恋絵巻!作者渾身のデビュー作。
描き下ろしつき

作品情報

作品名
陰の間に花
著者
ひるなま 
媒体
漫画(コミック)
出版社
芳文社
レーベル
花音コミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784832291171
3.9

(34)

(11)

萌々

(14)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
133
評価数
34
平均
3.9 / 5
神率
32.4%

レビュー投稿数8

時代へのこだわり

最近の新人さんは、須らく皆、絵がお上手で、この方の絵もとってもきれいで感心する。
時代物ファンタジーの作品も次々と生まれてきて、時代考証や設定もしっかりしているし、みんな凄いよね。
元陰間の紫苑は額にできた瘤のせいで、旦那様に囲われていた家を出されて、薬師の能之の薬園に引き取られてきます。
紫苑、紫苑の元旦那様、能之、それぞれの思いのすれ違い。
秘める物が大きければ大きい程、それはどこかへ現れ出てしまうもので、、、っていうお話。
絵はきれいだし、お話は切ないし、エチシーンはエロいしで、これはもう、神でしょう。

5

素晴らしい画力とストーリー

めちゃくちゃ面白かった!
時代背景を勉強なさってるのがよく分かりました。
あとがきまで素晴らしかったです。

元・陰間の紫苑と、薬師の能之(のし)。
執着が嫉妬が……強い思慕が人を鬼に変えるのでしょうか。

何があっても旦那様を慕う紫苑と、紫苑を愛して恩義より恋慕に囚われた能之。
一途で健気な紫苑は尊くて美しいけど、能之のことを考えると切なくなります。

旦那様が亡くなったことで紫苑の思いは一生無くならないものになり、紫苑を愛する能之にとっては苦しみが続くことになるかもしれません。
でも、人の気持ちは変わりゆくもの。
紫苑が能之を心から愛する日を願って病みません。
(もしかしたら、もう愛してるかも?)

もし能之が鬼になったら、紫苑が死ぬまでツノは無くならないのかな……
治療法が愛する人の〝死〟っていうのが怖いですね。
ラストは、ゾクっとしました。

2

儚さも強さもはらむ花

陰間の紫苑は額にできた瘤のために主人から
暇を出され、同じ主人に恩のある薬師の能之の元へと
身を寄せる事になります。

主人に捨てられたと塞ぐも、何とか割り切ろうとする
紫苑。見守るように傍に居てくれる能之と身体を
重ねながら日々を過ごしていくも瘤はだんだんと
大きく目立つようになっていき…


紫苑の瘤〜角の表現が生々しい描き方だなあと
思っていたらその正体になるほど、と納得。
人を『鬼』にしかねない心に澱む欲が実体化していく様を
紫苑という儚げながらも芯を持つ存在を依代として、
人でありながらの異形が持つ異様さと
脆さもある美しさとが共存したいいバランス感で
描かれているなと思いました。

お話の繋ぎ目などで少し気になる点もありましたが、
作者様の江戸時代に対する知識の深さや陰間の髱への
熱いこだわりなど唸らされる所もあり、
切なくも良いお話を読ませていただけて良かったです。

3

画力が素晴らしい

初読みの作家様です。えっ?!これでデビュー作?すごい!絵がすごく美しくて設定もしっかりしています

表紙の画で鬼の陰間と人との人外BLかと思っていたのですが、陰間の紫宛は人であの角は旦那様への執着と恋慕の証だったんですね~想いが強いほど角は育っていく
執着って怖い
褐色イケメン筋肉ののしさんが、硬派そうにみえて精力旺盛なのがまたね(o^-')b !ドエロい
多分紫宛は死ぬまで旦那様のことが好きなんでしょうね
いつか旦那様よりのしさんを好きになってほしい!
絵がすごく私好みなので次回作期待します!

3

角の秘密

和風で鬼なら読むしかない、と手に取ったこちらの作品。
絵柄に癖があるので苦手に思う方もいるかも?という印象ですが、とても綺麗で和風にはぴったりな描き方でした。

陰間としての受けの切なさや、身と心の寂しさは揺さぶられるものがありました。
花の短い陰間ですから...良い人に請けてもらっても心が休まることはなかったと思います。
それに追い打ちをかけるように、攻めへの下げ渡し。
結局これは旦那様の最期の想いなんですが、受けには伝わっていないのがまた切ないです。

受け側の印象が強く、攻めの心情がわかりにくかったのが一つ難点でした。
なぜ受けに心を向けるようになったのだろう...わかりません。

とはいえ角は最後に取れるのか!という展開に驚きと、締めくくりに和風物語の流れが出ていて、とても楽しく面白かったです。
あとがきも充実されていて大満足でした。
角は裏筋(?)なんだとか...それを知ってもう一度読むと、見方が変わります。

2

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