単行本版(特典付き)
心の奥まで暴かれそう──。 ワケあり男2人の慰めセックス。
一般雑誌みたいなデザインの表紙に惹かれてジャケ買い。a○◯nのセックス特集みたい。しかし文字が多くて若干タイトルがわかりづらい。
ストーリーはゲイ役でブレイクした俳優が実は本当にゲイでした、という話。最近はゲイ役の登場するドラマも多いので腐女子なら一度は考える妄想ネタです。「あの人もしかして本当にゲイだったりして!」なんてね。
その俳優の受けはカミングアウトしてないので、人気出たけど遊び辛くなっちゃったな、と思っていたら写真集の撮影旅行でいい男のカメラマンと三日ほど2人きりで過ごすことになって…と物語は始まります。攻めはノンケでヘタレな性格。モデルのプライベート写真を簡単に盗まれるというカメラマン失格の攻めに対して、受けの取った行動は潔くて男前でした。
同時収録の話は元彼がなんと自分の姉と結婚?!という話。妻の妊娠中に元彼で義理の弟と浮気する、という中々ビッチな性格の受けでした。このままだと受けが本当にただの嫌な奴になってしまうので、昔急に姿を消した理由とかゲイタウンにいつまでも入り浸る理由などの裏設定があって続編があるのかも。
初読み作家さんでしたが、二編ともなかなかキャッチーな設定のお話で楽しめました。
表題作と同時収録短編の2作品。
哀愁と切なさで余韻の残る作品を描かれる作家さんで、
人の繊細な部分に触れる描写がすごく好きなんですが、
今回は同時収録短編のクズカップルをもっと知りたかったな…。
義兄のクズ受けが非難されるのはもちろんですが、
元カレの義弟も大概ひどい、だからこそ本当の所を知りたいと思わせる作品でした。
表題作は表紙が目を引いて面白いです。
バツイチカメラマン×ゲイ役でブレイクした隠れゲイの若手俳優
二泊三日のグラビア撮影旅行で、カメラのレンズを通して、
初めてゲイである自分の心をさらけ出していく、受けの表情がいい。
何よりも、二人の距離が近くなっていく、ちょっとした描写の上手さに引き込まれます。
二人の関係がスキャンダルになる展開で、話が進む程に攻めのヘタレっぷりが露見。
最後まで煮え切らない攻めという描写は、ノンケだからなのか性格なのか。
描き下ろしまでウダウダしてる攻めはブレてないとも言える…ワンコ受けの粘り勝ちでした。
この作品で一番カッコいいのは監督というのも面白い。
グラビア撮影旅行の前半の件は見応えありの描写力で、独特の雰囲気を持つ画力のある作家さんです。
★ファースト シガレッツ★
忽然と消えた元カレが数年後に姉の婚約者として現れ、結婚して義兄になる…。
もう、この時点でBLとして読みたくないのが普通ですよね。
しかも、別れて5年経つ二人が姉の妊娠中に関係を持ってしまうところで終わっている。
祖母が生きている内に、孫の顔を見せてやりたいという想いから結婚した義兄ですが、
クズ受けの背景が漠然としすぎてて、モヤモヤするっ。
医者である義弟の攻めは忘れたくても忘れられない状態で、
医大からの友人である同僚は二人の詳細を知っているし、危うさ満点の状況の中、
なんだかんだ言いながら最後までクズ受けのペースで翻弄されて終わり、これからもこの関係は続く…。
先が見えない皆が傷付く関係だからこそ、なんでこうなった?!と、
受けの本意が無性に知りたくなってしまい、
何度も読み返してはしてはクズ受けの背景や心境を考える始末です。
この作品は余りにも読み手の想像に委ねすぎだわ…もっと読ませて~~~。
最近のBLではなかなか見かけない内容なので、一味違う設定と展開に嬉しくなったのも事実。
やっぱり色んな作品が読みたいし、結果よりも経過を重要視するタイプなので、
闇に向かって進む背景や心情が見える作品をもっと読ませて欲しい。
※Renta:修正は白抜きです。
an-anのような表紙なのが面白いですね♪
皮肉にもゲイをずっと隠して頑張ってきたのにゲイ役でブレイクした久賀。
人気で写真集を出すことになったが「素顔に密着」というコンセプトからカメラマンの寿々井と二人っきりで三泊四日の海辺コテージ撮影。
撮影中、縮まったような縮まらなかったような距離感にお互いの内を話した二人。
最後の晩に慰め合いのようなセックスした二人はセックス中に写真を撮る。
もぉこの時点で嫌な予感しかしないよね(笑)
案の定、写真が流出しスクープ。
それぞれの弱い部分をさらけ出し合った二人が惹かれていくのも切なく素敵だし、
写真が流出した際に寿々井が全部自分が悪者になって幕引きしようとするのも切なかったです。
勿論、久賀がそんな事させませんけど♡
表題作にはどっぷり惹かれちゃいました。
ゲイを公表していないがブレイクしたきっかけが「ゲイ役」だった篤紀。
貼り付けたような笑顔のしたで
表に出せない心の中はささくれだっている。
そんな中、自身の写真集の撮影でカメラマンの要と出会い、誰にも言えなかった心を晒していく。
と、いうようなお話。
まず表紙にすごく特徴あります。
この篤紀を撮影しているのはたぶん要なんでしょうから、そりゃ色っぽくもなりますよね。
ゲイを隠し通していることは篤紀にとってツラいことなんでしょう。
でも簡単にカミングアウトなんて出来ない、だからもういいや、なんてそんな諦めも感じとれました。
だから要には心を開いて素直になれて良かったな、と。
そのあとは要のヘタレ感にちょっとイラッとしましたが(笑)
マスコミにバレちゃった時も
篤紀のほうが潔くてかっこよかったし。
でもそれがふたりのバランスなんだろうと納得しました。
同時収録のお話のほうは
私的にはナシかな…。
なのでレビューは割愛します(汗)
最近BL漫画の実写化や、LGBTQ映画でも割とライトな作風も見られ、マイノリティと呼ばれる人が少しずつ生きやすい社会になっていたらいいなと思います。
ですが、そういった作品にキャスティングされる俳優さん達の中には、戸惑いや葛藤ある人もいらっしゃるだろうなと心配しています。この普及の流れできっと売れるからと、役を押し付けられる人もいるかもしれません。当事者として演じる人もいれば、異性愛者と偽って生きている人にはチャンスか窮地か。デリケートに接していく必要があると思います。
と考えるのは余計なお世話で、寧ろ意識し過ぎなのでしょうかね。
この作品は俳優でゲイの篤紀が、ドラマのゲイ役で大ブレイクし、写真集撮影で男性カメラマンと3日間二人で過ごすお話です。
撮影当日に仕事内容を聞かされる等ありえない部分もありますが、試し読みから、まず画力が素晴らしくて引き込まれました。二人の会話や身体の描き方や動き、表情や心地良い情景…とにかく魅力的です。
濡れ場も熱や湿度を感じるようなセンシティブな描き方は映画のようで素晴らしかったし、犯罪者顔表現も最高。
攻めカメラマン要はヘタレで俳優の生命線を脅かす失態まで起こしてしまいますが、自然な会話で篤紀が心を打ち解けられた器か、作者の絵の力なのか嫌いではないです。
篤紀は世間にカミングアウトしていない俳優でしたが、若者らしい悩みや戸惑いもありつつハッキリ言葉にする性格だったので、余りモヤモヤせず読めました。マスコミに対応するシーンも男らしかったです。彼はきっと今の時代を上手く乗り切れる俳優さんですね。そしてドスの効いた監督、これは重要な一コマです。
もう一つのお話はかなり好き嫌いが別れそうな、結構クズな受けのお話。もう1話あって独白して欲しいところでしたが、これはこれで。こんな勝手過ぎて魅力過ぎな人もきっとどこかにいるのかもしれません。
表情カバーイラストとても目を引くのですが、デザイナーさんはもうちょい字詰とか気をつけて欲しかったですね。