特典ペーパー/電子限定描き下ろし2P漫画付き
「ま、まだ…っイッてるみ…てぇ…ッ」
一冊丸ごと表題作でした。ページ数以上のボリュームを感じる内容です。
最初はよくあるラブコメかなと思っていたら表情を変え良い意味で裏切られるし展開に引き込まれます!
心理描写が丁寧なのでつまづくことなく読み進められました。
たしかに中盤は人を選ぶシーンがありますが、物語への期待と加速度をあげてくれるエッセンスになっていると思います。今まで見かけたことのない希少なシーンなので私的には大好物でした。
終盤から描き下ろしまで幸せに満ちていてどのキャラも応援し見守りたくなります!
今作がデビューコミックとのことで、今後もこの作家さんの作品に期待大です。
紙本
修正…白海苔&細い線
カバー下…有り
叶汰くんがとにかくかっこいい!さり気ない押しの強さだとか、人当りの良さだとか、顔面偏差値の高さだとか、お人好しなところだとか、とにかくかっこいい!それでも若さ故の浅慮や頼りなさや抱えている問題がありましたが、覚悟を決めてからの彼は更にかっこよさを増していました。今後の成長が楽しみで仕方ありません。
正真さんはワーカホリックなしがない会社員そのもの。ですが、そんな彼がオメガであるが故に抱えている苦悩や困難に苦しくなりました。一般的な社会感覚とオメガバ世界の感覚とが違和感なく馴染んでいるので、余計にやるせなさのようなものを感じて引き込まれました。
どちらかと言えば可愛らしさを感じる絵柄で描かれるエロがエロい!しつこくなく、かと言って物足りなさもなく、程好い濃さのエロに大満足です。
そのような感じで切なさもありつつ、徐々に打ち解けていくあたたかなお話なんだろうな、と読み進めていくと、まさかのサスペンス的展開。いや本当に怖かったです。かなりしっかりと描かれている上、画面から受ける迫力がすごくて。画面構成や画力、キャラの台詞などによるものでしょうか。とても印象的な場面でした。
怖さに圧倒されつつも何とか危機を脱したことに安心し、次なる展開に進んで最後まで辿り着きましたが、わりと引きずりました。ですが、あれは必要な展開で、あれだけ印象的だったからこそ意味のあるものになったと思います。オメガ男性をアルファ女性が襲うというオメガバならではの読み応えもありました。
それぞれがエゴイズムのままに行動してしまい、ぶつかり合って傷付け合ってしまった。でも、その結果、得られたものもある。全体的な印象はあたたかさを感じる作品です。
Kindleで読み放題になっていたので読んでみたのですが、想像よりかなりよかったです。
絵もストーリーもエロも良いのになんで読み放題だったんだろうと最初は思いましたが、今となってはわからんでもないです。飛び抜けて絵が綺麗なわけでもエロいわけでも設定が特殊なわけでもなく、印象にはあまり残らないと思います。良くも悪くも小綺麗にまとまってるなという印象。
でも頻繁に読み返すのってお気に入りの作品よりもこういう安定感があって「程よく好き」な作品だったりします。
(事実、私も短期間のうちに2〜3回読み返しています)
何度も読み返す作品に出会いたい方におすすめです。
色んなオメガバースがありますが、
カップリングではなく、焦点をあてる対象が斬新な気がします。
主人公の男性Ωを巡る、女性α、男性α 3人のエゴイズムヒートで、
中でも女性αがこれほど丁寧に描かれた作品を見たのは初めて。
しかも、衝撃シーンがじっくりと描写されていて、BL好きには苦手な方の方が多いかも。
女性αは前半までで、メインは男性α×Ω。
しがらみで雁字搦めのΩ、優秀が当たり前であるαの闇に焦点が当てられ、
最初から最後まで読む手が止まらない、ドラマティック仕立てな展開でした。
結婚適齢期を迎えた社畜Ωの正真が、女性α江宮との見合いを断り切れないまま、
無職の好青年α叶汰と出会い、恋人代行して貰うことになり同居するヒモ状態。
エッチなしのハズが、時間と共にお互いの匂いに抗えず関係を持つ二人。
江宮に会い嘘の理由で見合いを断り白紙に戻すことができた正真。
叶汰の存在を喜ぶ母の姿に心が軽くなり、
明るく癒し的な存在の叶汰との生活が心地いい。
抑制剤を飲まず迎えたヒートで、満たされ健康回復した正真は叶汰にほだされて…。
ここまではよくあるオメガバースですが、ここから怒涛の展開です。
嘘と知った女性α江宮が怒りの逆襲で正真を犯す。
叶汰に支えられ日常生活を送る正真の妊娠…。
優秀αの叶汰ももちろん訳ありで、逃げてきた現実と向き合うことも、
正真に拒否されることが怖くて事実を話すことも出来ず。
被害者感の強いΩの正真も、ずっと行動は利己主義、自分本位です。
Ωであることからαへの対抗心で仕事に打ち込み社畜。
母を安心させたい気持ちから、断り切れなかった見合いで江宮に嘘をつき傷つけ、
叶汰に恋人代行をお願いしたことから始まった二人の関係ですが、
事実を言わない叶汰に容赦ない対応、更には堕胎しようと…Ωが一番エゴイズムヒートしてますね。
優秀で当たり前なα…だからこそ、αブランドに傷をつけたαの抱える闇も深い。
Ωだから、αだからではなく、
利己主義に走る人間に男女バース性は関係ないと思い知る。
可哀そうな自分が一番でなくなった時に、やっと目の前が開けるハッピーエンド。
ドロドロ部分が強いので、もっとダークになってもおかしくないんですが、
コミカルから始まりシリアスへ、しっかりエロい作品に仕上がってます。
描き下ろしでおちびさん登場ですが、幼稚園児で叶汰をライバル視するほど正真ラブ。
叶汰と初めてのヒート期間で、正真が無意識に巣籠りしている場面。
叶汰の布団に洗濯もので埋まる正真が、おじさんなのに可愛く見えるってすごいなぁ。
もっと巣籠りを見たくなりました。
そして、女性αのドロドロ感…。
BLに女性が主要で登場するのは個人的に好みではないですが、
女性αのドス黒い感情をドロドロのまま終わらせたのが、見ごたえに繋がってます。
これからも見たいかと聞かれたら見たくないですけど…。
※Renta:修正は白抜きです。
α×Ωのよくある組み合わせですが、
個人的に初めて見る展開が含まれるており、
大変衝撃を受けました……
母に勝手に登録されたパートナーマッチングで見合いをすることになった正真(Ω)。
いい条件の相手だと分かっていても、
見合い相手の江宮(♀・α)に惹かれない正真は悩みます。
酔って偶然拾った叶汰(α)に交際相手のフリを頼み、
親に会わせることにした正真はーー…
叶汰はイケメンαですがヒモをしており、
恋人代行を引き受ける条件に正真と同居することになります。
正真は初めセックスを拒否していましたが、
次第に抗えなくなりそのままズブズブと^^;
見合い相手の江宮にハッキリお断りしていなかった正真は、
叶汰のことを隠したまま仕事を理由に見合いを断ります。
そして、このことが事件を呼びますーー…
江宮の豹変ぶりが怖かったです(´Д` )
正真を騙してレイプするのですが、
女のαに男のΩがーーという展開を初めて見たので衝撃を受けました。
叶汰の名前を呼び続ける正真が辛かったし、
オメガバースでは女もレイプ加害者になりうるのだと、
思い知らされました。
正真が正直に叶汰のことを伝えていればよかったのかな?
それでも結果は同じだったかもしれないし、
同じ女目線でみても怒りが湧いてきましたね。
ただ、嘘をつく必要のないところで嘘をついた正真の気持ちは、
理解できませんでした。
その後の正真の行動がちょっと変になったり、
精神的ショックを受けていることが分かり切なかったです。
そんな正真を支える叶汰が献身的で、
叶汰がいなければ正真はオーバードーズで大変なことになっていたかもしれません……
これだけに終わらずさらに追い討ちをかけてくる本作ーー‼︎
正真が妊娠していたり、
叶汰の秘密がけっこう重たいものだったり……
緊張という意味でドキドキが止まりませんでした。
ここからやっとお互いを知ろうと向き合った二人が
ハッピーエンドに向かっていきます。
幸せ溢れるラストには心底ホッとしました^^;
描き下ろしで登場する二人の子どもは、
中身が完全に叶汰似でした^^
正真のことが大好きなところが微笑ましかったです♡
一冊の中にかなり濃い内容がギュッと詰まっていますが、
設定もモリモリなのにスッキリまとまっていました!
コミックス修正は白グシャ塗りです。
オメガバースなのでHシーンは多く、
叶汰の布団と服に囲まれて巣篭もりする正真は可愛かったのですが、江宮との場面は辛かった……
というか、あいつがお咎めなしっていうのが許せません!