この身体の秘密は誰にも知られてはならない──全寮制学院が舞台のオメガバース!!

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表題作やんごとなきオメガの婚姻

三宅祥久,25歳,雅純の通う高校の用務員
仁礼雅純,17歳,ベータを装っているオメガの高校生

あらすじ

名門伯爵家に生まれながら、
オメガなんて末代までの恥だ──。
自身の秘密をひた隠し、
全寮制学院でベータとして生きてきた雅純。
僕は誰とも恋もせず、番も持たずに死ぬんだ…。
ところがその類稀な美貌と才覚で目を付けられ、
同級生から襲われてしまう!!
窮地を救ったのは用務員の三宅。
地味な作業着と帽子に身を包んだ三宅だが、
接近した時、体験したことのない
電撃のような衝動を覚え…!?

作品情報

作品名
やんごとなきオメガの婚姻
著者
遠野春日 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
愛しき年上のオメガ
発売日
ISBN
9784199009884
3.3

(21)

(1)

萌々

(10)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
66
評価数
21
平均
3.3 / 5
神率
4.8%

レビュー投稿数6

メモ

あとがきから。
「やんごとなきオメガの婚姻」は、
雑誌に掲載した旧題「高貴なオメガは頑健なアルファを恋う」を題名を変えて書下ろしを追加したもの。
「高貴なオメガは頑健なアルファを恋う」の主人公たち;三宅祥久,25歳,x仁礼雅純,17歳;の二人のその後についての書き下ろしを追加して、題名を改めてまとめたもの。

「愛しき年上のオメガ」は、先に発刊されてはいるけれど、三宅祥久x 仁礼雅純の子供の「藤堂悠真」が主人公(年下の攻が年上Ωの受を懸想)で、後の話になる。

読み順は、
「やんごとなきオメガの婚姻」→「愛しき年上のオメガ」の順が、
関連が分かりやすいので、お薦めらしい。

---
波乱万丈の出会いから、婚約して、お披露目の後のヒートで出来ちゃった婚。
学院を中途退学して、子供を無事出産するまでのお話。
ハッピーエンドでした。
二人の間に生まれた悠真君は父親似のイイ男に育ったらしくて、
「愛しき年上のオメガ」のレビューはほとんどが熱いネタバレ。
作品本紙を読まなくてもいいかな?と思うくらい熱いです。

・・・300冊くらいBLを読んで思うのは、先に読んだ人の評価は、やっぱり参考になる。低評価の作品を読んで面白かった作品は、稀、何か面白味に欠ける理由があるので、先に読んだ人の意見は参考になると思う。

0

王道すぎて……

遠野さんのお上品そうな受け!だけにホイホイされましたが、ごめんなさい。
元々オメガにハマれない私が購入してはいけなかった…と読み始めてすぐにピンときてしまいました。

良くも悪くもよく見る典型的なオメガネタというのが一番の感想です。
それだけたくさん世にあふれているネタなので、唯一無二と思える物語に出会いたいと常々思っているのですが、新鮮味はありませんでした。

元から惹かれ合っていた書き込みはあるのですが、結局アルファとオメガ、それも運命の番だった二人の話。
この攻め受けだからこそのお話…と私はとらえられなかったのが残念です。

2

宮家を中心とする貴族社会のお話

雑誌で読んでいたので迷いなく購入しました。

オメガバースものだと、受けが酷い差別や性暴力に遭ったりするので苦手な方も多いと思います。

オメガの雅純は伯爵家の次男で大事にされていて、全寮制の学院でも学院長と保健医の協力の元でベータとして個人部屋を与えられてます。

雅純を狙ったアルファの同級生による強姦未遂事件も起きますが、攻めの用務員の三宅祥久に間一髪で助けられます。しかも祥久は貴族社会のトップに君臨する藤堂侯爵家の出自で、運命の番である雅純を守る為に跡取りになる事を承諾しています。

祥久の雅純への溺愛ぶりが凄いです。
そして雅純はオメガである自分を伯爵家の恥として、成人したら家を出て1人で生きて行くと考えていました。でも雅純の兄も両親もそんな事は全然思ってはおらず、祥久に無理強いされていないかと心配する程大切にされていました。

書き下ろしの「やんごとなきオメガの婚姻」は、雅純と祥久が番になってからの両家の厳かな婚約式の様子や宮家主催の宴で貴族社会へ2人の婚約発表の間に起きた、オメガコミュニティを主催する学院の卒業生からの嫌がらせや、そのコミュニティを狙った人物から雅純が拐われる事件とかが書かれています。

こちらも祥久によって危機一髪で雅純は救出されてます。深窓の令嬢のような雅純と騎士のように守る祥久のカップルなので、痛い描写が苦手な人も安心して読めます。そして在学中に雅純は妊娠して退学しますが、無事に出産して「愛しき年上のオメガ」の攻めになる悠真が産まれたところで終了しています。

遠野春日先生の濡れ場シーンに必ず登場する表現はあくまでもお上品なのです。
私はエチシーンをダラダラ数ページも書く作家さんは苦手なので、遠野先生のお話とエチシーンのバランスがとても好きです。



3

王道恋愛ものとしてはあり

遠野先生のオメガバースと聞いて購入。
スピンオフ作だとあとがきを読んでから知りました。
時代背景が分からず一瞬戸惑いましたが、こちらだけでも問題なく読めました。
やや辛口のレビューかもしれません。

今作の主人公・雅純は、良家の子息達が集まる全寮制の高校に籍を置く由緒正しき伯爵家の次男坊。
この作品の世界では、一般的にオメガは下層階級から生まれやすいとされています。
上流階級の者しか集まらない学院ではオメガがいるはずもなく、雅純はオメガでありながらベータだと偽り、いつかオメガだとバレてしまうのではないかと怯えながら高校生活を送っていて…

個人的に、全寮制もののオメガバースと聞くと非常にワクワクするんですよね。
今作の他と違うところはと言うと、主人公がとても恵まれた環境に居るところ。
本来ならば監督生にのみ与えられる個室を特別に与えられ、高価な抑制剤を毎日服用し、その副作用で体調が思わしくなければ身体が弱い事を理由に休む事が出来るよう取り図られている…と、この時点でかなりの高待遇です。
この設定が良くも悪くも働いてしまうのですね。

正直、評価が難しい作品だなと思いました。
淡い思いを抱いていた者同士が、校内で起きた初めてのヒートをきっかけに運命の番だと気付き、あまり大きな障害もなく恋を実らせる王道ストーリー。
祥久も雅純も真面目で誠実な人柄と、かなりまともな人物で決して嫌な気持ちにはなりません。
家族関係も良好で、むしろ協力的。
雅純の危機には祥久が王子様のように現れ救ってくれますし、どんどん惹かれ合う2人の恋愛描写は終始甘く優しく穏やかで、読んでいて安心感を覚えるほどです。
もう何も言う事がないくらい幸せそうなのです。
なのですが、それだけで終わってしまいます。

前半・後半共に雅純のオメガとしての葛藤も少し見られるものの、そこまで深くは描かれていません。
深く描かれる前に最高のお相手とくっついてしまっているので…
そもそも初めに書いた通り、とても恵まれた環境に居るので説得力があまりないのですよね。
大切に育てられた世間知らずの伯爵令息というか。
オメガは酷い目に遭うのが普通と言っているわけではなく、伯爵家の令息達の甘く優しい幸せなハッピーオメガバースもので終わるのなら萌2だったのです…!

しかし、後半になって突然男性オメガのみが集まる隠れたコミュニティのお話が入ってくる…うーん、どうなのでしょうか。
恵まれている雅純へのいびり方が陰湿で、この描写を入れる事も男性同士である必要性も感じませんでした。
危ない目に遭う前に祥久が救ってくれるので更に中途半端な事になってしまっています。
それよりも2人の蜜月っぷりや、なかなか会えずに居る期間に相手をどれだけ思っているか等、恋愛面をじっくり読みたかったななんて。
雅純が慕ってやまない兄・高範を絡めたやり取りも読んでみたかったです。
出番がこれだけでは勿体なく感じるキャラクターでした。

少々辛口に書いてしまいましたが、2人の恋愛面は萌2、その他描写も含めると萌かな…
スピンオフ元の作品も読んでいたのなら、また違う感想になったかもしれません。

7

上流階級の恵まれオメガ

スピンオフ作品ですが、単独でも問題ないです。
〝やんごとなき〟は古語で、「貴重な」「高貴な」という意味。
本作の主人公・雅純にはどちらも当てはまりそう。

貴族の次男である雅純(Ω)は、βと偽って全寮制一貫校に通っています。
そして、その学院で運命の番に出会いーー…

とても説明が多い文章で、会話部分が少ないです。
なので、ちょっと読みにくく感じました。
ストーリーとしては、トントン拍子に進んでいきますし、
とても恵まれた立場にいるΩの主人公です。

最上位貴族の祥久が運命の番であり、二人は直ぐに番契約を結びます。
初めてのヒートで番ってしまったので、大丈夫?と心配になりましたが、お互いを思い合い、愛し合う素敵な二人でした。
この二人、終始ラブラブの甘々です♡
祥久が用務員のお兄さんだと思ったら、実は高貴なお方だった所には萌えます!

また、二人の家族もとても素敵^^
優しい人たちに囲まれて番として幸せな経過を辿るのですが、
終盤に雰囲気が一転します……

常々、相談できるΩが欲しいと思っていた雅純は、男性Ωコミュニティに参加します。
そして、メンバーから陰湿ないじめを受けるーーという展開。
この参加Ωたちが子どもっぽくて、最悪です。
さらに、一人で出かけた雅純がΩ狩り?のようなカップルに拉致されそうになります!?

いや〜、この辺のエピソードって必要だったのかな?
雅純がまだ未熟で、本当の味方は身近にいるよって事を自覚させたかった?
うーん。ドキドキしたけど、何だかよく分からなかったです^^;

ラストは、雅純が男の子を出産し、この子が主人公の『愛しき年上のオメガ』に繋がっていきます。
雅純と祥久には、深い愛を感じました♡
欲を言えば、もっと二人が一緒に過ごす時間を楽しみたかったです。

6

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