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表題作真夜中の寮に君臨せし者

八鬼沼志季,学園創始者の一族で瑛都のルームメイト・高等部1年生
天国瑛都,名門全寮制男子校叡嶺学園の外部入学生・高等部1年生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

将来は政財医のエリートか、
大舞台で活躍する俳優か──。
専門コースを持つ孤島の名門全寮制男子校に
入学した瑛都。頭脳にも演技の才能にも恵まれ、
進路の選択に悩む瑛都のルームメイトは、
同級生の志季。芝居の相方としては相性抜群なのに、
誰とも馴れ合わない不遜な志季は、
「荷物を纏めてさっさと帰れ」と
瑛都にはなぜか冷たくて…!?
己の才能を信じて競い、研鑽する、
少年達の恋の軌跡!!

作品情報

作品名
真夜中の寮に君臨せし者
著者
夏乃穂足 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009952
4

(43)

(22)

萌々

(10)

(5)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
170
評価数
43
平均
4 / 5
神率
51.2%

レビュー投稿数8

読後の幸福感大

舞台は瀬戸内海に浮かぶ学園。
そこで意図せずも繰り広げられる数々の出来事(事件?)。
好みのど真ん中でもう読まないという手はありませんでした・・・

繊細な絵で彩られた表紙から素敵なのですが、ストーリーも負けず劣らず本当に素晴らしかったです。
この本の出版に関わって下さった全ての方、本当にありがとうございます。
まさに「神」という評価に劣らないお話だったと思います。

主役から脇役まで、めいめいが個性豊かで読んでいてとてもわくわくしました。
しかしこのお話、わくわくだけではありません。
ドキッとさせられることもありますし、あっと驚く展開だってあります。
ぜひ、ネタバレなしで読んでいただきたいです。
あの一文(志季が秘密を明かした科白)には痺れました。
読了後の方ならお分かりかと思いますが、まさかという感じでしたね。

そこからのストーリー展開は多少のドタバタ感があったものの、その事実を通して二人がお互いの想いを打ち明ける場面は本当に素敵でした。
大切に宝石箱にしまっておきたいくらい美しいキラキラが、本から飛び出してきたかと思いました・・・

想いが通じ合った後の、森の家でのえっちもほんとにキュンキュンしました。
他の方もおっしゃっているのですが、喘ぎ声で多くを語るのではなく、二人の会話や文章でどんな様子かを語っているのがとても萌えでした。
志季が瑛都に自分の目に映っている瑛都の感情の様子を伝える場面では、もう萌えを超えた何かが私の中に生まれました。
夏乃先生、ありがとうございます。

そして、主役カプもさることながら、先輩カプと同級生カプにも萌えが止まりませんでした。
とくに先輩カプは気になります。
できることなら、3組のカップルの続編、もしくはスピンオフが見たいです・・・
どれだけ時間がかかっても待ちますので、よろしくお願いします。

3

芸能もので寮もの

離島丸ごと富裕層向け中高一貫校で寮生活
演劇か経済界のサラブレッドを育てるという学校に
有名女優と有名会社社長の間に生まれた息子という煌びやかなバックグランドを持つ天国瑛都が入学してくる
かなり浮世離れしてるのですが
この瑛都がとても真面目で素直すぎるくらいまっすぐで
演劇の道を進んでいくのが心配になるくらい純粋
でも演技を通して仲間を作り嫉妬や恋心を経験して人としての厚みを持っていきます
学校にまつわる不思議な伝説や
彼らが演じる役や物語
役柄にどう向き合うかを通して
相手役である不思議な同室者の不穏な言動と近づいてくる距離感が自然に近づいていく
それもある意味異次元なんですが高校生らしさも失っておらずチート過ぎないとこが良かったです

二人の距離がグッと近づく冬休みのシーンはとてもロマンティック
舞台で愛を確認した二人が舞台を降りて愛を確かめ合うエチシーンはとても良かったです
傲慢だった志季が持つ秘密などモリモリですのに
他の方も仰っていますが読後感がとても爽やかでした
一読したあともう一回読むと志季の苦労が偲ばれました(笑)

高校3年間の最初の一年間なら残り2年や、めっちゃ匂わせてくれた先輩カップルのお話なども読んでみたいです

4

続編見たい

円陣闇丸先生のイラストがとても美麗で、電子書籍が発売する前から気になっていたのですが、口コミを読んで、ドロドロした内容だったらどうしよう...と買うのを迷っていました。

夏乃先生の著作は、飼い犬に手を咬まれるな、を先日読んだのですが、好きな要素はあるも、もちょっと早く攻め(の精神)に救いが欲しいし、ダークすぎると思っていたので、余計に迷ってましたが、結果、今回は買って正解でした!

主人公(受け)の心がピュアでキュンとするし、攻めもツンデレながら溺愛してるし、色々事件は起こるも、基本的に友人も主人公も、根がいいし、学園ものらしく成長も描かれていて、総じて青春でした。

最後の攻め視点の短編、もうちょっと読んでみたかったなぁ。主人公みたいな美人で天然な子が恋人なんて、超幸せと思う〜けど心配は尽きないだろうな笑

とにかく、読後は爽やかで、とっても良かった〜
先輩CPで続編ありそう。楽しみです。

9

設定が多すぎる

色々盛り込んだのは続編が書きたかったからなのか?
受け攻めも脇役も魅力的なキャラなのに、設定が多すぎて、ストーリーや萌えに集中できない。
ラスボス登場も攻めの秘事も、突然感が半端ない。
タイトルも宙に浮いしまって合ってないと感じてしまいました。

ですが後半のエロは、喘ぎ声の羅列の表現から解放してくれます。さすがこの作者様だなぁと思いました。
イラストも大変眼福でした。
好嫌相殺で中立ですが、次作も期待して待ちます。

9

映ずる虚像と秘された真実

今回は学園創始者一族で現理事長を祖父に持つ孤高の同級生と
大女優を母に持ち華やかな容姿の特待生のお話です。

特待生入学した受様が仲間達と切磋琢磨する中、学園の七不思議が関わる
事件に巻きこまれながら進むべき未来を見つけるまで。

受様は一代で財を成した野心的な起業家と美貌の女優の間に生まれた1人
息子です。働きながら夜間高校を出た父は受様にかける金を惜しまず、
受様を各界の重鎮達が後継者創出を目標として設立した叡嶺学園に高額な
寄付金と共に送り込みます。

受様は初年度の奨学金を獲得した優秀な頭脳と、数々の習い事により培わ
れた高い身体能力と人を惹きつける美貌を持ち合わせていました。その上、
中学卒業までに所属していた子供劇団では当然のように主役を務めるほど
演技の才能も有りました。

それ故に受様が物心ついた頃からずっと受様の未来を巡る諍いが堪えず、
受様は会社を継がせたい父と役者の道を歩ませたい母のため、政財医か
芸術芸能の2つの進路を選択できる叡嶺学園への進学を決めたのです。

それでも受様に残された日々はコース選択をするまでの1年間しかなく、
どちらを選んでもどちらかを失望させる選択をせざるを得ず。せめてこの
1年で自分の適性と望みを見極め、辛くても答えを出す決意しています。

瀬戸内海に浮かぶ島が丸ごと学園の敷地であり、基本的に生徒は長期の
休み以外は島から出る事は出来ません。受様は中高合わせて7寮あるうち
の1つ、薫風寮の寮生となります。

寮は全て同学年同士の相部屋で、受様はできればルームメイトと仲良くな
り、親友と呼べる関係になりたいと望んでいました。あらゆる面で人目を
ひく受様は常に周りから特別扱いされて普通に仲の良い友人を得ることが
叶わなかったのです。

ところがそんな受様の細やかな願いはルームメイトとの初対面で粉々に
砕け散ってしまうのです!!

受様のルームメイトは学園の中心的創始者の一族で現理事長の孫であり、
学園の主とまで言われる攻様だったのですが「初めまして」と挨拶をした
受様に攻様は冷たい声でこんなことを言い放つのです。

どうしてこの島に来た。この学園島は飢えた獣共を閉じ込めた檻だ。
お前みたいなのが入ってきたらどういう事が起きるか、想像した事はある
のか。

受様には攻様の言いたい事が全く判らずにいますが、攻様に腕を捩じり上
げられ、口に布のようなものを押し込まれ、脱ぎかけのシャツで両腕を
縛り上げられてベッドに突き飛ばされて、油断していればレイプされると
実地で教えられてしまうのです。

手を緩めた攻様になんとか反撃しようとする受様ですが、周り蹴りも不発
に終わり攻様を面白がらせただけで終わってしまいます。

果たして攻様の言葉は単なる嫌がらせなのか? はたまた忠告なのか?
そして受様の学園生活の行方とは!?

各界の重鎮達の思惑により創立されたエリート育成校を舞台にした学園
ミステリーとなります♪

成金な父親と美人女優の間に生まれた受様は、優秀な頭脳と母譲りの美貌
でいつも注目の的でしたが、幼い頃からぶつかり合う両親の元で育った為
人の顔色を見て出方を決めるタイプで、決して押しが強い方ではありませ
ん。

しかしながら様々な面で秀でている受様によって来る人達は、受様と共に
いる事で何かしらのメリットを得たいと思う輩ばかりで、ごく普通に楽し
い時を過ごす友人を得ることが受様の密かな願いでした。

そんな見た目と中味のギャップがあり過ぎる受様はちょっと天然かかった
優等生君なので、元子役の美少年、老舗呉服店の跡取り息子、受様のファ
ンだと言う俳優を目指す特待生という友人達も得、選択した演劇の授業で
その才能を開花させていきますが、

攻様の懸念した通り、中等部あがりで学園で幅を利かせる上級生一派に輪
姦されそうになったり、俳優を目指す特待生や元子役の友人が学園の七不
思議の1つである"天使の仮面"に取り憑かれたりと、閉ざされた島内、閉ざ
された学園内で様々な事件に巻き込まれ行くのです。

一見、無関係に見える出来事、登場人物の言動に隠された想い、積み重な
る事で見えてくる違和感や綻びを繋げていく事で明らかになっていく真実
に受様と一緒にハラハラししつつ、とても楽しく読ませて頂きました。

友人を信じられなくなったり、自身の才能に限界を感じたり、困難や苦し
みを乗り越えてようとあがく受様を、突き放しながらも守り続ける攻様の
いじめっ子気質なツンデレ言動がすっごく萌えツボでした♡

ただ、攻様が5才で両親の元を離れる事になった異能設定が本作の世界感
にちょっと合わない感じがしてしまったので、今回は「萌2」評価とさせ
て頂きます。嫌いな設定じゃないけどジョーカー感があり過ぎたかな。

8

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