でもこの人、勃たないんだっけ……。

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表題作脱いだら凄い嶋崎さん

嶋崎聡介・製薬会社研究センターコスメ開発部所属
畔田有紀・製薬会社コスメ事業部所属

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

製薬会社勤務の有紀は、偶然出会った素晴らしい肉体美の嶋崎に一目惚れする。
その“凄さ"が忘れられずにいたが、なんと彼は同じ会社に勤める研究員だった。
だが再会した嶋崎はぼさぼさの髪に無骨な眼鏡、悪趣味な服装の冴えない姿。
おまけに婚約者に捨てられ、EDになってしまったそう。
突飛な言動をするものの純朴な彼の助けになりたくて、恋愛指南をする有紀だったが……。

作品情報

作品名
脱いだら凄い嶋崎さん
著者
夏乃穂足 
イラスト
明神翼 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829625606
3.7

(42)

(8)

萌々

(20)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
155
評価数
42
平均
3.7 / 5
神率
19%

レビュー投稿数6

指南役が指南されちゃったお話

コメディ要素有りのリーマンものです。薬品会社のコスメ事業部と開発部に所属する二人の日常系王道BL。こういうのすごく好きなので、独断ですがリーマン好き同志におススメしたいです。

タチ専の有紀が姉の住むマンションで事故的に出会った男は、初対面にして素っ裸に腰巻きタオル一丁。一緒にいた有紀の甥っ子がこれまた事故的にそのタオルをはぐってしまい、大事な部分を目撃した有紀は鼻血を垂らしてしまう。彼にとってマグナム級の嶋崎さんという全裸男は、色んな意味で忘れられない人物でした。

新商品の開発チームとして同じ職場で再会した二人。あの魅惑のナイスバディなイケメンオーラはどこにいった?ってくらい、冴えないモサ男として現れた嶋崎さん。しかも肌フェチで研究オタクなのが発覚して、彼の熱意溢れる変態的ふるまいに事業部の女子社員からドン引きされてしまう…

顔合わせ後の飲み会では、嶋崎の上司の計らいと、有紀と同じくゲイを隠している同僚の冷やかしによって、なぜかイケてる有紀がイケてない嶋崎の恋愛指南役を務める流れになります。

ノンケ嫌いの有紀が完全異性愛者の嶋崎に惹かれる気持ちをセーブしてしまう葛藤は、テッパンだけどやっぱり切ないです。なのに、好きになったらとことん追求しまくるオタク気質な嶋崎は邪気のない言動で有紀を翻弄しまくるし…

これはもう断然、ズレてるけど実直な嶋崎のキャラに軍配が上がっちゃいました。ノンケとの恋愛は不毛だと思い込んでいる有紀を冷静に説得していく嶋崎の包容力!有紀の性的指向を容認している家族も協力的です。ゲイであることで傷ついてきた過去から抜け出して欲しくて、ここぞとばかりに有紀の背中を押してくれる。

たとえ勝算が無いに等しくても逃げないことで得られるものがあるかもよ?

なんて勇気付けられるような気がするし、そこまで深刻に捉えずとも読んでて普通に楽しいお話だと思います!

2

脱いだら別人

出会いが嶋崎の全裸姿で、それを見た受けになる有紀が興奮して鼻血を出してしまう、
そんなコミカルな展開でのリーマンラブ。
有紀はゲイで、初めて好きになった相手以外は常にタチ専門だったが、
姉のマンションの2軒隣のベランダまで脱走した甥っ子を追いかけてそこでシャワー中の
嶋崎に出会い、一目ぼれしてしまうのです。

それでも嶋崎がもうすぐ結婚するのだと知りながらもしばらくドキドキが治まらない。
それはまさに恋に落ちた瞬間みたい。
しかし、もう1度会いたいと思っていた嶋崎は既に引っ越していて、再会は同じ会社で
開発と事業部で、新企画がなんと嶋崎と組む事になります。
でも、あの時のシャワー上がりのイケメンぶりはなりを潜め、見た目も野暮ったく
肌フェチ気味の筋金入りの理系男だったりします。

婚約者に逃げられフラれていた嶋崎を開発の嶋崎の上司と有紀の仲の良い同僚とが
有紀に嶋崎を彼女に逃がられないようにしてやって欲しいと流れで有紀は嶋崎の
恋愛指南役を引き受ける事になり、そこから二人が恋人になるまでをコミカルに描き
ノンケの嶋崎が有紀に惚れる展開になると今度は有紀が過去の恋の傷を思いだし
前に進む事が出来ない状態になったりとアップダウンが切なさも感じさせる内容です。

1番面白いのが嶋崎の天然ぶりです、それに現在の嶋崎からは想像できない嶋崎の過去。
脱いだら凄いは、あっち方面も絶倫で、挙句理系特有の変態臭さも発揮される。
色々ギャップアリで恋したら盲目的になってしまう嶋崎が愛しいやら可笑しいです。
有紀の一目ぼれ片思いから始まった恋はいつのまにやら嶋崎の方がメロメロです。
素敵バカップルに幸あれと、最後まで楽しんだ作品です。

12

育成モノかと思いきや

1冊ぜんぶ表題作です。有紀(受け)の視点でストーリーは進みます。

あらすじで勝手に育成モノかと思っていたので、嶋崎(攻め)は昔はモテていてセフレ30人いたという絶倫男でビックリでした。外見を整える・デートの練習をするという「女慣れ」マニュアルの必要性ではなく、過去の失恋からの立ち直りと新しい恋へ向かうという話でした。

嶋崎の「愛されなかった理由を知りたい」が目的だったのに、有紀のレッスンで「愛する喜び」を見つけた、というセリフにぐっときました。

両思いになってベッドインで終わりでなく、同居して家族にも理解してもらってという幸せな場面があって、有紀の哀しい過去とのバランスがとれているように感じてほっとしました。

ただ、有紀が嶋崎の裸を見て鼻血を流すというコミカルなスタートでありながら、2年間付き合った男の本命は実姉だったという有紀と、初めて真面目につきあった相手に結婚直前でフラれるという嶋崎の過去が切なくて、ちょっと戸惑ってしまいました。初エッチで鼻血を出したら序盤との繋がりがあって面白かったかもと思いました。

哀しい過去を持つ受け、予想外の行動をとる天然っぽい攻め、すれちがい、好きだけど臆病で逃げてしまう受けを攻めが追いかけて抱きしめるような話がお好きな方にはお勧めだと思います。

2

理系天然×慎重美人

嶋崎さん、裸もスゴイんですが、それ以上にスゴイところ沢山アリましたっ!!

前半の出会い~再会は、コミカルで可愛くてテンポ良くて、思わず口元が緩んでたと思います^^
甥っ子を追い掛け、嶋崎の逞しい裸にウハウハする有紀側のシーンは、キャラも文章も気持ち良いー!
中半からの、有紀の嶋崎モテ作戦くらいから、嶋崎の理系バカっぷりが大増量。
切ない系がお得意かと思っていた夏乃先生、こっちの方も良いんじゃない?とまだフンフン♪と読んでました!

後半になると、ホワホワだった前半と色味が大分違ってきます。
読み進むにつれて足されるキャラの肉付けで、嶋崎が特に。
嶋崎の千人切り(??)エピソード、そこらから、嶋崎が有紀の手に余ってきているな、と読者にも分るんですね。
有紀には初恋のトラウマもあるしゲイバレが怖いしで、嶋崎と離れる決心をするのですが、わわ、嶋崎独走の気配が…!
その時の嶋崎が有紀に渡した「有紀メモ」、理系の天然はかわいいなと思わせそうなんだけど、橘、思いました;
嶋崎に[惚れられたら最後]の様相がコレに象徴されとる―!!
理系バカは、頭脳派の恋愛ゾンビになった―っ!!

有紀の髪の毛1本、大切に取っておきそうだ、いや抜ける傍からスライディングキャッチか、いやいや喰っちまうか……
嶋崎は多分痛覚が鈍いから、あ、自分で言ってた……
嶋崎さん、いろいろと妄想させてくれましたよ~v
夏乃先生、有紀はこれから大丈夫でしょうか;

面白かったです(笑)゛

5

意外と重いシリアス展開あり

夏乃穂足先生は初読みです。
本作の主人公は、畔田有紀(くろだ ゆうき)。
製薬会社のコスメ事業部勤務、美形で女性にモテモテだが実はゲイ(タチ)。家族はゲイを知っているが、会社では隠している。
そんな有紀が姉の子供・汐音の子守中に、汐音が勝手にベランダを伝って出て行ってしまう。慌てた有紀が二つ隣の部屋のピンポンを押しまくって入れてもらい…
その部屋の住人はシャワー中だったらしく裸にタオル一枚。それが素晴らしいカラダで顔も精悍なイイ男。しかし汐音がタオルを引っ張って、なんと初対面からtnkとご対面〜!
しかもその男・嶋崎は、実は同じ会社の研究センターのコスメ開発の担当者だった…!
…という始まりで、これはコメディ系かな、普段は理系で冴えない嶋崎が脱いだら凄いというエロ甘ほのぼの系かな、と思いつつ読み始めました。
が。
確かに嶋崎のギャップはその通りなんですけど、嶋崎の抱えていた苦悩や背景が思いがけず重い。
内容は有紀がダサい嶋崎を改造する、という流れで進みますが、有紀は嶋崎にどんどん惹かれていく。しかし嶋崎がノンケである事と同じ会社勤務という事がネックになって全く先に進めないという、まあありがちながらもシリアスな展開になっていきます。
嶋崎も多分有紀に惹かれていることは読者には読み取れるのですが、有紀は嶋崎が自分の姉に気があるのでは、と誤解しています。
そんな時、海にやってきた嶋崎と有紀。
秘めた恋心に苦しむ有紀に突然キスをする嶋崎!
その後あれこれありまして、嶋崎は有紀に告白してきます。理性が飛んだ有紀は嶋崎を誘い、遂に2人は…!
しかし、両想いになったはずなのにここから物語は重苦しい空気が立ち込めてきます。
どうして…?と思う位暗いトーンになる終盤が何とも切ない。
有紀の苦しみを知った嶋崎が取る行動はちょっとズレています。でもそこが嶋崎の誠実な本気を表している。有紀も素直になって本当の恋人に…
有紀の元のタチ設定はよくわからない…だってはじめっから嶋崎に対して乙女チックで受けっぽかったです。

3

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