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表題作嘘とキスと嘘

佐伯一成,28歳,会社員(自動車メーカー企画)
白井純也,28歳,会社員(経理)

あらすじ

高校の同窓会で十年ぶりに再会した一成。あの頃と変わらない華のある男前、人なつこい笑顔、そして突然抱きしめられて—――純也の心は揺れる。高校時代、二人は付き合いキスまで進んだ仲だった。だが一成に想いを寄せる少女が放った鋭いひとことがきっかけで、ストレートの彼を自分の性癖に引きずり込むことに罪悪感を覚えた純也は一方的に別れを告げてしまったのだ。そんな純也は同窓会のさなか、一成が半年後に結婚すると知った。これでやっと十年間の恋に終止符が打てるという気持ちの一方で、一成を繋ぎ止めておきたい思いが膨らみ、純也はつい「僕はあと半年しか生きられないらしいんだ」と、とんでもない嘘をついてしまう。一成が結婚するまでの間、一緒に暮らしたい…純也のそんな願いを聞き入れてくれた一成との同居生活が始まった。嘘と幸せが隣り合わせの日々…やがてそれは思いがけない結末を迎えることに。

作品情報

作品名
嘘とキスと嘘
著者
墨谷佐和 
イラスト
桜之こまこ 
媒体
小説
出版社
シーラボ
レーベル
ラルーナ文庫オリジナル
電子発売日
3.1

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萌々

(3)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
26
評価数
9
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

設定が好みです

「このまま付き合っていたらきっと相手をダメにしてしまう」と思って、高校卒業と共に他県の大学に進むことで別れてしまったカレ。それから一度も会っていないけれど、心の中ではずっと想っていました。カレが来ると聞いて「一目会うだけでも」と参加した同窓会で相変わらず優しく接してくれたけど、カレから「結婚する」と聞いて居ても立っても居られなくなって「自分は半年後に死んでしまう。それまでいいから一緒に居て欲しい」と懇願してしまったんです。優しいカレはそれに従ってくれて……

ねぇ、そそりません?
私、このお話のあらすじを読んで「めっちゃ読みてーっ!」って思ったんですよ。
このメロドラマ感、半端ないですよね。
そしてね、どういう風に決着をつけるのかが気になるじゃないですか。
だって「半年で死ぬ」って言っちゃっても死なない訳ですから。
世界の果てに逃げてしまわない限り、それが相手にも解っちゃうわけですから。

この『身を引く』くせに『死ぬまで一緒に暮らして』って言っちゃう方が受けさんの純也なんですけれども、なんて言ったら良いのかなぁ……『日陰の女(男だけど)っぽい』とでも言うか、昔っぽいんですよ、考え方とか行動が。
そんで、それがやたら色っぽいの。
一昔前のBLなら、悪い奴らに売られちゃったりするような匂いがしたりする。
相手の一成が良い男なんだけれどほとんど印象がないのに対して、純也は激しく匂い立つような色気があるんですよ。

……「死ぬ」と言った以上は、何がどうなって落ち着く所まで行くかが大きな『お楽しみ』なので、細かいネタバレは止めておきます。
一言だけ書かせていただくと、大きく外した仕掛けがあるわけではなくて、BL小説をよくお読みになる姐さまであれば、予測通りの進み方で進んで終わります。
大どんでん返しとかトンデモがある訳じゃない。
多分このお話、受けさんを楽しんだり、愛でたりするお話なんだと思います。
わたくしはこの『昭和(80年代以降を除く)の女感』を大層楽しみました。

7

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