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「このまま付き合っていたらきっと相手をダメにしてしまう」と思って、高校卒業と共に他県の大学に進むことで別れてしまったカレ。それから一度も会っていないけれど、心の中ではずっと想っていました。カレが来ると聞いて「一目会うだけでも」と参加した同窓会で相変わらず優しく接してくれたけど、カレから「結婚する」と聞いて居ても立っても居られなくなって「自分は半年後に死んでしまう。それまでいいから一緒に居て欲しい」と懇願してしまったんです。優しいカレはそれに従ってくれて……
ねぇ、そそりません?
私、このお話のあらすじを読んで「めっちゃ読みてーっ!」って思ったんですよ。
このメロドラマ感、半端ないですよね。
そしてね、どういう風に決着をつけるのかが気になるじゃないですか。
だって「半年で死ぬ」って言っちゃっても死なない訳ですから。
世界の果てに逃げてしまわない限り、それが相手にも解っちゃうわけですから。
この『身を引く』くせに『死ぬまで一緒に暮らして』って言っちゃう方が受けさんの純也なんですけれども、なんて言ったら良いのかなぁ……『日陰の女(男だけど)っぽい』とでも言うか、昔っぽいんですよ、考え方とか行動が。
そんで、それがやたら色っぽいの。
一昔前のBLなら、悪い奴らに売られちゃったりするような匂いがしたりする。
相手の一成が良い男なんだけれどほとんど印象がないのに対して、純也は激しく匂い立つような色気があるんですよ。
……「死ぬ」と言った以上は、何がどうなって落ち着く所まで行くかが大きな『お楽しみ』なので、細かいネタバレは止めておきます。
一言だけ書かせていただくと、大きく外した仕掛けがあるわけではなくて、BL小説をよくお読みになる姐さまであれば、予測通りの進み方で進んで終わります。
大どんでん返しとかトンデモがある訳じゃない。
多分このお話、受けさんを楽しんだり、愛でたりするお話なんだと思います。
わたくしはこの『昭和(80年代以降を除く)の女感』を大層楽しみました。