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砂漠のアルファ王と純潔花嫁の政略結婚

sabaku no arufaou to junketsu hanayome no seiryaku kekkon

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表題作砂漠のアルファ王と純潔花嫁の政略結婚

カイル(α)、14歳→24歳、サラディーン王国国王
ミシェル(Ω)、8歳→18歳、ハーランド王国王子

その他の収録作品

  • サラディーン砂漠の奇跡〜ジャンメール宮の小さな画家

あらすじ

おまえが望むものはこれか?
北のハーランドと南のサラディーン。両国の友好の証として、オメガのミシェル王子は幼い頃の約束通り若きカイル王の花嫁となるが…。

「どうか私の后になってほしい」北のハーランド王国と南の砂漠の国サラディーン――両国の友好の証として、オメガのミシェル王子は幼い頃の約束通り若きカイル王の花嫁となった。太陽みたいに明るく神々しく、それでいて優しく微笑まれる獅子のような人。だが焦がれる想いとは裏腹に、ミシェルは慣れぬ環境から体調を崩し夢見ていた初夜も流れてしまう。そうして復調後もカイルは戸惑った様子で触れるようなキスばかり。僕はどうして抱いてもらえないんだろう――懊悩するミシェルをよそに「孕まずのオメガ」の噂が広がり…。

作品情報

作品名
砂漠のアルファ王と純潔花嫁の政略結婚
著者
墨谷佐和 
イラスト
二駒レイム 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576240176

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39

3.2

(7)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
23
評価数
7
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

アラブ

アラブかな?と期待したのと、二駒先生描かれる表紙の受けの金髪と褐色男子に一目ぼれして購入。どちらのキャラも好みど真ん中というのではなかったし、モダモダ長かったなあ・・という気がしたので中立寄り萌にしました。本編220Pほど+あとがき+4Pおまけ。

8歳の時に見初められ、南の大国サラディーンへ嫁ぐミシェル王子。やっとのことで結婚式を挙げたその日も発熱してしまい・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ハリス(受け側近)、ザハム(攻め側近)、シャリーン(攻め乳母の孫)ぐらいかな。攻めが鷹を飼いならしているんです。鷹、いいなあ。カッコよい。

++お話について

攻めは超優秀アルファ、強気だけど受けに対しては今一つ強く出られない印象でした。受けに一目ぼれ、10年遠距離恋愛の後、やっとこさ砂漠の国に連れてきたのにさあ。

受けも攻めに一目ぼれ、やっとこさ嫁に来たのに、なかなか手を出してもらえないわ、周りからは一発で妊娠するんちゃうの、等と圧をかけられーの、自分は体調悪くなりーので、あれこれ大変。

攻め受けともお互いが好きで好きでしょうがないはずなのに、なんだかすれ違いが続いて、「いーーーーっ」となってしまった一冊でした。気持ちを通わせるのってめんどくさいし大変!ってことを伝えたかったのかしら、墨谷先生は。

2

幼き頃の約束を果たすために

今回は南の大国の国王と北の大国の末王子のお話です。

攻様に求目られて嫁いだ受様が
誤解とすれ違いを乗り越えて攻様の真の伴侶となるまでと
2人の子供の後日談短編を収録。

この世界には男女の他に
アルファ、ベータ、オメガという性があります。

男オメガは男ながらに子を孕めるオメガと
孕む事のできない「孕まずのオメガ」がいるされ
不安定な性と言われます。

受様は豊かな森林を有する北の大国
ハーランド王国の末弟王子として生まれます。

南の大国サラデーン王国との安全で最適な貿易の道は
両国の悲願だったため、交易の道が完成すると
更なる友好の証として婚姻関係を結ぼうと
サラディーンの王子の攻様がやってきます。

父王は3人の姫のうちアルファの上の姫を候補としますが
14才の攻様が選んだのは8才になるオメガの受様でした。

受様が婚約していた10年の間に
攻様は王子から王となりましたが

受様への思いは変わず
攻様は長い婚約機関の間も馬を飛ばして
何度も受様に会いに来つつも清らかな関係を続けます。

攻様は受様がヒートを迎えて大人になる日を待ち続け
受様がヒートを迎えるとあっという間に婚礼の話が進み
受様は攻様のまつサラディーンに旅立ちます。

受様は交易の道にて最短の行程南下しますが
馬車で半月はかかる道のりです。

受様の胸は攻様への思いでいっぱいですが
離れない長旅の疲れから徐々に体調を崩し
旅の中断が決まると気落ちして泣けてきてしまいす。

そんな時に馬のいななきと蹄の音が響き
高らかな名乗りを上げて「花嫁を迎えに来た」と
攻様が現れるのです!!

「花嫁を待ちきれぬゆえ、先にもらっていく」と
馬車から受様を抱え上げて馬に鞭を入れて
王都を目指して駆けだし・・・

南の大国の王である攻様と北の大国の王子である受様の
王宮オメガバースになります♪

攻様に嫁ぐために様々な努力を重ねた受様ですが
攻様の国への旅は体調に大きな変化をもたらた上に

サラディーン王は太陽神の生まれ変わりされ
王の為す事は全てが正しいとされて
唯一の妃でも攻様の望まぬことや物申すことは
許されません。

その上、攻様が受様を気遣って
受様に手を出さないのはわかるのですが
異国に嫁いだ受様の気持ちを思いやるよりも
自分がしたい事をしている感が強く

両片思いなのにすれ違うくジレジレを楽しむはずが
攻様の強引さが招いた必然のような感じました。

恋の先にある夫婦となってもすれ違いまくり過ぎて
あまりツボじゃなかったので「萌」評価とします。

またカバーイラスの受様は儚げに見えましたが
中頁のイラストでは攻様が言うほどが線が細くないかな。

3

砂漠が舞台の、じれった(すぎる)両片想い

こちら、砂漠の国を舞台にしたオメガバース物語です。
砂漠の国のα王子カイル × 北方の国のΩ王子、ミシェルのカプ。
アラブものって、やっぱりいいなあ。

まず、二駒レイ先生の表紙の麗しいこと!!表紙に一目惚れして、コミコミさんでアクリルコースター付きで即予約してました。
褐色肌の攻め様も、大変好みです(*´艸`*)

キャラでいえば、シャリーン!攻め様の乳母の孫。この子がめちゃめちゃ可愛くて萌えた。。舌が回らずミシェルのことを「ミチェル、こにちは。」って言うんですよ…可愛すぎんか。大きくなった姿をどこかで見てみたい。

コミコミさん特典の小冊子が個人的にとってもいいなと思ったので、これから読まれる方はぜひ。
攻め様視点で出会い〜結婚一年後とエッチが書かれていてにやけました◎

以下、ネタバレありのレビューとなります。(すみません、つらつら書いていたらものすごく長くなりました。。)



まず簡単なあらすじを。

砂漠の国のα王子カイルは、花嫁探しにやって来た北の国でΩ王子のミシェルを見初め、二人は婚約。
10年後いよいよ輿入れが決まり、ひたすらカイルのことを想い続けてきたミシェルはとても嬉しく思うのですが、いざ国に着いてみると、体調を崩したミシェルを気遣い、カイルは自分を一向に抱いてくれません。そしてそのうち、人々の間には「ミシェルは”孕まずのオメガ”では?」という噂が広まり、ミシェルは愛しい人に抱いてもらえない焦りと不安を抱えるようになりー

と続くお話です。

砂漠の国サラディーンでは、王の生を授けた両親以外は全て王の所有物である(后も王の所有物…)・后から王を求めることは淫らである・建国以来の一夫多妻制である、などなどの設定…

…この国、お后様にとってめちゃくちゃ生きにくそうだよ!!!
しかしそんな文化の違いも自分なりに受け入れようとするミシェルの健気な姿が印象的でした。

で、ここから怒涛のすれ違いターン。

愛するミシェルにリラックスして欲しくて、ミシェルの母国の様式に部屋を整え、母国の料理を提供させるカイル。
一刻も早く「サラディーンの人間」になるため、部屋も料理もサラディーン式にして欲しいけれど、言い出せないミシェル。

また、父・母になるより、しばらく二人の蜜月を楽しみたいと願うカイル。
それに対し、できるだけ早く愛する人の子供を産んで后としての仕事も果たし、我が子をカイルに抱かせたい、と願うミシェル。

ミシェルを喜ばせたいカイルがバラの花束を用意すれば、砂漠では数日も持たない薔薇のために民の税がいくら使われたのか…と、ミシェルは素直に喜ぶことができない。

そしてやっとやっとヒートが来て体を繋げた!と思ったら、カイルは無茶をさせ過ぎてミシェルを出血させてしまったことを激しく後悔し、「壊したくない」とそれ以降抱くのをやめう。また抱かれたい…と切実に願うミシェルが哀れで。

もうこの二人、すれ違いまくり×10000!!!
187Pまで読んだ時点でもまだすれ違っていて、さすがに大丈夫か!?と若干心配になりました。
会話!会話と歩み寄りだよ〜!と思うのですが、まあなかなか難しいのかな。
本音でぶつかって相手に嫌われたらどうしよう、って思っちゃうもんね。。

そしてオメガ男性は一度体を重ねればほぼ確実に妊娠する、という設定のこちらの作品。
数ヶ月しか経たないうちに、国民の間からも「御子は…?」なんて言葉が出て来ちゃうのは、作中にもあるようにミシェルにとってものすごいプレッシャーと悲しみと焦りを生むものだっただろうなあ( ; ; )

なんだか、リアル夫婦のすれ違いの悩みを読んでいるようなシリアスな気分になるストーリー展開でした。

このお話、お互い一目惚れしていよいよ結婚して…というところから始まっているので、すれ違いターンがとても長いんですね。
個人的に萌えるのが「攻めが諦めずに受けを追いかけ続ける」というものなので、ちょっと一番好きなパターンとは違ったんですけれど。

わざわざ遠い国まで嫁いできて肩身の狭い思いをしている嫁、ミシェルの気持ちも分かれや!!早く抱きなはれ!と攻めにハッパをかけたくもなり、かなり悶々・ハラハラさせられたんですけれども。

終盤も終盤の、受け君の成長(と攻め様の本音吐露)が…すごかった。(語彙力)
そうだよね、子供が欲しいから抱いて、じゃなくて、愛してるから抱いて欲しいんだよね!!そしてそれを言葉にして伝えなきゃね。
やっとやっとやっと…という感じ。

もう一度体を繋げた時の、ラピスラズリの話がとても好きでした。エッチなのにロマンチックで。

長い長い長ーーーいすれ違いを乗り越えて…の両想いに、ぐっと胸が熱くなる物語でした。

===================
ひとつ、あれっと思ったのは。
カイルがミシェルに薔薇の花束をサプライズで贈るシーン。地の文に「ゴドラ(アラブ男性の頭に巻くスカーフ)を被っていないカイルの黒い縮れ毛は…」とあるのですが、挿絵ではスカーフ、被ってるなーと…
アラブ衣装には詳しくないので、ゴドラの認識が間違ってるかもしれませんが;ちょっと気になっちゃいました。

2

どっちもどっち

政略結婚から始まるオメガバース。
政略ではありますが、出会いのときからどこか運命的なものを感じる2人の婚約は、純愛だなと分かる甘さが漂っていました。なんの問題もなさそうな2人が直面するのが、結婚というゴールのその先…世継ぎのことです。

サラディーンに嫁いできたミシェルに課せられたことは子どもを孕むこと。周囲の者たちから期待されて、悩み苦しむ結婚生活がこの作品のメインです。ミシェルに欲情の気配は見せても一向に抱こうとしない、王のカイルとのすれ違いを描いたストーリーになります。


想い焦がれていたカイルとの結婚生活の期待が、嫁いだ瞬間からお世継ぎ一色となり、后としての責任感に押し潰されそうになるミシェル。頭の中は、唇にキスして欲しい、抱いて欲しい、そればかりです。
体調を崩してばかりのミシェルを思い遣って、カイルは全然ミシェルを抱こうとしない状況も悪い方に働き、ミシェルの焦りは加速していきます。「孕まずのオメガ」かもしれないと落ち込み、希望に満ちたカイルとの婚姻生活が苦痛に感じていくのが見ていて切なかったです。
切ないシーンが多いけど、お互いに愛し合っているのは明白なので、細かい心理病描写や夫婦間の微妙なすれ違いに注目しながら読んで欲しいなと思います。


子どもが欲しいミシェルの焦りと、ミシェルの身体を気遣い手を出さないカイルのやりとりが、すごくもどかしいし焦ったい!
カイル、もう我慢しないでな抱きなよ、と。何度思ったか。
ミシェルの身体は大事にしてるけど、心は全然大事にしてないし、そうじゃないんだよなぁ〜…って思う言動がチラホラ。優しさと溺愛が裏目に出ていて、2人のピリピリした感じに胸が痛みました。

愛し合っている夫婦なのに、妻が子どもを欲しがるセックスレス夫婦 みたいだなと思いました。
ミシェルが子どもを孕みたいと何度も言うのは確かにウンザリかもだけど、ミシェルの置かれた状況を分かって欲しいですよね。子どものことより何より、本当はカイルにたっぷり愛されたいんだって、本音を言えれば良かったんだろうけど、それが出来ないこの国の慣習やしきたりが邪魔してるのも良くなかった。

色んな状況が彼らの幸せな結婚を阻害していて、誰が悪いとかそんなわけじゃなく、どっちもどっち。
恋人期があって、そのときにたくさんイチャイチャできていたら、また少し変わったのかも知れませんね^ ^


子どものことで頭がいっぱいになってて、まだ18歳なのに……なんか可哀想だなと思いながら読んでました。カイルのことが好きで、だからこの国のために子どもが欲しいと、周りに洗脳されていた状況はミシェルを更に孤独にさせていて切なかったです。
それに。"孕まずのオメガ"というけど、カイルの方に問題があるかも知れないじゃん。…というのはタブーですかね(笑)


何はともあれ、最後はきっちり幸せエンドになったので、ホッとしました。
溺愛攻めが大好物の私としては、カイルの溺愛にはいまひとつ萌えなかったので、"萌"評価にしました。

4

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