清らかな雪は白金の狐の愛にとける

kiyoraka na yuki wa hakukin no kitsune no ai ni tokeru

清らかな雪は白金の狐の愛にとける
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立4
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
6
得点
42
評価数
16
平均
3 / 5
神率
12.5%
著者
村崎樹 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カズアキ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
電子発売日
価格
¥870(税抜)  
ISBN
9784344847965

あらすじ

祈祷や占い、呪術などをなりわいとする八尾家の長男・雪華は、跡取りでありながら霊力が弱い落ちこぼれの呪術師みならい。そんな雪華を幼馴染みの妖狐・焔はいつも助け、雪華も焔を兄以上の存在として慕っていた。並外れて霊格の高い焔は稲荷神の眷属へと請われるが、雪華のそばにいるため使役獣「管狐(くだぎつね)」となる道を選ぶ。けれど、管狐は男女の番で主人に仕えなければならず、やがて美しい少女・鈴蘭と夫婦となった焔に雪華は胸苦しさを覚えてしまい…!? お互いを想いながらもすれ違う、孤独な主従の執着愛。

表題作清らかな雪は白金の狐の愛にとける

焔,11歳→24歳,雪華の幼馴染の妖狐
八尾雪華,9歳→22歳,呪術を生業とする八尾家の跡継ぎ

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

続きが読みたくなる作品

まずデビュー作である事に驚きました。とても面白かったです。

まあ読み進めていれば雪華の誤解とか、焔の真意とか鈴蘭の最後の願いとかは想像の通りでした。その辺りがちょっと甘かったかな?


それでも呪術師を生業とする実家を飛び出してからの雪華はようやく世の中を知ることが出来て、呪詛払いで人々を救おうとする姿には目を見張るものがありました。

特に志之介と出会ってから雪華と焔の関係が好転したのが良かったです。
志之介がとにかく可愛くてほのぼのしました。

途中の雪華が余りにも後ろ向きで自信の無さから、焔に言いたいことも言えない様子にイライラしたものの、すれ違いとして盛り上がったのも確かでした。

焔の雪華に対する執着にも萌えました。
女性キャラをイヤな役にしないという作者様の信念ゆえに、鈴蘭の扱いが都合良過ぎる気もしました。

それでも雪華と焔と志之介の旅の続きを読みたくなったし、雪華が出奔した後の父親のその後も知りたいと思いました。
全て悪いのは雪華の父親だと思うんですよね。

0

誰よりも大切な貴方のために

今回は金狐の両親から生まれた高い霊格を持つ白金の妖狐と
呪術師の家に生まれた霊力の低い跡継ぎのお話です。

受様が定められていた攻様との関係を超え
新たな絆をつくるまで。

八尾家は人間に仕える妖狐を管狐として使う呪術で
占術を用いた縁談や商談への助言、失せ物探しから
呪詛の祓いや特定の相手に呪いをかけて欲しいという
願いまで広く請け負っています。

受様は八尾家の嫡子ながらも霊力が低く、
修行をしても成果が出ず、
妻を喪ってからさらに呪術家業に没頭する父は
成果の上がらない受様に落胆の色を隠しません。

受様は自分の呪いが誰かを傷つける事に恐怖し
その臆病さこそが修行を進ませないのだろうと
情けなく思っていますが、

そんな受様の優しい心根を大切に思い、
励まし続けているのが幼馴染である攻様でした。

八尾家の呪術師に仕える管狐は
夫婦が揃った状態で契約するしきたりであり
攻様は当主の管狐である金狐の夫婦の間に
産まれた白狐です。

攻様は受様より2年前に誕生しますが
白狐は高い霊格を持っている事から
いずれ誕生する跡継の管狐となる予定は白紙となり
稲荷神の眷属となる事を望まれす。

長じた攻様は受様の父である当主に数えきれないほど
稲荷神に仕えるようにと言い続けますが
攻様は自分が仕えたいのは受様1人とひきません

受様は攻様の為にも立派な呪術師になり
無二の親友である攻様が胸を張って受様の隣に
いられるようなろうと修行に励むようになります。

しかし、受様が12、攻様が14となった初夏、
当主は管狐は夫婦でならねばならぬしきたりと
金狐の少女を攻様の許婚者に定めた事で
2人の関係に劇的な変化が訪れるのです。

受様は少女に攻様を盗られるのではと心配しますが、
姉御肌の少女は攻様と一緒に受様を守ると言い、
2年後には攻様の妻となり、2人は受様の管狐となります。

2人は夫婦として徐々絆を深めていきますが
受様は攻様の婚姻で攻様への恋を自覚し
前に進めなくなっていたのです。

そんなある日、受様は請け負った呪詛に失敗、
返された呪詛は攻様の妻を襲って悪狐化とさせ
彼女は命を落としてしまいます。

駆けつけた攻様は断末魔の彼女の最後の願いを聞き
受様に呪意を掛けるのです!!

果たして攻様に呪われた受様に未来はあるのか!?

村崎先生の商業デビュー作である本作は
リンクス新人賞奨励賞作に大幅改稿を加えての書籍化で
呪術師の家に生まれた受様と彼に仕える妖狐の攻様の
和風ファンタジーになります♪

ファンタジーももふもふも大好きだし
呪術師と妖狐という異種族な主従関係もツボだし
カズアキさんのカバーイラストも素敵だしで
手にした1冊です。

大正初期という時代背景、
不可思議な呪術師と使役という上下関係に加えて
人と妖いう種の壁のある2人がどんな恋模様を描くのかと
ワクワクで読み始めましたが

2人が互いに想い合っているのは明らかなのに
攻様は必要な事はいえ妻を迎えるし
その妻は受様への呪詛返しに巻き込まれて死んでしまうし
挙句に受様は攻様に呪われてしまうしと思っていた展開とは
全然違う転がり具合にワクワクが止まりません!!

呪術師を頼る人の持つ欲深さとともに
人が善意や優しさを持っていると信じさせる描き方で
自分の為というよりは誰かの為にと前を向く
受様の弱さと強さを織り交ぜながら進み

狸の妖怪に憑かれた少年との関りから
徐々に終幕へと向かって張られていた伏線が回収され
受様が攻様の手を取るまでハラハラ&ドキドキ、

呪術を交えたバトルシーンも迫力があり
たいへん楽しく読ませて頂きました (^O^)/

カズアキ先生の妖艶な攻様と清廉な受様のイラストも
物語世界にあっていてとっても良かったです♡

2

管狐

先生デビュー作とのこと、おめでとうございます。リンクス新人賞で奨励賞を取られた作品でファンタジーには違いなさそうだと思ったので購入しました。可愛いところあり、くすっと笑えるようにしているのだろうなと思うところあったのですが、呪術のおどろおどろしい部分に引きずられてちょっとしんどかったので中立にしました。本編250Pほど+あとがき。

時は明治。管狐を使った呪術を生業とする家に長子として生まれた雪華(せっか)は父の後を継ぐべく呪術を父から学んでいますが、霊力が少ないことや、呪いがおっかないことから、なかなか成果が上がりません。幼い頃から一緒にいる焔(ほむら)は「ずっと一緒にいる」と言ってくれるのですが・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
鈴蘭(攻めの嫁、管狐)、志之輔(5歳♂、途中で預かる、可愛い)、統慈(とうじ、僧)、その他諸々。志之輔は可愛い、おたぬも最後は可愛い。

++攻め受けについて

受けの成長話なのかな。最初は呪術がこわくてひ弱で、容貌が女性よりなのもあって、痛々しい健気さんという様子。このまま最後まで健気さんでいくのかしら、志之輔の母という役どころですかと思っていました。そしたら、最後は危機に陥った攻めさんを叱咤激励して(というかしゃぶって)なんとか奮い立たせ、死の淵から呼び戻す勇ましさ。最後、攻めを助けるために乗っかるところは「おお」という感じでした。そこの勇ましさ、まあ愛する焔のため必死だったというのかもですが、ちょっとびっくりです。

攻めさんはやや軽めチャラ男という感じもある、垂れ目な力ある妖狐さん。彼の方の心情は分かるような分からないような、微妙な感じです。チャラ男な喋り方をする箇所があるせいかスパダリ感が私には分からず、きゅん♡というツボに到達できなかったでした。

呪術のスプラッタな部分がちょっと苦手だし、溺愛ゲロ甘大好き人間で、もうちょっとわかりやすーーーーーーーく溺愛していただけるお話の方が嬉しいため、シリアスよりなこのお話にちょっとハマれなかったでした。志之輔のつたない喋り方は好きだったんだけどな。

2

完成度が高いデビュー作

今作が作家様のデビュー作と聞き、非常に驚いています。いやすごい。
妖怪、呪術、清祓師etc…と、特殊な設定が多く、全体的に和風なファンタジー作品といった雰囲気なのですが、起承転結が分かりやすく、伏線回収も綺麗で読みやすい。
そして何よりキャラクターが魅力的なんですよ。
面白かったです。読み応えがある250P超でした。

時は明治。江戸が終わり、新しい時代がやって来た。
依頼を受け、自身に仕える妖怪を使役して人を呪うことを生業としている呪術師の家系に生まれた雪華。
高い能力を持った主人公が能力を駆使してバッサバッサと活躍するお話も勿論面白いのですけれど、今作は、先祖代々高い霊力を持つ家系の中で、霊力が弱く"人を呪うには心優しく、純粋すぎる主人公"というのが非常に良い味付けだなと思います。
そんな雪華に寄り添うように共に在るのは、幼馴染であり、強い能力を持つ妖狐の焔。
彼がまたなかなかの良キャラクターでですね。
普段は飄々としていながら、頼りになる強さを持っているだけでも「おっ」となるのですが、あちこちで雪華に対する執着が見え隠れするのだから困る。
受け攻めどちらも魅力的でした。

「幼馴染」「使役する側とされる側」「呪い」
この辺りの設定を上手く生かしながら、幼馴染2人が幼い頃から大人になるまでが描かれています。
成長するに連れて変化していく感情や立場、環境。
一方で、ずっと変わらないものもある。
受けの雪華視点で幼少期のエピソードから丁寧に描かれているので、特殊な設定にも置いてけぼりになることなく、世界観にも2人の関係性の変化にも流れるように入り込めるかと思います。

呪い呪われな生業が登場することもあって、雪華と焔が送る日々は決して穏やかとは言えないものなのです。
そして、どこからどう見ても両想いなのが分かるのに、悩んだり苦しんだり…一筋縄ではいかないどうしようもない切なさが漂うんですね。
なんというか、お互いのことを良く見ているのに交わらない切なさともどかしさが、読み手からすれば読んでいてたまらないものがあるんですよ。
ただ、これだけだと息苦しさを感じてしまいそうなところなのだけれど、合間合間にまた良い塩梅で萌えが練り込まれていて、スパイスの加え方が本当にお上手だなと。
はーーー、大変良い萌えでした。

内容的にもまずは読んで欲しい気持ちが大きく、誰それのどこがどうと詳しくは書けず…
ありきたりですが、良かったとしか書けないのが悔やまれます。
幼馴染ならではの繋がりの強さ、飽きさせないストーリー展開、丁寧な心理描写、手に汗握るバトルありと、シリアスベースながら緩急がしっかりとした面白い作品です。
作家様の今後の作品も追いかけたいですね。

それから、個人的に女性キャラクターまで魅力的な作品は良作が多いなと感じていて。
サブキャラクター達の描かれ方も決してサラッとではなく、作品になくてはならない存在として描かれていて非常に好み。

3

ちょっともやもや……

BLの世界だけではなく、小説そのものを読む人が減っているとのこと。
文字萌え、特に好みの文体に激しい萌えを感じる私としては、このような時代に新しく作家になられる方のご本は出来るだけ読みたいし、是非応援させていただきたいと思っております。

なので「めっちゃおもしろかったー!」と書かないのは心苦しくて。
ただですね、どうも私、呪詛話が苦手なのですよ。霊的なものってそもそも理屈では何ともならないことですよね?それが理屈っぽい私と合わないんだと思うんですよ。『もの〇け姫』とかですら文句つけたい部分があったりすんで。
なのでこの世界がお好きな方の評価とは大きく違ってくると思うんですね。

もうひとつ、もやもやした所があるんです。
こちらのお話の攻め様である妖狐の焔には、出版社あらすじにある様に妻がいたんですね。で、この妻、鈴蘭は起承転結の『起』の部分で呪詛返しの犠牲になって命を落としてしまうんですよ。
この書かれようがね、ちょっとすっきりしなかったんですわ。

そもそも焔と呪術師の雪華は幼少の頃から好き合っていて、完全なる『両片思い』状況なんですね。そこにある障害は『種族の違い』、特に呪術師とそれに仕える妖狐という、身分と言うか立場と言うか、その問題なんですけど。
でもこれ、ハードルとしてはそれほど高くないと思うのですよ。実際に最終的には、その部分には何の変化もないまま、障害を飛び越えますし。

そうなって来ると、なんかこの鈴蘭ちゃんが『障害のかさ上げ』のために登場した様にも見えちゃったんです……いや、そんな風に感じるのは私の底意地の悪さの所為だとも思うんですけどね。でもですね「主従の悲恋をえがくのはもっと色々な方法があると思うんだけど、なんであえて結婚を選んだのかなー?」と……

焔の祝言直前に桜の花の散る下で雪華が想いを打ち明けるシーンや、豊饒祭により春の訪れを知った雪の精霊たちが空へ帰って行くシーンなど、とても美しい光景が想像できる描写があちらこちらにありまして、そういう部分はとても好きなんですよ。
ごく普通の青春ものとかお書きいただけないでしょうか?次作にでも。

5

緻密に練られたストーリー展開に萌えが滾る

あらすじを拝見して面白そうだなと思って手に取りました。
村崎さんが書かれたあとがきを拝見して知ったのですが、今作品はリンクス新人賞で奨励賞を取った作品に大幅な改稿を加えた作品、なんだそうです。

初めてお見掛けする作家さまだなー、と思っていましたが、今作品がデビュー作なんですね。が、めっちゃ面白かった…。ちょっと凄い作家さまが出てきたな、という感じ。読みやすい文体にしっかり練られた構想、伏線を回収しつつ進むストーリー展開。

ということでレビューを。若干のネタバレ含みます。ご注意ください。






主人公は雪華。呪術を生業とする八尾家の跡継ぎだ。
けれど、雪華には呪術師としての能力は低く父親からも叱咤を受ける日々。呪術を生業としているため同じ年頃の子どもたちからも遠巻きにされているが、そんな雪華の心の拠り所が幼馴染の妖狐である焔の存在。

焔は、雪華の父親が術を行う際に使う使役獣「管狐」夫婦の息子。桁違いの能力を持つ焔は雪華の父親から稲荷神の眷属になるよう勧められているが、雪華の管狐になることを望み、雪華のもとを離れることはしなかった。

けれど管狐は夫婦で主人に仕えることが規則であり、そのため焔は鈴蘭という妖狐を妻に迎えることに。そうなって初めて、雪華は焔を愛していたことを自覚するが―。

桁違いの能力を持つ妖狐×落ちこぼれの呪術師、というCPのお話です。

これねえ、凄く沢山バックボーンがあるんですよ。

呪術師と、その呪術師に仕える妖狐という主従関係であること。
妖狐には妻がいること。
そして、その妻がー。

と、あまりネタバレしちゃうと面白さ半減なので詳しくは書きませんが、とある出来事をきっかけに主従の関係が反転します。雪華のことが大切で、雪華を守るために雪華に仕える管狐になる焔、という立ち位置にいた焔ですが、雪華を呪うようになるんですね。

この展開が実に素晴らしいです。

すべてが繋がっていて、ストーリーに無理がなく、複雑なバックボーンが奥行きを与える。

正直に言ってしまうと、読者には、焔と雪華の両片想いの感情がダダ洩れなんです。焔もまた、雪華を深く愛していることが読み取れてしまう。けれど、雪華にはその焔の思いは伝わっておらず、けれどそれがまた良い。

焔はあえて、雪華に勘違いさせているのです。その理由もまた良い…!
この設定があるがゆえに、全体としてはシリアスベースでありながらちゃんと希望が読み取れて、萌えがきちんと持続します。

雪華は呪術師見習いなわけですが、この「呪術師」という設定が上手く生きています。
自分の欲のために人を呪う、その手伝いを呪術師はするわけですが、その呪術師が主人公になっていることで人の奥深い欲望とか、黒い感情が常に漂う作品なんです。

そこに、善と悪、モラルと禁忌、愛憎も見え隠れする。

その黒さを、優しい雪華は受け止めきれない。
そんな優しい雪華だからこそ、焔は雪華を深く愛している。

この二人の間に流れる深い愛情と、だからこそすれ違っていく関係。
そして雪華の人としての優しさとか、焔の圧倒的なスパダリ感とか、めっちゃツボでした。

彼らは途中、志之輔という一人の男の子を伴うようになりますが、その理由とか、志之輔の存在とか、そういったものも良い。彼の中にいる「おたぬ」の存在も良い。

どこをどう切り取っても緻密に練られたストーリー、そして設定で、めっちゃ面白かった。これ、続編とかスピンオフとか、いろいろ作れるんじゃないかな。ということで、絶賛切望中であります。

文句なく神評価。
次回作も楽しみに待っていようと思います。

9

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